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1,2ヶ月でしこりはできるか

[管理番号:12612]
性別:女性
年齢:50
病名:
症状:
投稿日:2025年03月30日

こんにちは。お忙しいところ、大変申し訳ありませんが、教えていただきたく、メールいたしました。

2024年11月
右の乳頭部2/3程に炎症がおこり、入浴の度に表面の白くなった皮がふやけてはがれ、多少の出血があったり、下着が黄色の膿で汚れたりしていた。

2024年12月(中旬)日
すぐ治るかもしれないと放っておいたものの、一向に治る所か痛みが増すばかりで、乳房全体が痛むような気もしたので、予約し、主人の会社の奥様検診で、マンモグラフィーの検査を受けた。10年ほど前にエコーを受けたきり(結果に乳腺症と書かれていたような気がする)、生まれて初めてのマンモだった。

2025年1月(下旬)日
マンモの結果は1か月後と言われていたが、1か月待ってもこず、問い合わせると、年末年始を挟んだため、1月29日に郵送で送られるまで待ってほしいとのこと。痛みもひどく、入浴後の出血もひどくなってきたので、かかりつけの皮膚科を受診する。先生は、中から来ているものではなく、表面の皮膚の問題のような気がするけれどと言いながら、一応乳腺科に紹介状を書いてくださった。その病院が先にマンモを受けた病院で、マンモの結果を待って、それを持ってきてくださいと言われる。検診センターと乳腺科は別なので、病院の中で直接結果をやり取りすることはできないとのことで、結果の郵送を待つこととなった。1月(下旬)日、結果は、右、乳腺石灰化、左、異常なしで、1年後検診とのことだった。
皮膚科では、ゲンタシン軟膏が処方された。

2025年2月(上旬)日
紹介された乳腺科受診。3Dマンモグラフィーの後、エコー。エコーでは、なぜか問題の右より左を行ったり来たり見ていて、写真も多数撮っていた。先生からの説明で、左に1cmくらいのしこりがある。前回のマンモでは指摘がないが、今回はマンモでもしっかり写っている。ただ、形もよく、境界も明瞭で良性だと思われる。他の患者さんなら半年後の経過観察だが、私の場合は右乳頭のデコルパンチ生検をするので、ついでに左の針生検もやればどうかと言われ、両方受けることになった。右も、先生の見立てでは、乳頭のみで範囲が狭いこと、患部の感じからパジェット病とは考えにくいが、初期で今後広がっていくという懸念を払拭するため、デコルパンチ生検をしましょうとのことだった。

2025年2月(中旬)日
結果を聞きに行った。

乳頭部腺腫。表層の表皮にびらんがみられるが、peget病の所見なし
軟膏処置での治癒を目指しますが、改善乏しければ切除治療も選択肢になります。


上皮過形成を伴う乳管内乳頭腫

右は、プロスタンディン軟膏を塗って、2週間治るか様子を見ることとなったが、先生のこちらのページで、軟膏など塗っても治らない、切除するしかないと読み、手術しか方法がないなら、先延ばしにせず、早くしてほしいと思っていた。痛み止めとしてカロナールを処方されたが効かず、夜も満足に眠れず、体重も5キロ以上落ちていた。

2025年3月(上旬)日
軟膏での改善が全く見られないとのことで(むしろ、このころには2/3ほどだった炎症が、乳頭全体の皮がめくれ、悪化の一途をたどっていた)、手術することが決まった。全身麻酔で日帰りでできるとのこと。切除する深さを見るため、MRIを撮ることになった。

2025年3月(下旬)日
混んでいる病院でMRIの予約が取れず、ようやくこの日に受けられた。

2025年3月(下旬)日
MRIの結果を聞きにいった。右乳頭部は、MRIで真っ白に写っていた。先生曰く、ちょっと中に伸びているが、それほど深くはない。
それ以外に、右に2つ、左に1つ、造影剤で血流のあるしこりがみられ、検査をするようにとのことだったのでとエコーを受けた。確かに、MRIで指摘された箇所にあった。3つのうち最大のもので6mm形もよく境界明瞭で、先生は大丈夫だと思われるけれど、指摘された以上、良性の証拠を示さないといけないので、再度、両胸の針生検をしますとのことで、4/4にやることになった。

長くなりましたが、これまでの経緯は上記の通りです。

質問なのですが、
①2/(上旬)の際には、1㎝のしこりでもエコーで問題なさそうなら経過観察で可(私はついでがあり針生検を受けましたが)だったのが、3/(下旬)には6mmで問題なさそうなしこりをすぐ針生検をするのはなぜか?血流があることが原因?
②4/(上旬)に針生検をする3つのしこりは、前回のエコーの時はなく、この1,2ヶ月で新たにできたものなのか?もともとあったものなら、前回のエコーではなぜ見つからなかったのか?
③乳頭部腺腫は、先延ばしにすることにより、大きくなって切除の範囲が大きくなることはないのか?

