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乳輪乳頭温存皮下乳腺全摘後の温存した乳輪乳頭をどうするか (病理結果 ADH)

[管理番号:11495]
性別:女性
年齢:51
病名:浸潤性乳管ガン + 非浸潤性乳管ガン
症状:
投稿日:2023年12月15日

田澤先生、こんにちは。
乳がんかもと診断されてから、こちらで勉強させてもらっています。お忙しいのに先生の豊富な知識と経験のもとに、熱心に乳がんプラザでコラムやQandAをされていて、先生に敬意を表します、また乳がん羅患者としては本当にありがたいです。Ki67の数値結果が出たときは、高額で保険のきかないオンコタイプDXを受けるかどうか、
先生のコラムを読み込んでいたので、迷わず決断でき、その結果、抗がん剤治療をしない決断にいたりました。

51才閉経前、浸潤性乳管がんで23/8/(上旬)に左乳輪乳頭温存皮下乳腺全摘手術(1次2期再建)を受けました。腫瘍は2つです。整容性と腫瘍の2つ目もガンかもしれないということで乳房部分切除術をあきらめました。海外在住のため術後の病理レポートなどの理解が難しく、これから受けるエキスパンダー(大胸筋の下)からシリコンへの入れ替え手術時に乳輪乳頭をどうするか決断しないとなりません。乳腺外科医いわく、乳輪の病理レポートからガンではないということで、当初、私も安心してたのですが、こちらのADHのコラムと質問を読んで、質問番号845では、マンモトームの結果でADHは決してグレーゾーンではなく、小範囲のガンなのです、となっていて、心配になったので、先日、チェックアップで乳腺外科医にあった時、ADHが気になるとはなしたところ、そんなに気になるなら乳輪乳頭を切除することもできるので、自分で考えて決めてくださいとのことでした。いろいろネットでも調べてみたのですが、私と同じような乳輪の病理検査のケースが見当たらず、とても決断を迷っていますので、こちらで田澤先生に質問させてください。どうぞよろしくお願いします。
以下がレポートの抜粋です。

術後の病理レポート
1) IDC 11mm, 10 o’clock, pT1cN0M0, Stage1A, ER & PR Positive, HER2 negative, Grade2 (Tubles:3, Nuclei:2, Mitoses:2),
15/10 HPF, field diameter 0.55mm, Ki67 32% (+/-2%) Tumour infiltrating lymphocytes ? 20% of stromal lymphocytes Clearance margins ? Superficial 9mm, deep 1mm, all other margins greater than 10mm Vascular or lymphatic invasion – Present

2) DCIS 10 o’clock, component low to intermediate, whole tumour size (invasive & DCIS) 26mm Extent/relation to invasive tumour ? within and extending away from the invasive component Clearance margines ? deep 2mm, superficial 5mm, all other margins greater than 10mm

Axillary nodes (0/2)

Left retroareolar tissue: The sections show atypical cells within one duct, amounting to atypical intraductal epithelial proliferation. Further workup
pending.(23/8/17)
The deeper levels and immunopanel show focal area of atypical duct hyperplasia (ADH) There is no DCIS or invasive malignancy seen, An Ecadherin and ER are positive at this site. (23/9/6)

Oncotype DX: RS13, Distant Recurrence Risk at 9Years 4%, CT benefit <1% 術前MRIレポート The breasts are 50-75% fibroglandular. Corresponding to the known malignancy within the left breast at 10o’clock, there is an irregular stellate mass measuring 16x 15mm in size. This lies around 3cm away from the nipple and demonstrates early heterogeneous glandular enhancement on the dynamic sequences. Immediately inferior to the lesion areas of early nodular enhancement are seen at the 9o’clock position. Associated DCIS here could not be completely excluded. This probably incorporates the small area of calcification seen mammographically on this side at 9o’clock. This patchy area of enhancement measures up to 20mm in diameter and if included in the lesion size increases the lesion dimensions to 27x 25mm.   上記の結果から23/10/(上旬)からタモキシフェン20mg服用開始してます。       質問1 管理番号3548に乳輪乳頭温存乳腺全摘出の場合、腫瘍が十分に小さい、
腫瘍乳頭間距離が十分にあること、とありますが、十分というのはどれくらいでしょうか、また上記のレポートから、私の施術は安全だったと思いますか?

質問2 手術時に切り取った乳輪の一部で検出されたものが、私のケースではどの程度危険なものなのか、そのままにしておいたら、どんなことが起こりえるのか、先生のお考えを教えてください。今度の手術で乳輪や乳頭をどうするか悩んでいます。

質問3 切り取らない場合、シリコン入れ替え後に放射線療法などやった方がいいのか?/できるのか?また、その乳輪で再発していないか観察や検査は、どういったことができますか?

質問4 乳腺外科医の定期健診は最初の1年は半年ごと、5年間は年一回のマンモ(片方)とエコ-(両方)と言われていますが、田澤先生でしたら乳輪乳頭切除する
場合とそのままにする場合に関して、定期健診や方法はどう考えますか?

質問5 IDCのところでVascular or lymphatic invasion ? Present、あまり気にしなくて大丈夫と乳腺外科医にいわれてますが、田澤先生はどう思われますか?

長文で恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

Left retroareolar tissue: The sections show atypical cells within one duct, amounting to atypical intraductal epithelial proliferation. Further workup
pending.(23/8/17) The deeper levels and immunopanel show focal area of atypical duct hyperplasia (ADH)

⇒乳輪裏に1腺管だけとはいえADHが存在しているようです。

ADHは極めて小範囲の低異型度の非浸潤癌なので、(そのままにしておけば)その部位の局所再発のリスクとなります。
厳重な経過観察もしくは乳頭乳輪切除の選択となります。

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2023/12/22
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