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浸潤性小葉がんの術後の治療方針について

[管理番号:12049]
性別:女性
年齢:54歳
病名:浸潤性小葉がん
症状:
投稿日:2024年09月09日

初めて質問させて頂きます。
乳がんプラザを拝見させていただき、少しずつですが勉強させて頂いております。
術後の治療方針について悩んでおり、お忙しい中申し訳ありませんが、ご回答いただければ幸いに存じます。
(9/(中旬)(○)に主治医と治療方針について決定予定)

<経緯>
今年の6月に左胸外側上部(左C)に乳がんと診断されました。
生検、乳房MRI、PET/CT検査を受け、腫瘍の大きさは7~10mm程度でルミナールAタイプの乳管がんであろうということでした。
画像検査の結果では明確なリンパ節転移や遠隔転移はないとのことでしたが乳房MRIにて上記以外に7cm離れたあたりに小さいが2つほど疑わしいものがあるとのことでした。
上記の結果にて7月に左胸乳房の部分切除+センチネルリンパ節生検を受け部分切除においては、10cm×7cmを切除しました。

8月に手術後の病理診断結果が出て、浸潤性小葉がんであることがわかり、また
切除断端は陰性でしたが、右上あたりの切除断端付近にも微小ながん細胞
(エコーや乳房MRIには写っていない)があり、残存の可能性も否定できないとのことでした。

当初予定では放射線治療+ホルモン療法でしたが、放射線治療(当初は2グレイ×25回とのことでしたが、30回の提案あり)とするか、全摘するか、2つの選択肢を提示され、
次回受診(9/(中旬))までにどちらにするかこちらで判断となりました。
主治医からは、安全をきすなら(局所再発を減らせる)全摘だが、腫瘍径に比べ切除部分を
10cm×7cmと大きくとっており、残り部分にがんがないことも十分あり、放射線治療でもよいとのこと。
今は、ホルモン剤(レトロゾール)の服用開始しております。
どちらがベストな選択なのか、思い悩む日々を過ごしております。

<手術後の病理診断結果>※診断の紙は入手できず、主治医より説明いただいた内容を記載します。

診断
左乳癌(浸潤性小葉がん)
腫瘍径 1.1cm(周りには10個程度の微小ながん細胞が分布。10cm×7cmで
切除しておりますが、腫瘍の近くというよりは全体的にパラパラと広がっている状況)
核異型度 Grade 2(1に近い2)
リンパ節転移 なし
病期 1(ステージ1)
エストロゲンレセプター (+)
プロゲステロンレセプター (+)
HER2 (-)
Ki-67 10%
切除断端 : 陰性(ただし、右上あたりの切除断端付近にも微小ながん細胞あり)

<質問>
①私のような状況にて放射線治療を選択した場合、局所再発率はどれくらと考えればよいでしょうか。
管理番号1036の回答では、再発率20%とありましたが、そのくらいと考えておけばよいでしょうか)

②放射線治療とした場合、既に術後2ヶ月経過しておりますが、これからでも1ヶ月後から行なった場合と効果に差があったりしますでしょうか。
また、術後いつまでに行なう必要があるのでしょうか。(術後20週まで?)

③放射線治療したが、乳房内に再発した場合、全摘と考えていますが、その際、
放射線を既にあてていることで、あてていな場合(最初から全摘)と比べて何かリスク(考慮しておかないといけないことなど)はあるのでしょうか。
(例えば、傷痕がきれいにならない、乳房再建に支障がある、副作用がでやすいなど)

④主治医からは、安全をきすなら(局所再発を減らせる)全摘という説明がありましたが、仮に局所再発しても迅速に診断して治療すれば治癒を狙え、再発時に全摘すれば、最初から全摘した場合とあまり違いはないように思えてしまいます。
ただ、小葉がんは、見つかりにくい?ため迅速に診断できるかが課題であり、見つかる
のが遅れると、リンパへの転移や遠隔転移に繋がる可能性がでてくるということで安全をきすならとなるのでしょうか。
また、定期的な検診は当然ですが、迅速に診断ができるかは診断者の技量に
依存することがあるという意味でもリスクがあるのかなと考えますが、如何でしょうか。

⑤田澤先生であれば、私のような状況の場合、術後、いずれの選択(放射線治療or全摘)
を勧められますでしょうか。理由もあわせて回答いただけると助かります。

全摘とすべきか、放射線治療とするか自分自身でも決断ができず、毎日思い悩んでおります。質問の回答を参考にさせていただき、後悔しない選択を行なえればと思います。
長文となり申し訳ありませんが、ご回答よろしくお願いいたします。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

解答が遅れてしまい、まずはお詫びいたします。

①私のような状況にて放射線治療を選択した場合、局所再発率はどれくらと考えればよいでしょうか。
⇒断端陽性の可能性があるといういみでは(通常ならば5%ですが)その倍10%位だと思います。

②放射線治療とした場合、既に術後2ヶ月経過しておりますが、これからでも1ヶ月後から行なった場合と効果に差があったりしますでしょうか。
また、術後いつまでに行なう必要があるのでしょうか。(術後20週まで?)

