[管理番号:12225]
性別:女性
年齢:51歳
病名:
症状:
投稿日:2024年11月13日
乳がんの診断を受けてから、乳ガンプラザのサイトで自分と似たような症例を見つけて何度も読ませていただいております。
体を洗っている時に左乳房にしこりを見つけて慌てて近くのクリニックを予約して病院に行き、当日にエコー、マンモグラフィー、針生検を行い、非浸潤癌の可能性があると診断され、後日CTとMRIを行いました。
そのクリニックは日帰り手術を行なっているクリニックですが、抗がん剤治療は行なっておらず必要となれば別の病院を紹介してくれるとのことでした。
乳癌のタイプなどは以下です。
乳がんのタイプ:非浸潤性?(針生検で3箇所採取している部分では非浸潤、採取していないところが浸潤している可能性があると説明がありました)
グレード:2
ホルモンレセプター:陰性
HER2:3+陽性
Ki-67:70%
ステージ:非浸潤癌の場合は0、浸潤癌の場合はⅡA
腫瘍の大きさ:20×13mm大
リンパ節転移:?
遠隔転移:0
造影CTの結果:
・病変よりやや頭側の左内胸動静脈領域から乳腺への脈菅構造が目立ち、内胸リンパ節領域に点状の造影効果が見られる。対側では見られない初見ですので、リンパ節転移の除外は必要と考えます。
・肺野に強く転移を疑う初見は指摘できません
・そのほか明らかな浸潤影・腫瘤が指摘できません
以上の結果が出ました。
非浸潤癌と診断されましたが、その後に診察を受けるごとに、HER2陽性、ki-67が70%、内胸リンパ節等の話が出てきて不安が募るばかりで落ち込む一方です。
そこで質問です。
①主治医からの3パターンの治療方法のお話がありました。
1.現段階の検査結果では非浸潤癌だが術前抗がん剤を行なってから手術をする。ただしこの場合は、抗がん剤で腫瘍が小さくなるので非浸潤癌だったかどうかがわからなくなるため、術後も引き続き抗がん剤等の治療が続く。
2.先に手術を行い、組織検査の結果で浸潤していたら抗がん剤等を行う。
3.内胸リンパ節領域に点状の造影効果が見られるので、念の為PET検査をして、リンパ節転移が見つかれば浸潤が確定するので術前抗がん剤を行う。
乳がんプラザにある非浸潤癌のQ&Aを読みあさり全摘手術をしようと前向きに考えていたところに、術前抗がん剤や内胸リンパ節の話が出てショックで頭が混乱しています。
非浸潤癌と診断されているけど、術前抗がん剤やPET検査のお話をされるのは、HER2陽性とki-67が70%や内胸リンパ節の関係からでしょうか?
②浸潤癌だった場合、一気にⅡAまで上がることがあるのは腫瘍の大きさからでしょうか?
③針生検で非浸潤癌と結果が出ていますが、主治医がエコーを見て「浸潤してる可能性がある」とおっしゃいました。
もう何を信じたらいいのかわからない状況です。
④田澤先生であれば、以上の結果からどのように治療を進められますでしょうか?
非浸潤癌が浸潤癌へと術後に変わることがあることはわかっているのですが、術前に次から次とその可能性が少なくなってきたことに不安が増すばかりです。
お忙しいところ申し訳ございませんが何卒よろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
メール内容を読みました。
明らかに「根拠不十分な治療の提案」があります。
いくら「もしかして(針を刺していない部位が)浸潤している可能性がある」からといって、「浸潤癌の可能性も考慮した治療」を(病理診断で非浸潤癌しか確認されていないのに)行っては決していけません。
術後の病理結果で(もしも)「浸潤癌と確定」すれば、無論そのサブタイプに応じた治療を術後に行うことが正解なのです。
非浸潤癌と診断されましたが、その後に診察を受けるごとに、HER2陽性、ki-67が70%、内胸リンパ節等の話が出てきて不安が募るばかりで落ち込む一方
⇒極めて「無駄に」心配しています。
そもそも「非浸潤癌でHER2の検索は違法(保険適応外)」なので、その結果自体無視しましょう。
組織診で非浸潤癌と出ているのだから、素直に手術をすればいいことです。その結果は(もしも)浸潤癌だったら、その際に「改めて」考えるべきことであり、「術前から心配することではありません」
★ そんな心配自体「杞憂」となることも十分に可能性があります。
「浸潤」と決まってもいないのに、「天が崩れ落ちたらどうしよう」などと考えるなどおかしいではありませんか??
杞憂 天が崩れ落ちたらどうしようと心配して夜も眠れず飯も喉を通らなかったという説話に由来
①主治医からの3パターンの治療方法のお話がありました。
1.現段階の検査結果では非浸潤癌だが術前抗がん剤を行なってから手術をする。
⇒絶対におかしい!
これは100%選択してはいけません。
★浸潤癌だという証明もなしに抗癌剤を選択肢とすること自体、この医師の品性を疑う!!
2.先に手術を行い、組織検査の結果で浸潤していたら抗がん剤等を行う。
⇒無論、これ一択です!!
