Site Overlay

センチネルリンパ節生検による微小転移

[管理番号:9698]
性別:女性
年齢:62歳
病名:乳癌
症状:
投稿日:2021年9月6日

乳癌
ステージ2A
腫瘍径 1.4cm
リンパ節転移 有
  センチネルリンパ節に0.3mmの
  微小転移を認める。

ホルモン受容体 陽性 ER + PGR +
ki67 33.59%
HER2 陰性
グレード2

治療
内分泌療法 放射線療法
化学療法は オンコタイプdx検査の結果待ち

はじめまして。

よろしくお願い致します。

7月上旬の温存手術時、センチネルリンパ節生検ではリンパ節転移は陰性でしたが、1ヶ月後の手術後病理結果では、0.3mmの微小転移有りの結果になりました。

その件に関する質問です。

1.手術中に生検が陰性となったため郭清はせず、していないならば、他のリンパ節に転移がある可能性も有ると思うのですが、主治医は、郭清はしないで放射線を多めに照射するとのことです。
それは、郭清と同じ治療効果がありますか?
 リンパ節から身体全体に転移しないか心配です。

2.失礼なのですが、センチネルリンパ節ではなく別のリンパ節の生検をしたとしても、1の治療で問題ないですか?

3.0.3mmの微小転移は転移無しに比べ、再発率、生存率は、どの程度違いますか?

4.もし、化学療法を行うとして、化学療法後に放射線治療とのことでしたが、腋に転移のある状態で長時間そのままにして、転移は進みませんか?

5.オンコタイプdx検査は、微小転移でも転移陽性(1~3個)と同様に、再発スコア(RS)18以上で化学療法を行うということで良いですか?
 また、RSが18以上でも、化学療法の上乗せ効果が低い場合は、化学療法は行わなくて良いと思うのですが、副作用もありますし、先生は上乗せ効果が何%以上あれば、勧めますか?
 

 

田澤先生からの回答

こんにちは田澤です。

★閉経後の化学療法はRS 26以上ですよ  
是非『今週のコラム 269回目 Rx PONDER (中間解析) その解釈』熟読ください。

「1.手術中に生検が陰性となったため郭清はせず、していないならば、他のリンパ節に転移がある可能性も有ると思うのですが、主治医は、郭清はしないで放射線を多めに照射するとのことです。
それは、郭清と同じ治療効果がありますか?
 リンパ節から身体全体に転移しないか心配です。」

⇒微小転移では省略する施設が殆どです。(腋窩郭清省略しても予後は同じ)
 ご安心を。(因みに腋窩に照射も不要)

「2.失礼なのですが、センチネルリンパ節ではなく別のリンパ節の生検をしたとしても、1の治療で問題ないですか?」
⇒それは通常ありえません。

「3.0.3mmの微小転移は転移無しに比べ、再発率、生存率は、どの程度違いますか?」
⇒微小転移は予後に影響ないことは解っています。

「4.もし、化学療法を行うとして、化学療法後に放射線治療とのことでしたが、腋に転移のある状態で長時間そのままにして、転移は進みませんか?」
⇒重大な勘違いしていますよ!!

 微小転移しているリンパ節は摘出しているのです。(現在、「脇に転移のある状態」ではありません)

「5.オンコタイプdx検査は、微小転移でも転移陽性(1~3個)と同様に、再発スコア(RS)18以上で化学療法を行うということで良いですか?」
⇒違います。26以上です。冒頭の★参照

 
 

 

質問者様から 【質問2 】

オンコタイプdx検査の結果
性別:女性
年齢:62歳
病名:乳癌
症状:
投稿日:2021年9月17日

先日はお忙しい中、ご返答いただきまして、ありがとうございました。

オンコタイプdx検査の結果がでましたのでお伺い致します。
 
 前回の補足
 ER 80% PGR 1%

9.9ER陽性 5.3PR陰性 9.9HER2陰性

再発スコア RS 21
9年遠隔再発率 18% 95%信頼区間(12%、22%)
化学療法を否定できない 95%信頼区間(-5、7%)RS18ー30

グラフでは、タモキシフェンのみの場合
5年再発または死亡率 RS20 12.5% RS 21 12.7%
で、タモキシフェンのみとプラス化学療法の曲線はRS20で交わり、RS21の化学療法は殆ど効果なしです。

