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ホルモン剤治療について

[管理番号:11830]
性別:女性
年齢:50歳
病名:
症状:
投稿日:2024年06月01日

いつも乳がんプラザのQ&Aを読ませていただき、ネットの情報に惑わされる事なく一通りの検査~手術を終えることができました。病理結果も出ましたところで、田沢先生に是非ご相談させていただきたい事がありまして、質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

経緯:
3年半前に右乳房非浸潤がんで全摘
病理結果 ER-・PgR-・HER2=3+・Ki-67=20-30%・Ly0・V 0・センチネルpNo(0/1)
投薬は無しで、術後半年ごとに術側と健側のエコー、1年ごとに健側マンモグラフィーのフォローして頂いていましたが、今回(2月)左健側のシコリに気づき、慌てて受診したところ1.5cmの浸潤がんが見つかりました。
シコリが乳輪直下だった為と私が希望したため、今回も全摘で手術を終え、ホルモン剤の治療に入っております。
今回の病理結果 ER8・PgR0・HER2=0・Ki-67=10-20%・LY0・V 0・gs皮膚まで・センチネル(0/1)・腫瘍計15mm T1C・断端陰性・核グレード1
     
質問:
①ホルモン剤(アナストロゾール)をスタートしていますが、関節痛がひどく、朝起床後と椅子に座ってしまった後しばらくしないと動けません。この状態で5年~10年過ごすと思うと、とても気分が落ち込んでしまうのですが、私がホルモン剤を飲まなかった時の再発率と5年(または10年)の生存率を教えていただけますでしょうか?

②私のサブタイプですが、プロゲステロンの値がゼロです(術前針生検の値でも限りなくゼロに近かったそうです)が、ルミナールAということで大丈夫でしょうか?
OncoTypeしたほうがよいでしょうか?

③両胸がんになったことで遺伝性の乳がん検査をしたほうがよいか悩んでいます。
両親にガンの既往はなく、近い血縁者で乳がんを患った人はいないのですが、父方の祖母の姉妹が祖母以外全員がんでなくなっています(婦人科系かどうかはちょっと分かりません)先生でしたら、私に遺伝子検査を提案されますでしょうか?

④これは今更のお話なのですが、非浸潤がん後の約3年間、半年ごとにエコーと1年ごとの健側マンモとチェックをしていただいていたのに、1.5cmになるまでガンをみつけて貰えなかったこと(最終的に自分でシコリに気づき受診しています)に不信感を抱いてしまっています。
乳輪下のシコリはなかなか見つけにくく、マンモにも映りにくいと説明を受けましたが(今回のシコリは、医師に触診してもらってからエコーをしましたが、かなり乳頭の辺りにぐりぐりとエコーを当てないと映らないようでした)、そのような事はあるのでしょうか?もしかしたら3年前の術前検査時のMRIにも今回のガンは映っていたのではないか?とすら思ってしまいます。

お忙しいところ恐縮ですが、どうぞよろしくお願いいたします。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

①ホルモン剤(アナストロゾール)をスタートしていますが、関節痛がひどく、朝起床後と椅子に座ってしまった後しばらくしないと動けません。この状態で5年~10年過ごすと思うと、とても気分が落ち込んでしまうのですが、私がホルモン剤を飲まなかった時の再発率と5年(または10年)の生存率を教えていただけますでしょうか?
⇒それは不明ですが…
副作用(この場合関節痛)が日常生活に支障がある場合には辞めるべきでしょう。

②私のサブタイプですが、プロゲステロンの値がゼロです(術前針生検の値でも限りなくゼロに近かったそうです)が、ルミナールAということで大丈夫でしょうか?
OncoTypeしたほうがよいでしょうか?

⇒勿論です。(しない理由がありません)

③両胸がんになったことで遺伝性の乳がん検査をしたほうがよいか悩んでいます。
両親にガンの既往はなく、近い血縁者で乳がんを患った人はいないのですが、父方の祖母の姉妹が祖母以外全員がんでなくなっています(婦人科系かどうかはちょっと分かりません)先生でしたら、私に遺伝子検査を提案されますでしょうか?

⇒勧めません。

④これは今更のお話なのですが、非浸潤がん後の約3年間、半年ごとにエコーと1年ごとの健側マンモとチェックをしていただいていたのに、1.5cmになるまでガンをみつけて貰えなかったこと(最終的に自分でシコリに気づき受診しています)に不信感を抱いてしまっています。
乳輪下のシコリはなかなか見つけにくく、マンモにも映りにくいと説明を受けましたが(今回のシコリは、医師に触診してもらってからエコーをしましたが、かなり乳頭の辺りにぐりぐりとエコーを当てないと映らないようでした)、そのような事はあるのでしょうか?もしかしたら3年前の術前検査時のMRIにも今回のガンは映っていたのではないか?とすら思ってしまいます。

⇒今さら疑っても仕方がありません。主治医を信用しましょう。

***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/6/12
***

  

質問者様から 【質問2】

オンコタイプDXの結果について
性別:女性
年齢:50
病名:
症状:
投稿日:2024年08月09日

先日11830番で質問をさせていただきました者です。その節はご丁寧なお返事をありがとうございました。
オンコタイプを行うかどうかの質問でしたが、その後検査を行い結果が出ましたので、再度質問させていただきたく宜しくお願いいたします。

