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粘液がん 全摘後 生検部位の皮膚切除

[管理番号:9649]
性別:女性
年齢:39
病名:左胸の浸潤性乳管がん
症状:
投稿日:2021年8月20日

私は海外在住という事もあり、がんの診断以来こちらのサイトをずっと参考にさせて頂いております。
このような機会・場を設けてくださり、本当にありがとうございます。

私の同じ悩みによる質問が一つ(管理番号5180)ありましたが、そこをもう少し踏み
込んだ内容が知りたく、質問をさせて頂きたいと思います。

病理検査結果:
・ステージ1、左胸の浸潤性乳管がん、粘液がんタイプ
・腫瘍径1.6mm x 1.3mm x 1.3mm、リンパ節転移なし
・グレード3、ER+、PgR-、HER2 equivocal(FISH -)、Ki67 60%

手術内容:
・先月、乳頭乳輪・皮膚温存の全摘出手術実施
・同じ手術タイミングで乳房再建完了済(既にシリコンバッグが入っており、追加手術の必要なしの状態)
・乳頭乳輪は術後の組織検査結果次第では改めて切除する可能性も聞いていましたが、腫瘍から十分に距離があると判断され、乳頭乳輪内側マージンが全てNegativeだったことからそのまま温存となりました今後の治療方針:
・全摘出手術で十分に腫瘍を取り切れていると判断されており、放射線実施予定は無い
・ホルモン治療に加えてケモをやるか、オンコタイプテストの結果を見て決定予定

質問内容:
粘液がんの全摘出の場合に針生検のトレースを全て切除すべきという事を手術後に知
り(管理番号5180を拝見し)ました。

私の胸はアンダーバストラインから切除されており、左乳首斜め下の針生検痕は切除ラインに全く入っていませんでした。

主治医は特に針生検痕の皮膚切除につき必要性を認識していなかったと正直に答えた上で、
・基本的にその部位からのローカル再発ケースはレアという理解
・ただし、心配であれば乳房再建を担当した整形外科医に皮膚切除を相談しても良いのではと言われました。

担当の整形外科医はやってあげる、と言ってくれました。
ただし、既に再建手術は終えているので、皮膚の上からの切除処置になります。

1)皮膚の外側部分は針生検のあとがしっかり見えるものの、皮膚内部の針生検トレースはもうわからない状態と思います。
今回の針生検は腫瘍真上からではなく、だいぶ左サイド横側から斜めに侵入してリーチしていました。
このような場合に、該当部分を100%確実に取りきることは難しいように思いますが、それでも、少なくとも上皮側は取れるという意味で、皮膚切除を依頼する意味はありますでしょうか?

2)1でIf Yes ⇒ 上皮について、針生検あとのみを切除すれば十分なのか、あるいは周りの皮膚も一定のマージンも含めて切除すべきか、その場合マージンは何mm程度含めるべきか、田澤先生であればどのようにその整形外科医に指示されますでしょうか?

3)1でIf No ⇒皮膚切除ではなくピンポイントの放射線照射なども依頼する価値がありますでしょうか?また、そもそもここからの再発がレアケースであるという前提のもと、皮膚切除・放射線など
をせずとも様子見で、変化があればすぐに医師に相談する、という対応でも十分と思われますでしょうか?
お忙しいところ申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願い致します。

 

田澤先生からの回答

こんにちは田澤です。

「1)皮膚の外側部分は針生検のあとがしっかり見えるものの、皮膚内部の針生検ト
レースはもうわからない状態と思います。
今回の針生検は腫瘍真上からではなく、だいぶ左サイド横側から斜めに侵入してリーチしていました。
このような場合に、該当部分を100%確実に取りきることは難しいように思いますが、それでも、少なくとも上皮側は取れるという意味で、皮膚切除を依頼する意味はありますでしょうか?
2)1でIf Yes ⇒ 上皮について、針生検あとのみを切除すれば十分なのか、ある
いは周りの皮膚も一定のマージンも含めて切除すべきか、その場合マージンは何mm程度含めるべきか、田澤先生であればどのようにその整形外科医に指示されますでしょうか?」

⇒「整形」外科医ではなく、「形成」外科医の誤記載ですね?

マージンなどを気にすることなく、刺入部皮膚を確実に切除してもらいましょう。