9年BCSSは、RS16ー20 96.7% RS21ー25 93.1%であり、主治医はこの差の3.6%を考慮して、抗癌剤を勧めました。

そこで質問です。

1.抗がん剤は、RS26以上と伺っております。

 先生に伺った通り、あまり効果はないと思われます。

 この結果の見方がよく分からないのですが、RS18ー
 30の人が統計として、効果があっても7%ということ
 ですか?-5%とは抗癌剤により却って悪化したという
 ことですか?
 化学療法効果の意味することを教えてください。

2抗癌剤による後遺症は、ありますか?
 5年10年後に脳に影響が出ることはありますか?
3少しでも再発は抑えたい気持ちはありますが、
 副作用や後遺症とのバランスもあります。

 最後は自分で決断しなくてはいけないのですが、 
 一番伺いたいことは、先生はこの結果をご覧になって
 どのようにお考えですか? 
 抗癌剤はしない方が良いとお考えですか?
49年遠隔再発率は、遠隔のみで局所再発は含まれない
 のですか?その場合、9年遠隔再発率はDFSを表して
 いるのではないということで、実際は再発率自体は、
 もっと上がるということですか?
5微小転移は予後に影響しないと思っていたので、もう
 少し9年遠隔再発率は低くなると思っていてショック
 でした。
18%になった要因はどのような可能性があり
 ますか?
 やはり、転移は転移として、転移無しに比べ、血管や
 リンパに癌細胞が流れ出している可能性があるからで
 しょうか?
6再発しやすい時期はいつと思われますか?
 術後2.3年、5~10年、10年以降で再発率の高い順で
 教えてください。

7これから癌と向き合ってゆくにあたり、生活面で、
 した方が良いことと、しない方がよいことがあれば、
 お教えください。

  よろしくお願い致します。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは田澤です。

RS=21なら、大手を振って「抗がん剤無」となります。
この結果をもって「抗がん剤を勧める」としたら、何のためのOncotypeDX?
ご参考に。

 
 

 

質問者様から 【質問3 】

オンコタイプdx検査からわかる予後等
性別:女性
年齢:62歳
病名:乳癌
症状:
投稿日:2021年10月7日

いつもお忙しい中、ご回答いただき ありがとうございます。

おかげさまで、現在 迷うことなく放射線治療をしております。

お伺いしたいことは4つあります。

よろしくお願いします。

1.前回のオンコタイプdx検査の9年遠隔再発率が18%になっております。
私の場合は、微小転移およびリンパ節転移1~3個対象の数値ですが、微小転移は予後に影響しないと伺っていますが、やはり微小転移であっても18%とみるべきでしょうか?

2.再発率は、いつ頃が高く、いつ頃から低くなりますか?

3.以前、微小転移は放射線治療について、腋窩に照射不要とおっしゃっていましたが、それは、追加照射不要ということでしょうか?
現在は追加照射は、しない方針です。

4.指の関節等が痛いので、エクオールを試したいと思うのですが、主治医は、服用しない方が良いとのことです。
現在レトロゾール2.5mg1日1回服用しております。
私は服用したいのですが、
服用することに、問題はありますか?
以上です。

よろしくお願い致します。

 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは田澤です。

「1.前回のオンコタイプdx検査の9年遠隔再発率が18%になっております。
私の場合は、微小転移およびリンパ節転移1~3個対象の数値ですが、微小転移は予後に影響しないと伺っていますが、やはり微小転移であっても18%とみるべきでしょうか?」

⇒もっと低いと思います。

「2.再発率は、いつ頃が高く、いつ頃から低くなりますか?」
⇒5年以内です。
 徐々に下がっていきます。

「3.以前、微小転移は放射線治療について、腋窩に照射不要とおっしゃっていましたが、それは、追加照射不要ということでしょうか?」
⇒違います。
 照射は「乳房」だけにして「腋窩を照射野にいれない」と言う意味です。

「4.指の関節等が痛いので、エクオールを試したいと思うのですが、主治医は、服用しない方が良いとのことです。」
⇒根拠がない。

 全く構いません。(ただ、主治医と喧嘩するのは困りものですが…)