3.内胸リンパ節領域に点状の造影効果が見られるので、念の為PET検査をして、リンパ節転移が見つかれば浸潤が確定するので術前抗がん剤を行う。
⇒これも誤り。
PETでの取り込みで「適当に」浸潤と判断する根拠になりません。
②浸潤癌だった場合、一気にⅡAまで上がることがあるのは腫瘍の大きさからでしょうか?
⇒腫瘍径全てが浸潤だったらそうなりますが…
何度も繰り返しますが… 今そんな心配をすること自体「杞憂」です。
一度、空をご覧ください。 落ちてくるように見えますか?(冷静になりましょう。)
③針生検で非浸潤癌と結果が出ていますが、主治医がエコーを見て「浸潤してる可能性がある」とおっしゃいました。
もう何を信じたらいいのかわからない状況です。
⇒主治医は間違っている。
④田澤先生であれば、以上の結果からどのように治療を進められますでしょうか?
⇒無論、普通に手術をして、その結果を見ることです。
***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2024/11/28
***
質問者様から 【質問2】
術後の病理検査結果について
性別:女性
年齢:51
病名:
症状:
投稿日:2024年12月04日
先日はお忙しいなか、詳しいご説明と力強いお言葉をありがとうございました。
モヤモヤしていた気持ちが固まり、左胸全摘手術を受けてきました。
そして本日、病理検査結果が出ましたので今後についてご相談させていただきたくお願いいたします。
病理組織検査結果は以下です。
病理結果:
Invasive ductal carcinoma, solid type
Surgical margin:See description
組織所見:
浸潤径:20×11mm、腫瘍径:25×11mm,f,Ly0
Nuclear grade:Grade3
(Nuclear atypia:3,Mitotic counts:2),センチネルリンパ節:pN0(0/3)
切除された左乳腺(標本5,8,9)には、最大浸潤径20mmの浸潤性乳管癌を認めます。
腫瘍は乳腺外脂肪組織にまで浸潤しています。また周囲には腫瘍の乳管内進展もみられます。
標本1,2に腫瘍は見られません。腫瘍は深部断端のごく近傍(0.1mm)の部位にまで浸潤しています。
フォローアップをお願いします。センチネルリンパ節に転移はありません。
※以下の結果は、前回の質問に記載しておりますが念のため・・・
<術前組織検査結果>
グレード:2
ホルモンレセプター:陰性
HRE2:3+陽性
Ki-67:70%
<造影CT>
病変よりやや頭側の左内胸動脈領域から乳腺への脈菅構造が目立ち、内胸リンパ節領域に天井の造影効果が見られる。
対側では見られない所見ですので、リンパ節転移の除外は必要と考えます。
<質問・相談>
主治医からの不安が増す言葉や、説明不十分のため、術後に転院するつもりで全摘手術のみ受けました。
主治医からはこの結果を見て、ステージ1であることと、「抗がん剤」一択でどのような抗がん剤をするのか説明がありません。
そのため田澤先生の見解をお伺いしたいです。
①腫瘍は深部断端のごく近傍(0.1mm)の部位にまで浸潤しています
0.1mmという数字に驚きましたが、これは全摘しているので気にする必要はないのでしょうか?
②造影CT結果について
PET-CTを受けるべきでしょうか?
③田澤先生はこの結果をご覧になられて、今後の治療方針はどのようにお考えになられますか?
また抗がん剤をする場合、どの抗がん剤をされるのかも合わせてご意見をお伺いできますでしょうか?
ステージ1ですがHER2であることや自分のこれからの不安を本来なら主治医に話すべきなのですが、検査結果も見せてもらえず口頭で聞き、その後受付で依頼をして入手しましたので当たり前のことを質問させていただいていると思います。
申し訳ありません。
お忙しいところ申し訳ございませが何卒よろしくお願いいたします。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「普通に手術をして、その結果を見る」ことにして本当に良かったです。
世の中には「とんでもない」事を考えるだけでなく、「それを提案する」医師がいることに今さらながらびっくりさせられた前回でした。
病理結果を見て…
まず20mmの浸潤癌を(上手に ♯皮肉です)非浸潤部分のみ採取するという、その担当医の(発想だけでなく)「その腕前に」とても、びっくりしています。(例え浸潤していたとしても「術前組織診で非浸潤癌」なのだから「数ミリ」だろうと「普通は」考えます。)
<術前組織検査結果>
グレード:2
ホルモンレセプター:陰性
HRE2:3+陽性
Ki-67:70%
⇒これは誤りですよ!
非浸潤癌での結果なのだから、手術で「浸潤癌」と出た以上、「その浸潤部分でサブ
タイプを調べ直すべき」です。★
①腫瘍は深部断端のごく近傍(0.1mm)の部位にまで浸潤しています
0.1mmという数字に驚きましたが、これは全摘しているので気にする必要はないのでしょうか?
⇒それは術者によります。
その点は「その執刀医に確認」しましょう。
②造影CT結果について
PET-CTを受けるべきでしょうか?
⇒不要です。
③田澤先生はこの結果をご覧になられて、今後の治療方針はどのようにお考えになられますか?
また抗がん剤をする場合、どの抗がん剤をされるのかも合わせてご意見をお伺いできますでしょうか?
⇒上記★の通り。
非浸潤癌の部分での免染結果でサブタイプは確定できません。(そもそも、非浸潤癌では「HER2」も「Ki67」も適応外なのだから)
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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2024/12/24
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