[管理番号:12944]
性別:女性
年齢:48
病名:トリプルネガティブのアポクリン乳がん
症状:
投稿日:2025年08月01日
はじめまして。突然のご連絡を失礼いたします。
今年5月に、乳がんと診断され、左胸の全摘手術を受けました。
以下、病理解剖の結果です。
・乳がんタイプ:トリプルネガティブのアポクリン乳がん
・腫瘍サイズ:11mm(腫瘍周囲に非浸潤の微細な病変が広がっており、全体で約65mm)
・グレード:1
・ステージ:1
・Ki-67:5%
・センチネルリンパ節生検の結果:リンパ転移なし
・脈管浸潤:なし
・取り残し:なし
主治医からは、以下のような説明を受けました。
・今後の治療は「無治療」で、定期的な検査による経過観察
・理由としては、アポクリンがんは予後が良く、比較的おとなしいタイプであること
・トリプルネガティブではあるが、私のタイプには抗がん剤はあまり意味がない
無治療という方針には安堵もありますが、再発への不安が強く、今できる治療があるのであれば前向きに検討したいと考えております。
田澤先生におかれましては、これらの情報を踏まえ、どのようにご判断されますでしょうか。
ご意見を頂けますと大変ありがたく存じます。
何卒よろしくお願い申し上げます。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
ガイドライン上の「特殊型」での要点として「トリプルネガティブとなりやすい特殊型」としてアポクリン癌と腺様嚢胞癌の2つを挙げています。
このガイドライン上での扱いが、その2つで異なっており、
質問者のようなリンパ節転移無でも
1.アポクリン癌は(予後の良いタイプ~悪いタイプまで様々あることを根拠に)原則として、非特殊型と同じ(つまりトリプルネガティブならば抗癌剤)としている
2.一方で腺様嚢胞癌は無治療でよいとしている
その違いはアポクリン癌は「凄く大人しいタイプ(抗癌剤は不要)~そうでないタイプ(通常の組織型と同じく抗癌剤が必要だろう)までいろいろある」のに対し腺様嚢胞癌は「全てが大人しい=抗癌剤が不要」という点にあります。
上記ガイドラインに準ずると、質問者は「通常の組織型と同様に」抗癌剤推奨となります。
ただし、「グレード1 Ki67=5%」からは、おそらくアポクリン癌の中でも「凄く大人しいタイプ(抗癌剤は不要)」に相当するだろうと考え(主治医も、そう考えているのだと推測します)無治療は(私から見ても)極めて妥当と思います。
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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/8/18
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