⇒その通り、20週までは何ら問題ありません。

③放射線治療したが、乳房内に再発した場合、全摘と考えていますが、その際、
放射線を既にあてていることで、あてていな場合(最初から全摘)と比べて何かリスク(考慮しておかないといけないことなど)はあるのでしょうか。
(例えば、傷痕がきれいにならない、乳房再建に支障がある、副作用がでやすいなど)

⇒乳房再建する場合、「皮膚が伸びにくい」というのが唯一の違いです。

④主治医からは、安全をきすなら(局所再発を減らせる)全摘という説明がありましたが、仮に局所再発しても迅速に診断して治療すれば治癒を狙え、再発時に
全摘すれば、最初から全摘した場合とあまり違いはないように思えてしまいます。

⇒まさに「その通り」 それが温存手術が一般化した「所以」と考えてください。

ただ、小葉がんは、見つかりにくい?ため迅速に診断できるかが課題
⇒それは考えすぎ!
きちんと主治医から(責任をもって)3か月に1回エコーしてもらえば「何ら」問題ありません。

⑤田澤先生であれば、私のような状況の場合、術後、いずれの選択(放射線治療or全摘)
を勧められますでしょうか。理由もあわせて回答いただけると助かります。

⇒小葉癌ということに拘り過ぎているのでは?

普通に「右上あたりの切除断端付近にも微小ながん細胞」という部分のみの「追加部分切除」を勧めます。

***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/10/3
***

質問者様から 【質問2】

浸潤性小葉がんの術後の治療方針について
性別:女性
年齢:54歳
病名:
症状:
投稿日:2024年09月30日

お忙しい中、ご回答いただき、ありがとうございました。
病理検査の結果がでて、1か月半がたとうとしておりますが
術後の治療方針(全摘あるいは放射線)についての決断がまだできず
毎日思い悩む日々を過ごしております。
そろそろ決断が必要であり、内容を理解したく、前回の回答いただきました
内容について再度、確認させてください。
再質問は、公開日から1週間後とのこと重々承知しておりますが
今週には最終方針を決めるように病院側より言われており、
とり急ぎ、ご回答いただければ大変助かります。
ご多用のところ申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

<手術後の病理診断結果>※病理検査の結果が入手できましたので、その内容を記載します。
左乳癌(浸潤性小葉がん)
C区域
pT1c(最大浸潤径 11×10mm)
pN0(sn)[F34260 0/1] 切除断端:標本41に浸潤がんを認め、外側方向での断端陰性が確認できない
(↑主治医の説明では、部分切除した乳房において、右上あたりの断端付近に
小さな浸潤がんがあり、もしかしたら切除していない外側方向にがんがある
かもしれないし、ないかもしれないとのこと)
Ly0, V0, f
核グレード:Grade 1(核異型: 2、核分裂:1)
組織学的グレード:Grade Ⅱ(腺管形成:3、核異型: 2、核分裂:1)
免疫染色結果: ER score 3b, PgR score 3b, HER2 score 1+, ki-67 index<10%

異型上皮が弧在性あるいは索状に増殖する浸潤がんです。生検時の免疫染色にて
E-cadherin陰性であることとあわせて、浸潤性小葉がんと判断します。
多数の娘結節がみられます。
(↑主治医から標本の画像を見せていただき、説明としては、
10cm×7cmで切除された乳房内に、10個程度の微小ながん細胞が
腫瘍の近くというよりは、全体的にパラパラと広がっている状況)

<追加質問>
①以下の回答をいただきましたが、右上あたりに確認できるがん細胞は部分切除した標本内に
確認されたもの(既に切除したもの)になりますが、「追加部分切除」とは、その付近を
もう少し切除して、がん細胞が残ってないか確認するということでしょうか。
エコーや乳房MRIで残っているか確認できないのですが、その場合、通常どれくらい追加切除するのでしょうか。

②主治医からは、追加切除の提案はなく、放射線治療(当初は2グレイ×25回とのことでしたが、
30回の提案あり)とするか、全摘するか、2つの選択肢となっております。
田澤先生であれば、追加切除+放射線治療を勧められるという理解であっておりますでしょうか。
その場合、放射線は、どれくらいあてる必要がありますでしょうか。
主治医は、2グレイ×30回とのことでした。

<以下、回答いただきました内容>
⑤田澤先生であれば、私のような状況の場合、術後、いずれの選択(放射線治療or全摘)
を勧められますでしょうか。理由もあわせて回答いただけると助かります。
⇒小葉癌ということに拘り過ぎているのでは?
普通に「右上あたりの切除断端付近にも微小ながん細胞」という部分のみの「追加部分切除」を勧めます。

先生のおっしゃるとおり、小葉癌にこだわりすぎて、多発する、広がりやすい、見つかりにくいなど
部分切除した以外の残っている乳房にも癌が広がっているのではないか、再発したらリンパ転移や
遠隔転移になってしまうのではないかと不安に思い、全摘しないといけないのではないかという
気持ちになってしまいましたが、即決で全摘という気持ちにはなれず、できるのであれば温存したい
気持ちがあり、放射線治療での可能性を確認したく質問させていただきました。

何度もお手数をお掛けし申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。 田澤です。

①以下の回答をいただきましたが、右上あたりに確認できるがん細胞は部分切除した標本内に
確認されたもの(既に切除したもの)になりますが、「追加部分切除」とは、その付近を
もう少し切除して、がん細胞が残ってないか確認するということでしょうか。
エコーや乳房MRIで残っているか確認できないのですが、その場合、通常どれくらい追加切除するのでしょうか。

⇒「切除断端:標本41に浸潤がんを認め、外側方向での断端陰性が確認できない」という病理レポートにより、その「断端陽性かもしれない部位」を追加切除が選択肢となるのは通常のことです。

②主治医からは、追加切除の提案はなく、放射線治療(当初は2グレイ×25回とのことでしたが、
30回の提案あり)とするか、全摘するか、2つの選択肢となっております。
田澤先生であれば、追加切除+放射線治療を勧められるという理解であっておりますでしょうか。

⇒上記通り

その場合、放射線は、どれくらいあてる必要がありますでしょうか。
主治医は、2グレイ×30回とのことでした。

⇒追加切除して(それにより)断端陰性となれば通常照射です。(通常照射の線量はその施設により異なります)

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/10/16
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