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抗がん剤治療有無の選択を迫られており、アドバイスお願いしたいです

[管理番号:10489]
性別:女性
年齢:59
病名:乳がん
症状:
投稿日:2022年8月2日

初めまして。
いつも大変参考にさせていただいています。

この度、59歳の母(23年3月に60歳)が左胸乳がんと診断を受け、先月全摘手術を受けました。

下記の病理検査の結果を受け、抗がん剤治療をしたいかどうか、決めてくださいと言われております。

「100人中、10年後死んでいる確率は28人。
そのうち乳がんが原因の死亡は20人。
20人のうち、抗がん剤をした場合に救われる命は3人。」
と聞きました。
抗がん剤は、ECx4 + パクリx4 (2週間おきで4ヶ月コース)と言われました。

左乳房 切除
センチネルリンパ生検 あり
腋窩リンパ節郭清 なし
浸潤がん 硬性型
腫瘍の大きさ 8mm
リンパ節転移 なし
核異型度 3
リンパ管侵襲 あり
切除断端 陰性(胸壁側 4mm DCIS)
ホルモン受容体 ER 陰性 PgR 陰性
HER2 たんぱく0
術前治療なし
病期 T1 NO MO Stage1

過去のQAを拝見していると、5ミリ以下だとする必要がなく、1cmを超えたら当然するべきとおっしゃっていたのをお見かけしました。

今回は、ちょうどその間のしこりの大きさ(8mm)であるということと、
(本治療と全くの関連性はありませんが)全摘手術で0.5%の確率と言われる術後出血を起こし、出血多量で翌日に緊急輸血と再手術を行なったこともあって、滅多に起こらなくても「伴うリスク」というものに対し本人も敏感になっており、決めかねています。

先生のご意見を伺いたく、よろしくお願いいたします。

田澤先生からの回答

こんにちは田澤です。

トリプルネガティブの術後補助療法の選択肢はanthracycline + taxaneですが、質問者のおっしゃるように8mmなので必須とはいえません。
20人のうち、抗がん剤をした場合に救われる命は3人。

⇒この担当医の数値の意味するところは
(無治療で)再発率が20%⇒(抗がん剤をすることで)再発率が17%となる。
 つまり再発率を15%低減させるという数値となります。

上記を参考として患者さん本人の価値観に従って決断するべきでしょう。

***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2022/8/12
***

  

質問者様から 【質問2】

整形外科及び呼吸器内科での画像診断
性別:女性
年齢:62
病名:
症状:
投稿日:2025年06月13日

田澤先生、お久しぶりです。

その後、既述の通りの抗がん剤治療を受け、何事もなく3年目まで来ております。

ここ数ヶ月、一気に不調が来て、主に骨粗鬆症による脊椎骨折(患者は42歳で閉経しており今年62歳)と風邪の症状と思うのですが、
整形外科や呼吸器内科のクリニックの先生方から、レントゲンやMRI(造影なし)を見て、曖昧なことばで\”骨転移\”\”肺転移\”\”骨髄腫\”などの疑いを連発され、急ぎの精密検査の必要性は断定されず、次のアクション(どの科に受診して何を訊けば良いのか)がわからなくて途方に暮れております。

乳がんの定期検診で受けた血液マーカーはヘモグロビンの低下以外問題はないのですが、\”骨髄腫など、血液検査では出ないこともあるから\”などとそれも曖昧に言われております。。

どの病院で、何をすればいいのか、何もしなくていいのか、アドバイス頂けたらありがたいです。
下記経緯です。

2022年6月
乳がん左胸全摘手術。ステージ1。術後抗がん剤有り。
(乳がんタイプの詳細は過去の質問の中にあります)

以前より腰痛持ち
腰椎の椎間板が薄くなっている指摘あり

以下2025年

2月ピラティスをしている時に左肋骨に負荷がかかるようなポーズでグキッとなる。
その後も痛く整形外科でレントゲン。レントゲンにはうつらないがヒビが入ったのかもしれないとのこと。三週間くらいで痛みはなくなる。

4月にもピラティスで同じく左肋骨に痛み。同じような感じだったのでレントゲンはとらず様子を見る。三週間くらいで痛みはよくなる。

5月(中旬)日土曜の仕事後腰痛。いつものことだと思っていたが同じくらいの辛さが長引く。整形外科でレントゲン以前とそれほど変わりはないけれど椎間板は薄くなっている。以前より首と腰の牽引は続ける。

