[管理番号:12031]
性別:女性
年齢:42
病名:
症状:
投稿日:2024年09月20日
5年以上前、30代半ばで右乳房に良性の葉状腫瘍ができ、マージンなしで摘出しました。
半年に一度、超音波検査を続けていたところ、半年前にはなかった11mmのしこりが右に出現しました。 現在40代前半、針生検の結果【浸潤性乳管癌 硬性型】とのことです。
病理と血液検査結果でわかっている所見です。
??ER スコア3b
??PgR スコア3b
??HER2 スコア3
??Ki-67 平均35%(ホットスポット60%)
??CEA 0.7
??CA15-3 14.4
造影CTの結果はまだ出ておらず、近々造影MRIを受けます。
【質問】
①私は悪性度の高いトリプルポジティブでしょうか。予後が悪いようで不安です。
再発なく長く生きている方はいらっしゃいますか?
②トリプルポジティブの治療は、高額なうえ過酷と聞きました。
どんな治療がベストか、トータルどのくらいのお金と期間が必要か、どんな副作用が出るか、また仕事に支障はあるのかどうか教えてください。
③砂糖、小麦、乳製品を避けた方がいいようですが、どれくらい制限したらよろしいですか。
④重曹やクエン酸、イベルメクチンが効果があるというのは本当ですか。
よろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
①私は悪性度の高いトリプルポジティブでしょうか。予後が悪いようで不安です。
⇒ホルモン療法を効くし、抗HER2療法では再発率が半分!となる。
11mm(リンパ節転移についての記載はありませんが、おそらく無いでしょう)の
早期乳癌で「予後が悪い」など、とんでもない誤解ですよ。
再発なく長く生きている方はいらっしゃいますか?
⇒再発率は5%以下でしょうから、当然「山のように」いらっしゃいます。
②トリプルポジティブの治療は、高額なうえ過酷と聞きました。
どんな治療がベストか、トータルどのくらいのお金と期間が必要か、どんな副作用が出るか、また仕事に支障はあるのかどうか教えてください。
⇒お金のことは(残念ながら)治療方針が確定したら事務に効いてもらうしかありません(担当医に訊いても同じだと思います)
まぁ、普通に考えると「手術標本でリンパ節転移無と確認」すれば
薬物療法としては、TC+trastuzumab(4回)+trastuzumab(14回)となります。
★通常TCの副作用が収まった頃合いよりホルモン療法の併用(閉経前だとすればタモキシフェン)となります。(5年~10年)
③砂糖、小麦、乳製品を避けた方がいいようですが、どれくらい制限したらよろしいですか。
⇒都市伝説です。無視しましょう。
④重曹やクエン酸、イベルメクチンが効果があるというのは本当ですか。
⇒これも都市伝説です。無駄なことは辞めましょう。
***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/10/1
***
質問者様から 【質問2】
ルミナルBの治療方針のご相談
性別:女性
年齢:42
病名:浸潤性乳管癌 硬性型
症状:しこり
投稿日:2024年10月07日
いつもお世話になっております。
追加検査、造影CT、造影MRIの結果が出まして、ルミナルB HER2陽性から「ルミナルAかB」との結果が出ました。
【分かっていること】
??ステージ1
??浸潤性乳管癌 硬性型
??しこり1cm弱
??HER2 2+ → 遺伝子 DISH法 増幅なし HER2/CEP比:1.5、平均HER2遺伝子コピー
数/細胞: 2.9(28個の腫瘍細胞)
??ki67 20-33%
??ER、PgP 50%以上
??転移なし
術前の抗がん剤はなし、術後の治療は病理によるとのことです。
【質問】
全摘と部分切除、また、同時再建とニ次再建で迷っています。
より再発率を抑えられるのはどちらですか?
先生なら術後にどのような治療をされますか?
主治医は経口抗がん剤の話をされていました。
ルミナルBは予後があまり良くなく、再発率も高そうですが、生存率はどのくらいですか?