病理結果 ER=8 ・PgR=0 ・HER2=0 ・Ki-67=10-20% ・LY=0 ・V=0 ・gs皮膚まで ・センチネル(0/1) ・腫瘍計15mm ・T1C ・断端陰性 ・核グレード1
の乳がんで、Ki-67の値も高くないし、オンコはやらなくても良いと主治医には言われたのですが、プロゲステロンが陰性なのが気になり、オンコを受けてみましたところ、・再発スコア32 ・9年遠隔再発率20% ・RS群における化学療法の上乗せ効果(平均)>15%という結果が出てしまい動揺しています。(その他のスコアはER=12.2 PR=4.5陰性 HER2=9.5陰性でした)
個々のRS結果における化学療法の上乗せ(2枚目のグラフ)を見ますと、10年遠隔再発率がタモキシフェン単体で16-7%くらい、タモキシフェン+化学療法で7~9%くらいとなっているのですが、これは化学療法を行えば、上乗せ効果が7-10%程度あるとの理解でよろしいのでしょうか?

私は元々?せ気味で体力があるほうではなく、不整脈の既往(カテーテルアブレーションで治療しましたが完治していません)もあり、抗がん剤に身体が耐えられるか不安で、出来ることなら抗がん剤治療は避けたいと思っているのですが、上乗せ効果の計算(グラフの見方)が合っているとして、7‐10%の上乗せ効果ですと、抗がん剤をやらない選択肢も残っていますでしょうか?
それともオンコの再発スコアが32の時点で抗がん剤はマストとなってくるのでしょうか?

4月に手術をし、途中でオンコの希望を申し出た為、いままで無治療で来てしまっていますが、進行に影響してしまいますでしょうか?

最後に、これは結果の見方に関してなのですが、1枚目の9年遠隔再発率と2枚目グラフの10年遠隔再発率の数字が微妙に違うのは、検査対象の違いに因るものでしょうか?

お忙しいところ、沢山質問してしまい申し訳ございません。
どうぞ宜しくお願いいたします。

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

OncotyepDXは当然推奨されるべきで、きちんと結果に向き合うことが大切です。

病理結果 ER=8 ・PgR=0 ・HER2=0 ・Ki-67=10-20% ・LY=0 ・V=0 ・gs皮膚まで ・センチネル(0/1) ・腫瘍計15mm ・T1C ・断端陰性 ・核グレード1
の乳がんで、Ki-67の値も高くないし、オンコはやらなくても良いと主治医には言われたのですが、プロゲステロンが陰性なのが気になり、オンコを受けてみましたところ、・再発スコア32 ・9年遠隔再発率20% ・RS群における化学療法の上乗せ効果(平均)>15%という結果が出てしまい動揺しています。(その他のスコアはER=12.2 PR=4.5陰性 HER2=9.5陰性でした)
個々のRS結果における化学療法の上乗せ(2枚目のグラフ)を見ますと、10年遠隔再発率がタモキシフェン単体で16-7%くらい、タモキシフェン+化学療法で7~9%くらいとなっているのですが、これは化学療法を行えば、上乗せ効果が7-10%程度あるとの理解でよろしいのでしょうか?

⇒違います。
ホルモン療法単独だと再発率が20%となるが、化学療法を行えば(15%以上の上乗せがあるので)それが5%以下となるという意味です。

♯グラフは「個々のRS]の値をプロットしているわけではないので一致しないのです。

私は元々?せ気味で体力があるほうではなく、不整脈の既往(カテーテルアブレーションで治療しましたが完治していません)もあり、抗がん剤に身体が耐えられるか不安で、出来ることなら抗がん剤治療は避けたいと思っているのですが、上乗せ効果の計算(グラフの見方)が合っているとして、7‐10%の上乗せ効果ですと、抗がん剤をやらない選択肢も残っていますでしょうか?
それともオンコの再発スコアが32の時点で抗がん剤はマストとなってくるのでしょうか?

⇒考え方に誤りがあるようです。

「やらない選択肢」とか「抗癌剤はマスト」という解釈ではなく、純粋に「この数字」で(自分自身にとってどうすべきか?)「自分自身が判断すべき」ことです。
★無論、一般論としてRS=32で上乗せ>15%という結果が「一般的には抗癌剤が推奨されるべき数字」と解釈すべきでしょう。
 ただ(人によっては)「嫌な治療をするくらいなら15%程度再発率が上がっても抗癌剤は絶対にしない」と考える人もいれば、逆に「1%でも再発率が改善するなら抗癌剤は全く厭わない」という人もいるのです。無論医師が患者さんの選択に異を唱えるべきは無いのです。

4月に手術をし、途中でオンコの希望を申し出た為、いままで無治療で来てしまっていますが、進行に影響してしまいますでしょうか?
⇒それは「全く」ありません。

最後に、これは結果の見方に関してなのですが、1枚目の9年遠隔再発率と2枚目グラフの10年遠隔再発率の数字が微妙に違うのは、検査対象の違いに因るものでしょうか?
⇒上記♯の通りです。

オンコタイプDX

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2023/8/20
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