[管理番号:12350]
性別:女性
年齢:53歳
病名:浸潤性乳管癌
症状:
投稿日:2024年12月25日
再発
左乳房 浸潤性乳管癌
●病理組織形態所見
? *E*R?: Invasive ductal carcinoma, scirrhous type
・浸潤径
割面における径:23?6mm
切り出し図で計測した広がり:30mm
・浸潤径+乳管内進展巣
割面における径:23?6mm
切り出し図で計測した広がり:30mm
・断端の評価
水平断端:陰性)
皮膚側断端:陰性
深部断端:陽性の疑い,
・脈管侵裝:LY1slight, Vo(HEのみ)
・組織学的波及度:f
・病理学的グレード分類
核グレード:Grade 2(核異型スコア NA 2, 核分裂スコア MC 2)
組織学的グレード:Grade 3(腺管形成スコア TF 3,核異型スコア NA 2, 核分裂スコア MC2
? in situ : (+)
リンパ節:陰性
? 免疫組織化学法 #5
・ER:80%
 ・PgR : 40%
・HER2:1+ (会性)
? Ki67 LI : 40%
●リンパ節
total 0/1(センチネル:0/1)
田澤先生、いつも乳がんプラザ拝見し、勇気をいただいております。
11年前位に左乳房に7m程の癌が見つかり、温存術。術後ホルモン療法リュープリン注射とタモキシフェン投薬。放射線治療を行いました。
今年8月末に乳がん再発→11月中旬に全摘の手術を受け、術後病理検査結果が上記のように出ました。
ホルモン感受性の癌である為、ホルモン療法と思いきや、ここ数年で保険適用になったオンコタイプDXの検査を主治医に勧められ、結果待ちのところです。
◎針生検の結果…クリニック医師は予後良好の癌である為、良かったねと仰り、その
後、大学医師からも進行がゆっくりタイプの癌の為、手術までに2ヶ月位あいても心配ないと聞いて、大人しいタイプのものと安心しておりましたが、術後病理結果では、組織学的グレード3、顔つきの悪い癌で悪制度が高いと説明を受け、針生検の結果とは随分と違う気がして困惑しています。
◎顔つきの悪い癌とは、ホルモン感受性タイプであっても、進行も早く再発転移の可能性が高い?癌なんでしょうか?そもそもが認識不足でしたらすみません。
◎脈管侵襲LY1で組織学的グレード3であっても、ホルモン療法だけで癌細胞が消える?事はあり得ますか?
◎深部断端陽性疑いという結果、再手術の必要はないでしょうか?
主治医から説明はあったと思うのですが、一気に説明受け…どの様な説明を受けたか?抜けてしまってます。次の診察時にまた聞いてみるつもりですが…その部分には赤線引いてなかったので流されました。
脈管侵襲LY1と組織学的グレード3には赤線引いてました。
◎ルミナールタイプと説明受けましたがABタイプまで説明はなかったです。AかBか?
は抗がん剤が効くか効かないか?ですか?
すみません…基本的なことも分からず
◎私の場合、しこり3センチ、リンパ節転移なしのステージ2a?でしょうか?
◎オンコタイプDXの結果を得て治療にあたれば5年は生きれますかね?
田澤先生…お忙しい中、長文となり恐縮ですが、宜しくお願いします。
また、質問に失礼がございましたら、お詫び申し上げます。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「再発」となっていますが…
OncotypeDXをしているということは(前回の乳癌とは無関係の)同一乳房内「新規発生」という解釈なのでしょう。
◎顔つきの悪い癌とは、ホルモン感受性タイプであっても、進行も早く再発転移の可能性が高い?癌なんでしょうか?そもそもが認識不足でしたらすみません。
⇒どちらでもありません。
単にそれらの医師の「思い込み」で「グレード3=顔つきの悪い癌」と言いたいだけです。全く無視して結構です。
◎脈管侵襲LY1で組織学的グレード3であっても、ホルモン療法だけで癌細胞が消える?事はあり得ますか?
⇒脈管侵襲もグレード3も無関係です。
◎深部断端陽性疑いという結果、再手術の必要はないでしょうか?
主治医から説明はあったと思うのですが、一気に説明受け…どの様な説明を受けたか?抜けてしまってます。次の診察時にまた聞いてみるつもりですが…その部分には赤線引いてなかったので流されました。
⇒再手術の検討はすべきでしょう。
◎ルミナールタイプと説明受けましたがABタイプまで説明はなかったです。AかBか?
は抗がん剤が効くか効かないか?ですか?
すみません…基本的なことも分からず
⇒OncotypeDXを行うのだから、その結果に従うだけです。
◎私の場合、しこり3センチ、リンパ節転移なしのステージ2a?でしょうか?
⇒その通り。
◎オンコタイプDXの結果を得て治療にあたれば5年は生きれますかね?
⇒早期だからその可能性はかなり高いと思います。
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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/1/20
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質問者様から 【質問2】
リンパ節転移?
