[管理番号:11213]
性別:女性
年齢:45
病名:悪性葉状腫瘍
症状:
投稿日:2023年6月30日
今年2月末頃から、右胸にしこりを見つけ検査をしてまいりました。
手術前の組織検査では、境界悪性~悪性の葉状腫瘍の疑い、肉腫、浸潤小葉癌の疑いがありました。
5月末に手術したところ、腫瘍の大きさは、1.5センチ×1.7センチ。
悪性葉状腫瘍と診断がつきました。
よく分からないんですが、核分裂数?か何かが、10のうち5~6個?だったので、悪性度が高いので、悪性葉状腫瘍だという説明をうけました。
そこで、田澤先生にお伺いしたいのですが、悪性葉状腫瘍は短期間の間に大きくなるとよく言われてますが、
私の場合は、3月初めの受診時には2センチと言われてました。
手術前の検査のエコーでも2センチだといわれてましたが、悪性葉状腫瘍でも腫瘍が大きくならない場合もあるんでしょうか?
主治医はこんな大きさで悪性葉状腫瘍が見つかるのは珍しいとおっしゃってました。
後、断片陰性で全て悪いものを取りきれたとはおっしゃていましたが、脈管侵襲があれば転移しやすいのでしょうか?脈管侵襲があったかどうかは聞けてないんですが。
なかなか診断がおりなかったことや、悪性葉状腫瘍にしては、大きさが変わらないことで本当に悪性葉状腫瘍なのか、別の病気なのか不安で仕方ありません。
私には重度の障がいの子供が2人います。
まだ死ぬわけにはいかないので後悔はしたくありません。
脈管侵襲は2センチの大きさなら心配いらないでしょうか?再発転移をしやすいと主治医からお聞きして不安です。
まとまりのない文章ですみません。
田澤先生どうかよろしくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
核分裂数?か何かが、10のうち5~6個?だったので、悪性度が高いので、悪性葉状腫瘍だという説明をうけました。
⇒私の理解では…
「悪性」葉状腫瘍の診断根拠で大事なことは「浸潤性増殖」です。
(参考)
葉状腫瘍の評価項目
Cellularity
Nuclear atypia
Nuclear pleomorphism
Number of mitotic figures
Stromal overgrowth
Stromal growth
上記各項目の評価を総合して、最終的には診断病理医の個人的印象でグレードが決まります。
その中でも特に重要なのは
Stromal growthであり、これが「invasive(浸潤性)」だと(良性ではなく)境界悪性以上となり、(その次に重要な)number of mitotic figuresとなります。
過去の症例からstromal growth invasiveで、number of mitotic figuresが9-10
で「境界悪性葉状腫瘍」の診断となっているので、
正直、number of mitotic figuresが5-6個で「悪性葉状腫瘍」というのは判断基準が厳しすぎるのでは?(実際は境界悪性?)のような印象を受けます。
腫瘍の大きさも2cm以下だから、所謂「本物の悪性葉状腫瘍」のようには警戒は不要では?
悪性葉状腫瘍の場合には「骨転移」と「肺転移」に注意が必要となります。(質問者の場合には、確率的に殆ど内容に思いますが…)
半年に1回の「局所の診察超音波+胸部レントゲン」を2年間程度行いましょう。
(当院では境界悪性以上は、そのようにしています)
ご参考に。
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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2023/7/11
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