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両側腋窩リンパ節切除について

[管理番号:9441]
性別:女性
年齢:妻42歳
病名:右側端部乳腺癌
症状:右腋窩しこり
投稿日:2021年5月31日

経緯
2015年6月 左乳房温存術実施 センチネルリンパ節生検の結果 微小な転移有 腋窩リンパ節レベル1切除
      病理の結果 ER陽性 PgR陽性 HER2陰性 ホルモン陽性タイプと診断
      術後補助療法として左胸放射線治療実施、タモキシフェン服用
2018年12月 左乳房内側下部(ほぼ同じ箇所)にしこりを自覚、PET-CTにて右前縦隔にも腫瘍をあることが発覚
2019年1月 左乳房再発部のみ部分切除
      病理の結果 ER陽性 PgR陽性 HER2陰性 ホルモン陽性タイプと診断
2019年3月 県内がんセンターの胸部外科にて右前縦隔腫瘍を切除 病理の結果乳がんではなく、胸腺腫と判明
      乳腺の方もその病院の乳腺腫瘍内科へ転院し、リュープリン、アロマシン服用
      胸部外科で6か月毎の造影CT検査を実施、乳腺腫瘍内科で3か月毎のリュープリン投与、アロマシン処
方、問診を実施
2021年3月 初発と反対側右側腋窩にしこりを自覚、胸部外科の造影CT検査で腋窩に腫瘍らしきもの発見、乳腺腫瘍内
科のMRI検査にて周辺のリンパ節転移発見
2021年4月 右腋窩針生検の結果 ER5%陽性 PgR陰性 HER2陰性のほぼトリプルネガティプタイプと診断
      PET-CTにて右腋窩乳腺端部と腋窩リンパ節複数、鎖骨周辺リンパ節、縦郭リンパ節転移と診断、背骨にも
微小の転移疑い1箇所有と診断、臓器には転移無し。
PD-L1は陰性でした。

         
再発転移であることや半年前に無かったものが、しこりとして現れたとたんリンパ節に転移しているので進行が速いし骨転移もあるから手術適応ではなく、一生抗がん剤単剤投与で治療と言われました。

勧められたのはパクリタキセル、ゼローダです。

パクリタキセルを選び、6月からパクリタキセル単剤の3週投与1週休の治療が始まります。

手術はできないのか。
原発巣周辺だけでも切除できないのかも聞いたのですが、しない方がいいと言われました。

左の腋窩リンパ節を切除しているので、今回の右の腋窩リンパ節は切除しないほうがいいと言われました。
そういうものなのでしょうか。
リンパ浮腫が起きる可能性もあるし、両腕に点滴や注射ができなくなるとも言われました。

切除できないのならといろいろ調べていたら、トモセラピーというものがあるということを知りました。

ただこのような場合、保険適用範囲内でトモセラピーを受けることはできないのでしょうか。
(転移部についても)

手術は本当にしないほうがよいのでしょうか。
原発巣をそのまま残しての治療に不安があります。

いろいろ調べていてこちらの乳がんプラザにたどり着きました。

田澤先生のコラムやQ&Aも読ませていただきました。

田澤先生のもとで積極的治療を受けたいと今は妻共々考えています。

できることなら田澤先生の手術を受け、放射線、抗がん剤という治療を田澤先生のもとでできればと考えています。

抗がん剤治療が今の病院で始まってしまいますが、今からでも田澤先生のもとで治療を受けることは可能でしょうか。

しこりを自覚してから治療まで時間がかかってしまっていますので、治療を早く始めたくて今の病院のパクリタキセル単剤投与を選択しましたが、田澤先生に診ていただく場合、どれくらい待つようになってしまうでしょうか。

手術可能ならば、できるだけ早く切除したほうがよいと思うのですが、田澤先生の病院に転院となった場合、どのような手順を踏めばよいでしょうか。
お忙しいところ申し訳ありませんが、妻も私もがんを治す治療を希望しています。

長文、駄文で失礼しました。
よろしくお願いいたします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは田澤です。

内容は了解しました。
「PET-CTにて右腋窩乳腺端部と腋窩リンパ節複数、鎖骨周辺リンパ節、縦郭リンパ節転移と診断、背骨にも
微小の転移疑い1箇所有と診断、臓器には転移無し。」

⇒まず重要なことは腋窩~鎖骨下まで「エコーで評価すること」です。(その際には「手術可能なのか?」という視点が必要ですが、当然ながら腫瘍内科医にそれはありません)

 エコーで評価し手術可能であれば、腋窩~鎖骨下は手術をして、(鎖骨上にあれば)鎖骨上は照射して、縦隔リンパ節も照射します。
 「背骨にも微小の転移疑い」というのは、「眉唾もの」なのでこれは時々画像でフォローでいいでしょう。

手術(腋窩鎖骨下郭清)⇒放射線(縦隔リンパ節±鎖骨上リンパ節)⇒(トリプルネガティブだから)抗がん剤
★抗がん剤としては、paclitaxelは一旦止めて、anthracycline(EC)3か月⇒(その後)bevacizumab+paclitaxel 3か月

 ここで画像評価してCRであれば、抗がん剤は一旦終了して経過みるか?eribulinもやっておく(3か月)か?患者さんのモチベーション次第というところでしょう。

★★ 手術によりリンパ浮腫が起こるリスクはあるかもしれませんが、(転移したリンパ節をそこに残していれば)いずれ、「そのリンパ節は確実に浮腫の原因」となります。

「手術可能ならば、できるだけ早く切除したほうがよいと思うのですが、田澤先生の病院に転院となった場合、どのような手順を踏めばよいでしょうか。」
⇒まずは「手術相談メール」を送ってください。

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