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左胸乳ガン温存術後の治療について

[管理番号:12356]
性別:女性
年齢:55
病名:左胸乳ガン
症状:去年の12月(中旬)日に温存術をしました。
投稿日:2025年01月04日

乳ガンの大きさ(1,8×1,1×1,5)
リンパ節転移なし、
エストロゲン、プロゲステロン受容体共に90%、HER2蛋白 陰性
Ki-67 5%、リンパ管浸潤ly 陽性、静脈浸潤V 陰性、細胞の悪性度 2,
組織の悪性度 2,組織型 硬性型、ステージ1の乳ガンなのですか、悪性度が高いので、放射線治療、ホルモン治療、抗がん剤治療を全て行うとの事なのですが、抗がん剤治療をした方がいいのでしょうか。進行性の乳ガンなのでしょうか。
お忙しい中大変申し訳ありませんが今後の治療法をご教示いただけますでしょうか。
宜しくお願い致します。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

新年、2番目の回答なのですが、早くも私の「心の琴線に触れる」内容です。(無論、質問者へではなくその「担当医に対して」です。誤解のなきように)
(OncotypeDXを勧めずに)抗癌剤を勧めるには相当な根拠が必要であり、
「悪性度2」をその根拠とするのはあまりにも常識外れなのです。

ステージ1の乳ガンなのですか、悪性度が高いので、放射線治療、ホルモン治療、抗がん剤治療を全て行うとの事なのですが、抗がん剤治療をした方がいいのでしょうか。進行性の乳ガンなのでしょうか。
⇒最初メールを読んでいる際には、「Ki67=5%]とあったので、これなら「OncotypeDXを必ずしも勧める必要無く」抗癌剤無でいいかな。と思いながら読み進めましたが…

何と! 私の予想を「遥か超えて」 (OncotypeDXを勧めることもなく)
グレード2だから抗癌剤を行う????

Unbelievable! (今年、早々と登場したこの言葉。今年は一体何回登場するのでしょう!)

と、(新年早々なので)少々脱線しましたが…
回答は
OncotypeDXを勧めます。となります。

Ki67の値を信じれば(OncotypeDXするまでもなく)抗癌剤は不要と回答してもいいですが、(稀に)主治医の術後の標本扱いの不手際で(簡単に言えば、
ホルマリン固定が不十分な場合)その影響を受けてしまって低く出ている可能性は完全には否定できないので、(その点を考慮すれば)OncotypeDXしましょう。となるのです。
♯Ki67に限らず免疫染色の染色強度は、標本処理に(多かれ少なかれ)左右されます。
 極端に言えば、ある一定期間放置されれば「免疫活性そのものが失活してしまう」し、(放置されなくとも)ホルマリン量が(組織に対して)不足すると「十分には固定されない=失活してしまう」ことになり値が小さくなるリスクがあるのです。
 それに比べOncotypeDXのような「遺伝子の発現」で評価する場合には
「タンパク質の失活」ほどの影響をうけないのです。

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/1/20
***

  

質問者様から 【質問2】

左胸乳ガン温存術後の治療について (再質問)
性別:女性
年齢:55
病名:
症状:
投稿日:2025年01月20日

お忙しい中ご教示頂き本当に感謝しています。再度先生に質問させて頂きたいのですが、実は私の友達が同じホルモン由来の乳ガンで今現在田澤先生の治療(ホルモン治療と放射線治療)を受けて9年目になるそうなのですが、私も同じ治療を受けるのかと思っていた所、私の主治医はこの治療法に難色を示し、海外で検査をしてから治療法を決めると待ったがかかってしまいました。
出来れば抗がん剤治療はしたくないのですが、先生のご意見をお聞きかせください。
今後の治療を田澤先生にお願いする事は可能でしょうか。
友達は田澤先生に絶対的信頼を置いているのでお忙しいとは思いますが質問させて頂きました。何卒ご教示宜しくお願い致します。

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

「私の主治医はこの治療法に難色を示し、海外で検査をしてから治療法を決めると待ったがかかってしまいました。」
⇒質問者は勘違いしているのでは???

この「海外で検査」なるものが「OncotypeDX」のことですよ。

★OncotypeDXを勧めることなく「グレード2だから抗癌剤勧める」という前回のQに対し、「OncotypeDXを是非しましょう」と回答したのです。
其の意味では「海外で検査=OncotypeDX」をしてから治療法を決めると云いだしたというのは明らかに「一歩前進=その医師も漸くまともなことを言い出した」ということです。

ただし、「出来れば抗がん剤治療はしたくない」というのが「もしもOncotypeDXでhigh riskと出ても絶対に抗癌剤はしない(low riskと出る可能性が高いとは思いますが)」という「絶対的意志」であれば、
私なら、患者さんの意志を尊重して(OncotypeDXすることもなく)ホルモン療法のみとします。

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/2/5
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