[管理番号:12924]
性別:女性
年齢:50歳
病名:
症状:
投稿日:2025年07月25日
50歳女性(閉経前)です。
診断は、浸潤性乳管がん(初発)
2025年1月に、検診のマンモグラフィの石灰化で見つかりました。
2025年3月末に針生検:組織グレード2、核グレード1、ER陽性、PGR陽性、HER-2陰性(1+)、Ki67=5%程度という結果でした。
2025年5月末に右乳房全摘術を受けました。
腫瘍の浸潤径は0.9㎝、リンパ管侵襲(-)、脈管侵襲(-)でした。
術後病理検査:組織グレード2、核グレード1、ER陽性、PGR弱陽性、HER-2陰性(-)、Ki67=5%程度、センチネルリンパ節転移なし(0/1)という結果で、pT1bN0となりました。
浸潤径が9㎜あった(5㎜を超えている)という理由でオンコタイプDX検査を提案され、受けたところ、RS30との結果が返ってきまして、正直、思いがけない結果だったため、受け止め切れていないのが現状です。
主治医の先生からは、抗がん剤治療を勧められています。
ただ、術前、術後の病理検査でHER-2が陰性で、ルミナルタイプとされてきましたが、今回、オンコタイプDXではHER-2が「判定保留領域」との結果でした。
抗がん剤の内容にかかわるとのことで、現在FISH検査を提出し、HER-2について確認中です。
化学療法は、
FISHでHER-2陰性もしくはもう一度判定保留となれば、AC療法+ウィークリーT療法をHER-2陽性ということになれば、ウィークリーT療法+ハーセプチン+パージェタを提案されています。
質問させていただきたいことは、以下の通りです。
?染色ではHER-2タンパクが陰性であっても、遺伝子検査で陽性となることはあるのでしょうか。主治医からは、実はHER-2が陽性で、そのためにオンコタイプDXの値が高くなったのかもしれないと言われました。
②HER-2陽性であった場合、1㎝以下の早期乳がん(だと思いたい気持ちが強すぎるのかもしれませんが)でリンパ節転移が陰性であっても、遺伝子変異が多い私の場合は、ハーセプチンとパージェタの投与は再発率を下げてくれると考えるのが妥当でしょうか。
③オンコタイプDXの質問になってしまい、不適切かもしれないのですが、RS30という値は、病理検査やstage分類から予測される5年生存率を期待できないと覚悟すべきでしょうか。急に再発リスクが高い患者となったことに、まだ不安と戸惑いが大きいです。病理学的には再発リスクは低いのではないかと言われていたのが一転して、高リスクとなったことは、遠隔転移能がとても高いがんということでしょうか。
④主治医から提示されている抗がん剤は、HER-2陽性/陰性どちらの場合であっても、
強く推奨されている、フルコースの治療だと思いました。それほど高リスクということなのでしょうか。TC療法では不十分なのでしょうか。
⑤まだ始まってもいないのですが、化学療法終了後にはホルモン療法と言われています。閉経しなかった場合はLH-RHアゴニストも受けたほうがよいでしょうか。
⑥化学療法とホルモン療法に加えて、ベージニオも適応となるのでしょうか。田澤先生は、推奨されますか?
⑦再発高リスクの場合は、治療後の定期健診の頻度や検査内容は変わってくるのでしょうか。
現在まで、全身のCTや骨シンチ検査は受けていません(今までの経過では心配もしていませんでしたし、この方針に納得できていましたが、今後は不安です)。
再発するとしたら、どのような症状が現れてくるのでしょうか。どんな症状に気を付けて、今後過ごしていけばよいのでしょうか。
化学療法を受ける決心はしましたが、治療をしても再発のリスクがとても高いのではないかという不安にすでに押しつぶされそうになっており、質問させていただきました。たくさんですみません。
どうぞよろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
HER2は流石に陰性となるでしょう。
RS=30なのだから抗癌剤推奨は当然ですが、pT1b,pN0なのだから担当医の推奨は「あまりにもやり過ぎ!」ですね。
私であれば
1.HER2陰性であれば(おそらく、そうなるでしょうが) TCx4
2.HER2が「もしも」陽性ならばTC+trastuzumab
要点は
(HER2陰性の際の)anthracycline followed by taxaneはやり過ぎ
(HER2陽性の際の)pertuzumabの適応なし(リンパ節転移陰性だから)
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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/8/13
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