BRCA検査を検討しておりますが、必要ですか?メリットはなんでしょうか?
手術は来月以降になりそうですが、そんなに期間を置いてもよいでしょうか?
術後の病理はあまり変わらないようですが、そうなのでしょうか?
よろしくお願いいたします。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
全摘と部分切除、また、同時再建とニ次再建で迷っています。
より再発率を抑えられるのはどちらですか?
⇒再発は「局所」再発と「全身遠隔転移」再発に明確に分けましょう。
局所再発は全摘なら0% 部分切除なら(術後照射を前提として)10年で5%となります。
遠隔転移再発は「部分切除も全摘(再建してもしなくても)も同じ」です。
先生なら術後にどのような治療をされますか?
⇒ルミナールタイプなのだから、(リンパ節転移3個以内を前提として)OncotypeDXして(その結果に)従います。
主治医は経口抗がん剤の話をされていました。
⇒これはTS-1ですね。
私がTS-1を決して勧めない理由は「お知らせ」をご覧ください。
ルミナルBは予後があまり良くなく、再発率も高そうですが、生存率はどのくらいですか?
⇒前回のメールといい、今回のメールと言い
巷の噂に余りにも悪影響されているようですね。
(上記のように)OncotypeDXすれば「再発率も明確に」出てきますよ。
BRCA検査を検討しておりますが、必要ですか?メリットはなんでしょうか?
⇒私なら無駄に行いませんが…
メリットは(再発率とは無関係に)「(陽性ならば)対側予防切除と卵巣卵管切除が適応となる」ということです。
手術は来月以降になりそうですが、そんなに期間を置いてもよいでしょうか?
⇒2か月以内がいいでしょう。
術後の病理はあまり変わらないようですが、そうなのでしょうか?
⇒今からそんなことを考えても無意味です。
***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/10/23
***
質問者様から 【質問3】
追記です
性別:女性
年齢:42
病名:
症状:
投稿日:2024年10月07日
先ほど、[管理番号:12031]について再度ご相談させていただいた者です。
主治医から説明はありませんでしたが、病理検査の結果で気になる記述があったので追記させてください。
Invasive ductal carcinoma
Nuclear atypia 2
Mototic counts 2
8月の時点で、右D9*7mm、先日のエコーでは11mmでした。
ES、PgP共にAllred score, PS:5, IS:3と記載があります。
これらは何を意味しますか?
悪性度は中間とのこと、再発や転移が心配です。
よろしくお願いいたします。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
8月の時点で、右D9*7mm、先日のエコーでは11mmでした。
⇒おそらく「測定誤差の範囲内」だと思います。
ES、PgP共にAllred score, PS:5, IS:3と記載があります。
これらは何を意味しますか?
⇒以下、参照
「ER & PgR の数値とは一体どのようなやりかたで出されているのでしょうか。色の濃度なのでしょうか。」
⇒基本的には「染まっている割合」です。
100の細胞の内1個が染色されれば「1%」となります。
この%を用いた判定法がJ-scoreです。
♯2005 日本乳がん学会が提唱した日本独自の判定基準
J-score
Score 0:染色される細胞が無い
Score 1 〃 1%未満
Score 2 〃 1~10%
Score 3 〃 10%以上(50%未満を3a, 50%以上は3b)
Score 0を陰性
Score 1,2を境界域
Score 3を陽性
⇒更に「染まっている割合」と「染まっている濃度(強度)」の組み合わせがAllred
scoreです。
Allred score
染色細胞割合(PS) 1:染色される細胞が0~1/100
2: 〃 1/100~1/10
3: 〃 1/10~1/3
4: 〃 1/3~2/3
5: 〃 2/3~1
染色強度(IS) 0:全く染まっていない
1:弱く染まっている
2:中間程度に染まっている
3:強く染まっている。
♯判定基準 染色細胞割合(PS)+染色強度(IS)=TSとして3以上を陽性
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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/10/23
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