中々良くならずロキソニンを常用して過ごす。
そのうち左右の脇腹(腹直筋?)が痛くなり内蔵から来ているのではと心配になり婦人科胃腸科を受診するが異常なし。

5/(中旬)に腰のMRI、5/(下旬)に腹部骨盤部の単純CTを近隣のクリニックで撮影。異常なしとのこと。

5/(下旬)に乳がん患者のための筋トレに久しぶりに参加。いつもよりかなり負荷のないトレーニング。
その2日後くらいから両背中の筋肉痛を感じる。湿布を貼って過ごす。

6/(上旬) アキュスコープ治療器を使って自律神経を整える整骨院に行く。いつも動きにくいと感じる腰痛は良くなったように感じるが、筋肉痛と思っていた痛みは取れず。

翌々日くらいから背中の筋肉痛と思っていた痛みが右に偏り右後ろ肋骨あたりが痛く、物を持ったりするにも痛みがでる。

6/(上旬)痛みが色々と出るのでペインクリニックに行く。
症状から肋骨の骨折疑い。
痛み止めをもらう。
それと同時に咳が出始めそちらの薬ももらう。

6/(上旬)乳がんの三年検診。マンモ異常なし。血液検査異常なし。レントゲンやMRIなどは撮らず。

6/(中旬)痛みがひどく、違う整形外科でレントゲン。肋骨ではなく背骨の圧迫骨折(脊椎圧迫骨折)と骨粗鬆症の診断。

6/(中旬) 咳を早く止めたくて呼吸器内科を受診。胸のレントゲン。胸水があるかもしれない、肺の形も少し心配。肺に胸水が溜まってるかも、心不全、肺転移、骨転移、様々な心配がある。心臓が大きすぎて心不全起こしてそう(以前より、心臓が大きいとは言われていた)。5日薬を飲んで風邪症状スッキリしなかったら転移などを心配するとの事。血液検査に問題がなくても、血液検査には出ないこともあるとのこと。

6/(中旬) 元々予約していた別の整形外科を再度受診。胸椎のMRIと、背中のレントゲンを撮影。どこが圧迫骨折かそれもはっきりせず、たしかに背骨の黒いところが折れている可能性あるか、骨粗鬆症で薄いのかもしれない。だけどもっと気になるのが頚椎のあたりが光ってしまって白い。これは病変がある印で、多発性骨髄腫などの可能性もあるが、自分には判断できない(放射線科の先生に読んでもらうので1週間後にまたきてほしい)とのこと。

背中のあまりの痛みに町の整形外科を転々としてしまい、各地で違うことを言われ、
咳が止まらず咳をするたびに背中やらあばらやらに激痛が走るため呼吸器内科も受診したらまた違うことを言われ、
混乱している状況になります。。
(乳がんの定期検診は、主治医の先生が違う所にいかれたため、紹介状をもらった初めてのクリニックでマンモと血液検査のみした状況です)

次は、言われた通り最後の整形外科にまた1週間後行くのが本当に良いのか(とても若い先生で全てが曖昧だったので…)、きちんと受診すべき科が他にあるのか、何もしないで良いのか、ご助言いただけるとありがたいです…
(乳がんと全く関係なかったら申し訳ありません…)

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

これは、日常的に頻繁に見られる「癌を扱わない科の意志あるある」です。
このQAをご覧になる(乳癌の経験のある)方なら、一度は(何度も?)経験したことがあるのではないでしょうか?

私が(整形外科の先生型には、失礼ながら)感じているのは、整形外科では「日常的に癌を扱わない」+「骨転移には乳癌が多い」ことから、その患者さんが乳癌既往と聞くだけで「もしかして乳癌かもしれない」と全てが疑心暗鬼となり「骨転移ではありません」と言い切れる整形外科医は殆どいないのです。

またここに登場する呼吸器内科医も同様で(呼吸器内科というと肺癌を扱ったことがある?と思うかもしれませんが、肺癌を専門にしているわけではなく、診療の殆どが肺炎、気管支炎を含めた炎症性疾患)乳癌既往と聞くだけで「乳癌の転移も完全には否定できない」と(あんたの診断は否定できるけどね。と突っ込みを入れたくなります)

今回のメール内容からは、単純に「整形外科的腰痛」と「感冒に伴う咳」でしょう。

質問者は何科を受診すればいいのか?
ズバリ、乳腺外科(無論、経験豊富でないと「曖昧」にしかコメントしないので注意が必要)なのです。

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/6/30
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