針生検を再度受けることも気が重い上、早く右乳頭の痛みから解放されたかったので、また予定が先になって落ち込んでいます。
おろしくお願いいたします。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

メール全体を読んでのコメント
まず、全ての経過を複雑?(もしくは)煩雑にさせている一つの原因に「マンモグラフィーに拘っている」点があり、また(無駄な)MRIの登場も余計にややこしくしています。

シンプルに言えば
1.右の乳頭部の乳頭部腺腫 (所謂)adenoma of the nippleは(良性ですが)増殖性が強く皮膚破壊を起こすので、まさに「Paget’sとの鑑別」となります。
ただし、(Paget’ではないにしても)皮膚破壊を起こすので保存的に診るのはそもそもどうか? 最初から(生検するまでもなく)手術一択の所見なのだと想像します。

2.また、「3つのうち最大のもので6mm形もよく境界明瞭で、先生は大丈夫だと思われるけれど、指摘された以上、良性の証拠を示さないといけないので、再度、両胸の針生検をします」
⇒私もこのように考えます。
その方が質問者も安心なのでは?

①2/(上旬)の際には、1㎝のしこりでもエコーで問題なさそうなら経過観察で可(私はついでがあり針生検を受けましたが)だったのが、3/(下旬)には6mmで問題なさそうなしこりをすぐ針生検をするのはなぜか?血流があることが原因?
⇒もし「同じ」医師だとしたら…

 もしかすると、その医師は(MRI信者なので)「MRIで造影=悪性の可能性を考えなくてはならない」ということかもしれません。

実際にはエコーで判断すべきです。

②4/(上旬)に針生検をする3つのしこりは、前回のエコーの時はなく、この1,2ヶ月で新たにできたものなのか?もともとあったものなら、前回のエコーではなぜ見つからなかったのか?
⇒シンプルに…
乳腺エコーの精度の問題です。
所謂「セカンドルック」だと、「その部位だけに絞ることができるので」(サーと見ただけでは通り過ぎる所見でさえも)じっくりと認識できるだけの話です。

③乳頭部腺腫は、先延ばしにすることにより、大きくなって切除の範囲が大きくなることはないのか?
⇒その通りです。

***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/4/21
***

  

質問者様から 【質問2】

病理検査で良性か悪性か判断がつかない?
性別:女性
年齢:50
病名:乳頭部腺腫
症状:
投稿日:2025年06月13日

前回の質問にご丁寧に回答して頂きありがとうございました。

先日、無事、乳頭部腺腫の切除手術を終えました。
目立たないよう、乳輪部は残し、乳頭のみの切除を提案されましたが、見た目よりも取り残しのないようにしっかり取って欲しいと希望したところ、乳輪部まで切除となりました。
事前に、病理検査の結果が悪性だった場合、放射線治療などが発生することもあると説明は受けていました。

術後10日後、検査結果を聞きに行きました。
すると、前日の時点で病理からの回答がなく、先生が催促をしたところ、病理の先生方で話し合っても、病気が、皮膚なのか乳腺なのか、良性か悪性かの判断がつかないため、外部のコンサル(?)に出したいと言われたとのことでした。
外から見た感じは田澤先生がこちらのホームページに載せられている、4-1③
adenoma of the nippleの画像とそっくりでしたので、良性の乳頭部腺腫で間違いないだろうと思っていたので、予想外の結果に驚いています。
田澤先生も稀な良性腫瘍と書いていらっしゃいますが、そんなに珍しいのでしょうか?病理でも初めて見たと言っていたそうで、主治医の先生も表面がただれて治らない私のような症例は初めてだったとおっしゃっていました。
良性か悪性かで治療方針も変わるので、外部に出して調べてもらうということでいいですか?とさらに2週間後に結果を聞きに行くことになりました。

それで、質問なのですが、
①乳頭の表面がただれる病気として、パジェットと乳頭部腺腫以外にもあるのでしょうか?(パジェットの可能性は以前にデコルパンチ生検にて、所見なしとなっている)
②デコルパンチ生検では所見なしとなっていたが、腫瘍の病理検査での結果、パジェットの疑いが否定できないということなのでしょうか?
③切除した腫瘍を調べても解らない位、判断は難しいものなのでしょうか?

