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ADHの診断での全摘をすべきかどうか教えてください

[管理番号:12291]
性別:女性
年齢:45
病名:ADH
症状:自覚症状全くなし
投稿日:2024年12月08日

初めまして。(関西)在住の者です。
今の自分の状況を調べているうちにこちらの先生の所に辿り着きました。
沢山の方の質問など、読ませて頂きました。

お忙しい中、大変恐縮ですが今迷っていることをご相談させて下さい。(文章がまとまらず、読みにくいかもしれませんが、ご了承下さい)

2019年の市の乳がん無料検診で要精密検査(右に乳腺石灰化)で結果が返ってきました。

すぐに個人病院→大きな病院に紹介をしてもらい、2019,11,(下旬)にMRIを撮り、所見は「両側濃染あるが、悪性パターンなし」でした。
2019,11,(下旬)にマンモトーム生検をして、偽陽性でした。所見には、「結合性の強い導管上皮細胞集塊を認めます。増殖性と核の肥大した腺細胞が見られます。均一小型の核を有し、ニ相性にやや乏しい細胞集塊を認めます。DCISを完全否定出来ない細胞像です。」とありました。
この時点で主治医より、部分切除で病理検査に出して白黒つけるか、半年ペースで経過観察の検査をしていくか…と提案がありましたが、私の場合、石灰化の範囲が広いようで、4分の1ほど切除しないといけないとのことで、傷跡と乳房の変形のことを考えて、経過観察することにしました。

それから半年に1回のフォローを4年間続けてきて、去年主治医より「急激な変化はないので1年空けてみましょうか」と言われ今年の10月に1年ぶりの検査(マンモグラフィ、エコー、マンモトーム生検(3回目))をしました。
その結果、ADH(過去1回目は判定不能、2,3回目がADH)でした。
更に、1年前にはなかった所に新たに石灰化(小さく広がっている)ができていたので、主治医は1年でこの広がりは気になる…嫌な感じだと言います。
それで3つの選択肢を出されました。

①これまで通り半年に1回の経過観察。
②部分切除(4分の1強えぐる感じ)で病理検査に出し、白黒つける。その結果によっては、残りの乳房に放射線治療か、残りの4分の3を全摘して乳房再建する。
③(今の段階で、他の人よりも3~5倍ガンになりやすい。後々の不安材料として考えたら)始めから全摘して、乳房再建を受ける。

この提案を受け、家族、友達、看護師の友人複数人に相談し、色々な意見があり、もちろんまとまりませんでしたが、私の中では両親共の家系ががん家系(父は肝臓がんで亡くなっています)と言うこともあり、将来的な不安を考えたら今のうちに全摘してしまった方がいいのでは…と思うのですが、今そこまでしてしまうのは、やり過ぎなのでしょうか?
最終的に決めるのは私自身だと言われるのですが、簡単な事ではないので、なかなか決断しきれません。
田澤先生の豊富な知識、経験からご意見をお聞かせ頂けないでしょうか。

ちなみに現在保育士をしており、術後の仕事にも影響(どのぐらいで職場復帰できるのか不明なため)などもあり、悩んでいます。主治医に今の段階でもし全摘をする場合、最短でいつできますか?と聞いたところ2025,1月末だそうです。そんなに急がなくても、4月とかでも大丈夫ですと言って頂いております。

お忙しい中、大変お手数をお掛けしますが、よろしくお願い致します。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

①これまで通り半年に1回の経過観察。
②部分切除(4分の1強えぐる感じ)で病理検査に出し、白黒つける。その結果によっては、残りの乳房に放射線治療か、残りの4分の3を全摘して乳房再建する。
③(今の段階で、他の人よりも3~5倍ガンになりやすい。後々の不安材料として考えたら)始めから全摘して、乳房再建を受ける。

この提案を受け、家族、友達、看護師の友人複数人に相談し、色々な意見があり、もちろんまとまりませんでしたが、私の中では両親共の家系ががん家系(父は肝臓がんで亡くなっています)と言うこともあり、将来的な不安を考えたら今のうちに全摘してしまった方がいいのでは…と思うのですが、今そこまでしてしまうのは、やり過ぎなのでしょうか?
最終的に決めるのは私自身だと言われるのですが、簡単な事ではないので、なかなか決断しきれません。
田澤先生の豊富な知識、経験からご意見をお聞かせ頂けないでしょうか。

⇒まずは大前提として、そこで(過去3回?)行われた「マンモトーム生検」なるものが以下の条件を満たしている必要があります。

1.「エコー」ガイドのマンモトームではなく、「マンモグラフィー」ガイドのマンモトーム(ステレオガイド下マンモトーム生検)であること
2.病理組織検査結果に「石灰化」の記載があること
3.病変の中心部をきちんと採取されていること
    ↑
上記全てを満たした検査の結果が「ADH]であれば、「ADHは低異型度の癌が2mm以下の範囲」という定義なので、(石灰化の範囲が広いことを考慮すると)手術標本では2mm以上となる確率は高く結果として「非浸潤癌の診断」となりそうです。
ただし「術前診断で癌」と確定していないのに「全摘」するには「患者さん側からの強い希望が必要」となります。

◎迷っているのであれば、やはり「部分切除」が妥当でしょう。(治療する側から
「全摘ありき」は誤りと言えます)

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2024/12/24
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