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葉状腫瘍について

[管理番号:12509]
性別:女性
年齢:30
病名:
症状:
投稿日:2025年02月22日

初めて質問させていただきます。
中学生か高校生くらいの頃に右胸の乳輪下あたりにしこりを見つけましたが10代ということもあり放置していました。

しかし30歳で出産し、産院で胸のしこりを指摘され、総合病院にてエコーを受けました。
大きさは詳しく聞いていませんが20mmほどと言っていたよう気がします。
エコーからして線維腺腫もしくはスリットが見られるため葉状腫瘍の可能性と言われました。

そこで質問なのですがネットで調べると腫瘍にスリット構造が見られると葉状腫瘍である可能性が高いとありますがこの場合ほぼ葉状腫瘍で間違いないのでしょうか?
また15年ほど放置してしまっていますが悪性になっている可能性は高いのでしょうか?
また、放置している間に遠隔転移している可能性はあるのでしょうか?
大きさは発見した時とあまり変わっていないように思います。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

葉状腫瘍は2つのケースが知られています。
1.長い事(10年以上)線維腺腫と診断され殆ど変化無かったのに、(ある時)急に増大し「葉状腫瘍」と新たに診断されるケース
2.最初から「葉状腫瘍」と診断され、(どんどん)増殖するケース

質問者の場合には明らかに上記1のケースと言えます。
もしも高校生くらいの頃に組織診を行えば(ほぼ間違いなく)「線維腺腫」の診断となっていたでしょう。
そして現時点で「20mm」程度であり「葉状腫瘍の可能性もある」程度の所見であれば、実際には(もし今組織診を行えば)「fibroephithelial tumor(線維腺腫もしくは、良性葉状腫瘍)」と診断されることでしょう。

そこで質問なのですがネットで調べると腫瘍にスリット構造が見られると葉状腫瘍である可能性が高いとありますがこの場合ほぼ葉状腫瘍で間違いないのでしょうか?
⇒上記通り「線維腺腫か、(せいぜい)良性葉状腫瘍」でしょう。

また15年ほど放置してしまっていますが悪性になっている可能性は高いのでしょうか?
⇒(私の経験上)それは「ほぼ100%」ありません!

悪性葉状腫瘍は実際には以下のケースとなります。
1.そもそも「かなり」大きい  最低10cm以上あり、(かつ)皮膚所見を伴う。
(皮膚もしくは真皮浸潤を起こし皮膚に潰瘍もしくは発赤などを認める)
2.10cm以下で悪性葉状腫瘍は「殆ど」ありません。が、強いて言えば 「小さいのに凄く硬い。もしくは画像上(まるで癌のように)周囲への浸潤像が明らか。もしくは(小さいのに)皮膚所見を持つ。

★質問者は「絶対に」間違いなく上記所見をみたしません。
悪性葉状腫瘍の可能性はゼロです。
ご安心を。

放置している間に遠隔転移している可能性はあるのでしょうか?
⇒上記(悪性葉状腫瘍である可能性がゼロである)同様に、遠隔転移の可能性も「ゼロ」です。(言い切ります)
ご安心を。

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/3/11
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