お忙しいところ、大変申し訳ありませんが、以上3点、ご回答をお願いいたします。

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

皮膚生検で「乳頭部腺腫」と出ているのだから最終的にそうなるのでは?
いずれにせよ「あれこれ」複雑に考えずに結果をシンプルに待ちましょう。

***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/6/30
***

質問者様から 【結果・経過3】

乳頭部腺腫と診断されていたが、結果癌であった
性別:女
年齢:50歳
病名:腺様嚢胞癌(基底細胞癌様)トリプルネガティブ乳癌
田澤先生の診察:[診察なし]
田澤先生の手術:[手術なし]
投稿日:2025年7月12日

乳頭部腺腫とのことで、6月初めに切除手術を受けた。病理検査の結果、良性か悪性か、皮膚の病気なのか乳腺の病気なのかもわからないとのことで、外部のコンサルティングに出したと説明された。外部のコンサルティングでも判断がつかないとのことで、1か月以上待ちようやく結果が出た。最終的に、○○までいき、腺様嚢胞癌との病名だった。
今後、科内の先生方全員で治療方針を話し合うとのこと。センチネルリンパ節生検と放射線治療は確定でやると言われている。

<Q&A結果>

***
【結果】の送信は、【質問】として扱わないので
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2025/6/30
(本日から可能です。)
***

  

質問者様から 【質問2】

手術方法
性別:女性
年齢:50
病名:Solid-basaloid variant of adenoid cystic carcinoma あるいは invasive breast carcinoma with basaloid features
症状:
投稿日:2025年07月25日

お忙しいところ、何度も質問にご回答いただき、ありがとうございます。

病名は、あまりにも稀で適切な日本語はないとのことで、一応腺様嚢胞癌(基底細胞癌様)となっています。
乳頭部腺腫ではなく、癌だったとの告知を受けてから、いろいろと自分でも調べました。
こちらのHPでも、乳腺の腺様嚢胞癌は予後がよく、放射線だけでよいと書かれていましたが、古典的ADCC(C-ADCC)と違って、私の場合の固形基底細胞様腺様嚢胞癌(SB-ADCC)は、予後が非常に悪く、海外の論文を日本語訳したところ、SB-ADCC患者(平均追跡期間32か月)で、31%(5/16)が疾患で死亡(平均生存期間23か月)、
19%(3/16)が研究時点で遠隔転移を起こしながら生存と見て、目の前が真っ暗になりました。
海外の論文でさえも数が少ないのですが、遠隔転移はどれも50%となっています。

告知された際には、腫瘍は取り切れているので、転移を見るために、センチネルリンパ節生検をやり、その後放射腺と言われていたのですが、1週間後に治療方針の話を聞きに病院に行った所、だいぶ変更がありました。
まず、取り切れていたといわれていた腫瘍は、一応取り切れてはいそうだが、ぎりぎりの為、近接有で追加切除をセンチネルリンパ節生検と共にする。
その後は、化学療法もあまり効かないと思うが(海外の論文によると、術前の化学療法で3人のうち1人だけ効果あり)、前例がなく、治療方針も他にないので、トリプルネガティブ乳癌の治療と同様にする、すなわち、抗がん剤をやり、その後放射線。
ここでは、症例がないが、○○がんセンターに行けば、少しは他の症例が聞けるかもしれないとのことで、セカンドオピニオンを検討することも勧められる。

以下が現状です。
浸潤癌17mm
核グレード3 組織学的グレード2
腫瘍周囲の脈管浸襲 あり(リンパ管)
Ki67 18% 中間
ER 0% PgR 0% HER2 1+
トリプルネガティブ

8/(上旬)に手術予定で、先日、腫瘍マーカーを調べるため、血液検査をし、来週他の臓器への転移を見るためにCTを撮る予定になっています。
セカンドオピニオンは、手術後、抗がん剤が始まる前に行く予定でしたが、海外の論文で高悪性度ADCCサブタイプでは、腋窩リンパ節郭清と全身療法が不可欠ですとあり、全摘、腋窩リンパ節郭清の方がよいのか手術方法に悩んでいます。
手術が近いことから、セカンドオピニオンも間に合わず、(○○んセンターかと思っていましたが、○○がんセンターに行かないと症例はないと言われ、紹介状を依頼はしてあります)8/(上旬)にCTや腫瘍マーカーの結果を聞きに行く際には、部分切除から全摘に、生検ではなく郭清にと変更するのなら伝えなければならないので、先生のお考えをお聞かせいただければと思います。
お忙しいところ、大変恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

田澤先生から 【回答4(質問3 結果1)】

こんにちは。田澤です。

それにしても、診断までも「複雑な経緯となっていた」のも、病理後の治療方針までも「複雑にしている」ことには、本当に質問者に同情を禁じえません。

腺様嚢胞癌なのだから、「追加切除+センチネルリンパ節生検」してリンパ節転移が無ければ「無治療」無論抗癌剤の適応はありません。

物事を知らない医師が(知らないことの恐怖のあまり)物事を大袈裟にするのには(慣れていますが)重ねて患者さんが可哀想ですね。

★今後QAは暫くはお控えください。 「でも主治医がこういうんですけど…」的、
質問には一切回答しません。(そんな主治医のやることに私がコメントすること自体ナンセンス)

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
★今後QAは暫くはお控えください。
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