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アポクリン癌と非浸潤癌の全摘

[管理番号:11361]
性別:女性
年齢:51
病名:
症状:
投稿日:2023年10月08日

1ヶ月前まで全く考えたことのなかった事態となり、慌てて情報収集と現状の把握に努めているところで、こちらの相談室に辿り着きました。
宜しくお願い致します。

4年前に右胸を全摘し、術後病理診断でher2陽性であったため抗がん剤+ハーセプチンの投与を受けました。

手術した乳腺外科での定期検診で、左胸で以前に組織診で良性と確認したものの横に新たなものができているので念のためと言われ細胞診を受けました。
エコーを見るなり組織診に進んだ前回とは異なり細胞診、加えて「多分年齢的に良性のものだと思います。結果は郵送するね」と軽く言われたこともありあまり心配していませんでした。

細胞診の結果は
【悪性の疑い】
血性背景に、好酸性の豊富な細胞質を持ち、N/C比大で、核の大小不同、各クロマチン増量、核小体の腫大を示す異型細胞を小型ないし中型集塊状に認めます。アポクリン癌としての所見と判断します。
要精密検査

確定診断のため組織診とMRIを受け、
組織診断は
Noninvasive carcinoma of the left breast,needle biospy.
所見
#X:Ca(-)0/2
一部に肉芽組織を伴う乳腺組織が採取されています。
#Y:Ca(+)2/2
invasion(-)
DICS:cribriform:apocrine metaplasia(+)
NA:2

MRIは
size 40?17mm
推定組織名 IDC +DCIS
コメント 小さな結節状の染まりが散見される。その中で区域性の不整濃染域は染まりが強く微小浸潤を伴ったDCISもしくはhigh grade DCISが疑われる

主治医からは左胸の全摘を提案されております。

①組織診断の結果に表示されている【apocrine metaplasia】アポクリン化生とは
悪性腫瘍である【apocrine carcinoma】アポクリン癌と異なる記述ですが、
私の組織診断報告書の所見は細胞診同様『アポクリン癌』を示しているのでしょうか。
また、非浸潤癌の確定診断と思って間違いないでしょうか。

②MRIの結果が出るまで極初期で本当に小さな腫瘍なので温存と説明されていたので
すが、MRIでサイズが3cmを超えている場合は全摘を勧めていると説明を受けました。
細胞診、組織診、MRIの結果を総合して考えた場合、非浸潤癌でも全摘すべきでしょうか。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

①組織診断の結果に表示されている【apocrine metaplasia】アポクリン化生とは
悪性腫瘍である【apocrine carcinoma】アポクリン癌と異なる記述ですが、
私の組織診断報告書の所見は細胞診同様『アポクリン癌』を示しているのでしょうか。

⇒apocrine metaplasiaはapocrine caとは異なりアポクリン化生のことです。
 組織診では通常の非浸潤癌の診断のようです。

また、非浸潤癌の確定診断と思って間違いないでしょうか。
⇒癌であることは確定ですが…
サンプリング検査である針生検で「病変全体が非浸潤」と確定することは「当然ですが」不可能です。

手術標本全体で浸潤部分が全く無い場合に、「漸く」非浸潤癌確定となるのです。

②MRIの結果が出るまで極初期で本当に小さな腫瘍なので温存と説明されていたのですが、MRIでサイズが3cmを超えている場合は全摘を勧めていると説明を受けました。
細胞診、組織診、MRIの結果を総合して考えた場合、非浸潤癌でも全摘すべきでしょうか。

⇒そもそも「非浸潤癌でも全摘」という発想に誤りがあります。
 術式選択はMRIでの拡がり診断のみに依存し、「浸潤癌でも非浸潤癌でも術式選択には影響しない」

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2023/10/17
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