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骨、多臓器転移の治療について

[管理番号:12275]
性別:女性
年齢:33
病名:左乳がん(Ⅲa、ルミナルA)
症状:
投稿日:2024年11月26日

今年7月上旬、妊娠20wで左乳がんの宣告を受けました。
8月上旬、左乳房全摘手術(リンパレベル1に5つ転移)
8月下旬、AC療法開始(計4回)
10月半ば、3回目のACを終えたところで
11月上旬出産、11月半ばにAC4回目を終えました。
タキサン系の抗がん剤を12月に控えています。

8月の術前、妊娠期ということもあり、できる検査が限られている中で腹部、脊髄、肺、骨盤等の造影なしMRIを行いました。
左腸骨に1つ白く丸い影があり、血管腫の可能性があるが転移の可能性もあるとのことで産後にCT等を行う予定でした。
そのほかは異常見られず。
(右腎に石があったのみ)

ところが、遺伝子検査でLFSということが判明し、放射線を浴びるCTや骨シンチは行わず、産後に造影MRIを行ったところ、
白い影が少し大きくなっていて、癌転移であるとのことで(ごくわずかな可能性として神経鞘腫)、MRIの画像診断では断定できないためリスクはあるけれどCTを行い、多臓器等に転移がないかをみる→他臓器等に転移があれば骨盤の影も癌であろうから、タキサン系の抗がん剤は中止してホルモン剤とCDK4/6阻害剤で対応。
多臓器等に転移がない場合→腸骨影に骨の生検を行い、明確に判断→癌であればタキサン系中止、ホルモン剤とCDK4/6阻害剤で対応。神経鞘腫等であればタキサン系続行。
とのことでした。
抗がん剤は最後の砦として取っておき、ホルモン剤を先行する予定となっているようです。
LFSのため放射線治療が選択肢に入りません。

神経鞘腫である可能性よりも、癌である可能性の方が高いのは理解しています。
【質問】
3ヶ月前にとった造影なしのMRIで腸骨以外の他臓器に問題がなかったとしても、急にこの3ヶ月で癌が発生することもあるのでしょうか?
現時点で腸骨含め、自覚症状がありません。
MRIとCTでは、やはりCTの方が精度がよいのでしょうか?
MRIを撮っても、結局CTで判断となるとMRIの意味がないのではと思ってしまいました。

治療法として、骨や他臓器に転移があった場合、ホルモン剤+CDK4/6阻害剤で、完治(画像上完全緩解)は目指せず、余命も1.2年となるのでしょうか?
私の中で抗がん剤は完治が目指せる、ホルモン剤は完治が目指せずに延命という見方をしてしまいます。

LFSの場合、放射線治療が禁忌ですが、このような場合でも田澤先生は放射線治療を選択しませんか?
また田澤先生ならどのような治療法を選択されますか?
余命を伸ばせるのであれば、どんな治療でも受けたいと考えています。
お忙しいところ、このように内容がまとまっていない質問となり申し訳ございませんが、ご回答のほどよろしくお願いいたします。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

メールを読む限り、(無論、心配な気持ちは十分に理解できますが「もしも他の臓器転移があったら」のような悪い方向に考えているようですが、(普通に考えれば)内臓転移は無い確率は高いし、腸骨だけであればそれ程慌てふためく必要はありません。

3ヶ月前にとった造影なしのMRIで腸骨以外の他臓器に問題がなかったとしても、急にこの3ヶ月で癌が発生することもあるのでしょうか?
⇒確率的に…
おそらく無いでしょう。
主治医が「もしも内臓転移があったら」という言い方をしているために(主治医にそれ程の他意はないとしても)患者さんに「内臓転移の可能性が高い」という気持ちを植え付けてしまうことに注意が必要です。
私であれば、「転移は無いとは思いますが、この機会に全身を調べておきましょう」とします。
余計な心配をさせることに意味は全く感じません。

MRIとCTでは、やはりCTの方が精度がよいのでしょうか?
⇒骨転移に関しては、
造影MRIが最強と言えます。

MRIを撮っても、結局CTで判断となるとMRIの意味がないのではと思ってしまいました。

治療法として、骨や他臓器に転移があった場合、ホルモン剤+CDK4/6阻害剤で、完治(画像上完全緩解)は目指せず、余命も1.2年となるのでしょうか?
私の中で抗がん剤は完治が目指せる、ホルモン剤は完治が目指せずに延命という見方をしてしまいます。

⇒腸骨転移(ではないかもしれませんが)くらいで、そのような消極的治療は如何なものか?(無論ガイドラインとしてホルモン陽性、再発一次治療としてCDK4/6
inhibitor + hormoneが推奨されていることは解っています。

ただ私の成功体験からは、抗癌剤でcCR⇒それをCDK4/6inhibitor
+hormoneで長期維持が理想的だと考えています。★

LFSの場合、放射線治療が禁忌ですが、このような場合でも田澤先生は放射線治療を選択しませんか?
⇒無論、照射による2次癌の発生を憂慮してだとは思いますが…

 「禁忌」というよりは「他の選択肢があれば、そちらを優先する」とあります。
 検討の余地は残っているように思います。
 ♯但し、まずは「他の選択肢として抗癌剤がある」のだから(抗癌剤より先に)
「放射線」という選択肢は無論ありません。

また田澤先生ならどのような治療法を選択されますか?
⇒患者さんのモチベーションが大きく影響します。

無論、質問者のように「余命を伸ばせるのであれば、どんな治療でも受けたい」のであれば、無論上記★となります。と

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2024/12/14
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