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トランスジェンダー(Female to Male:FTM)当事者の疑問

[管理番号:9519]
性別:女性
年齢:33
病名:乳癌疑い
症状:乳頭分泌(21歳から)
投稿日:2021年6月26日

田澤先生、はじめまして。

左乳がん疑いで先日大学病院にてエコーと針生検を受けました。

エコー上では最大1.5cm(固くて血流豊富な不整形)、リンパ節転移はなくステージ1の浸潤がんではないかと言われています。

正式な結果説明は7月上旬予定で、その間に治療を受ける病院を決めたり治療方法などを勉強したりしようといろいろ検索していた所こちらのサイトに辿り着きました。

私は性同一性障害の診断を受けており、仕事もプライベートも男性として生活しています(染色体は女性型)
いくつかFTM患者特有の悩み・疑問が浮かんだのでご教示いただけましたら幸いです。

私は一般的な治療である男性ホルモン投与や手術は受けていませんが、血中の男性ホルモンが一般女性よりも高く、外見は男性として十分通るようです(その他、高プロラクチン血症、多嚢胞性卵巣症候群も指摘されています)
そのため、体に負担のかかるそれらの治療を見送っていました。

今回の結果が悪性だった場合、それらをすることで再発率抑制の可能性に繋がるのなら今後行動に移そうと思いますし、反対に再発率が上がるようであれば避ける必要があるので事前に知っておきたいです。

【質問】
①女性の方には大変申し訳ないのですが、FTMの自分にとって乳房があることは極めて不快です。
普段は特殊なシャツを来て平らな胸になるようにしています。
2018年にFTMに対する乳房切除が条件付きで保険適応となり、いずれ受ける予定でいました。
そのため、もし結果が悪性で手術適応となった場合はこの機会に全摘したいです(それが1つのモチベーションとなっています)。

そこで、再発への不安や障害に対する不利益の観点などから反対側も同時に切除できたらと思うのですが、遺伝子異常がない限り本人が希望しても行えないのでしょうか?できなかった場合は他院で保険または自費で切除することなりますが、1回目の手術から最低どの程度の期間あければよいでしょうか?

②一部のタイプでは女性ホルモンが発症に関与していると思われますが、将来的に卵巣を切除することで再発率は抑えられますか?

③トリプルネガティブの中にアンドロゲン受容体を持つタイプのものがあるようですが、こちらだった場合には生涯男性ホルモンを投与しない方がよいのでしょうか?

④先生の病院に入院した場合、男性部屋で加療を受けることはできますでしょうか?
以前別の病院に入院した際には事前に説明し、そのように配慮してもらったことがありました。

しこりははっきりせず、前回から3年経っており何となく気になって検診を受けたら
このようなことになってしまいました。

早く見つかってよかったと思うべきなのでしょうか…。

前述の理由もあって一刻も早く手術を受けたいです。

術前療法を勧められることも考えられますが、その場合には(そうでなくても?)先
生の病院を受診してみようと考えております。

薬が効かずに腫瘍が大きくなってしまうことが怖いです。

どうぞ宜しくお願い申し上げます。

 

田澤先生からの回答

こんにちは田澤です。

「遺伝子異常がない限り本人が希望しても行えないのでしょうか?」
⇒その通りです。

「できなかった場合は他院で保険または自費で切除することなりますが、1回目の手術から最低どの程度の期間あければよいでしょうか?」
⇒空ける必要はありません。
 ★極端に言えば翌日でも問題なし。(特殊な事情で再手術する場合には当日夜に行うこともあるのです)

「②一部のタイプでは女性ホルモンが発症に関与していると思われますが、将来的に
卵巣を切除することで再発率は抑えられますか?」

⇒サブタイプ次第

「③トリプルネガティブの中にアンドロゲン受容体を持つタイプのものがあるようですが、こちらだった場合には生涯男性ホルモンを投与しない方がよいのでしょうか?」
⇒考えすぎ

「④先生の病院に入院した場合、男性部屋で加療を受けることはできますでしょう
か?以前別の病院に入院した際には事前に説明し、そのように配慮してもらったことがありました。」

⇒今までそのような事例がないので、現時点では不明です。