性別:女性
年齢:53
病名:浸潤性乳管がん
症状:
投稿日:2025年09月22日
田澤先生
いつも拝見しております。
二度目の相談となります。
お忙しい中、長くなりますが一読して頂けたら幸いです。
昨年の11月に受けた手術の術後病理検査結果よりオンコタイプDXを受け、結果スコア24だったものの…術後病理検査結果でグレード3だったのとオンコタイプDXのスコアがギリギリだった為、主治医に抗がん剤治療を強く勧められました。それなら、なんの為のオンコタイプDXだったんだろう?また、ホルモン受容体のタイプには化学療法が効果ないと言われてるのに?と疑問に思いつつも、先々後悔したくないという思いが勝ち、抗がん剤治療を受ける事に決めました。
EC4クール+パクリタキセル4クールの全部で8クールでした。
その後、ホルモン治療アナストロゾールを開始しましたが…
アナストロゾールを服用し始めてから1ヶ月経つか経たないか?頃から、特に起床時に手の強張り痺れ、関節の痛みが始まり、特に足首や足の痛みが酷く、起床時や立ち上がる際、暫くは、痛みで足が付けないような状況。ただ、動いてるうちに痛みは軽減され、徐々に普通に歩けるようになります。
対処方として漢方薬ツムラ18番を処方していただき、強張りの方は若干良くなってる気がしますが、足の痛みは変わらず継続してあります。
また、抗がん剤治療が終わり、4ヶ月経った今、超音波検査をしたところ全摘した側のリンパに腫れが見られるとの事でした。
良性か悪性か五分五分の見解。
二週間後に針生検、結果は1ヶ月後…相変わらず、大学病院は患者の意に反して検査も結果が出るまでにも時間がかかります。
悪性だった場合、サイズ的にも他臓器への転移はまだ大丈夫なんじゃないかな?と…
主治医は申しておりましたが…
田澤先生に質問です
①ホルモン剤の副作用が上記のように酷い場合でも、アナストロゾールを飲み続けて大丈夫なのでしょうか?
②術後半年後検診にはなかったリンパ節の腫れ…半年後検診から3ヶ月経った今現れたと言う事は、進行が早いという事なのでしょうか?
③悪性だった場合、手術するにもまだまだ時間がかかります。
この間に骨や他臓器に転移してしまうのではと不安になりますが、発見してから二ヶ月以上手術までに時間がかかってしまっても大丈夫なのでしょうか?
見た目にも結構腫れてますが、触った限り触れるしこりはありません。
④悪性だった場合、手術の他、治療法はまた化学療法になりますか?
今回、化学療法をしたにも関わらず、直ぐに転移?が見つかったのだとしたら、やはり、化学療法効果なかったって事ですよね?
因みに、放射線治療は10年前に照射した為、出来ないと聞いてます。
⑤骨や他臓器転移した場合、治療困難と聞きますが、完治する可能性もありますか?
大変長く、纏まりのない文となり恐縮ですが、ご回答お待ちしております。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
①ホルモン剤の副作用が上記のように酷い場合でも、アナストロゾールを飲み続けて大丈夫なのでしょうか?
→日常生活に差し支えるのであれば、一度休薬し別の薬剤で再開も考慮しましょう。
もしもanother aromatase inhibitorでの再開でも同じような症状となるようならtamoxifenへの変更もありですよ。
②術後半年後検診にはなかったリンパ節の腫れ…半年後検診から3ヶ月経った今現れたと言う事は、進行が早いという事なのでしょうか?
→そもそも…
転移かどうか?まだ不明なのでは?
そんなこと(進行が速いとか遅いとか)は結論が出てから考えるべきものですよ。
③悪性だった場合、手術するにもまだまだ時間がかかります。
この間に骨や他臓器に転移してしまうのではと不安になりますが、発見してから二ヶ月以上手術までに時間がかかってしまっても大丈夫なのでしょうか?
見た目にも結構腫れてますが、触った限り触れるしこりはありません。
→癌だった「場合には」速やかに手術すべきです。
④悪性だった場合、手術の他、治療法はまた化学療法になりますか?
今回、化学療法をしたにも関わらず、直ぐに転移?が見つかったのだとしたら、やはり、化学療法効果なかったって事ですよね?
因みに、放射線治療は10年前に照射した為、出来ないと聞いてます。
→キチンと手術で取り切れるのであれば(抗がん剤は省略して)CDK4/6 inhibitor+hormone therapyという選択肢があります。
⑤骨や他臓器転移した場合、治療困難と聞きますが、完治する可能性もありますか?
→可能性云々ではなく…
重要なことは何を目標とするか?です。
本気で根治の可能性を望むなら、
第1ステップ 画像上消失させる → 第2ステップ それを可能な限り維持する。
 
その維持が一生なら、その時こと「根治」なのです。
もしもすれを望むなら「画像上消失」にこそ全力を注ぐべきなのです。
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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/10/8
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