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術後の追加療法と妊娠のタイミングについて

[管理番号:9390]
性別:女性
年齢:30歳
病名:浸潤性乳管癌
症状:
投稿日:2021年5月14日

初めまして。
田澤先生の見解をお伺いしたく、連絡致しました。

2021.4.(上旬):左乳房の全摘出手術+センチネルリンパ節生検+ティッシュエキスパンダー挿入
2021.5.(中旬):病理結果が以下のように出ました。

??病理結果:浸潤性乳管癌
・Stage1
・浸潤部腫瘍経 8mm
(非浸潤部腫瘍経 22×20mm)
・ly1、v0
・リンパ節転移なし(0/1)
・NG3
・ER+
・PgR+
・HER2 3+

??推奨補助療法:
化学療法(TC :ドセタキセル+エンドキサン)+ハーセプチン+ホルモン療法

ルミナールHER2のトリプルポジティブですが、以下についてお伺いしたいです。

質問①手術前、主治医からは早期発見且つDCISの可能性が高いと言われておりましたが、想定外の病理結果に驚いております。

これでも早期乳癌でしょうか?

質問②田澤先生も、上記と同じような補助療法をとられますか?

質問③主治医からは化学療法を受ける受けないは私の判断次第だと言われていますが、化学療法を受ける決意がなかなか出来ずにおります。
先にホルモン療法をしながら継続的に検査をし、途中で(少しでも悪化などが見られるようなら)化学療法+ハーセプチンに切り替えることは出来るのでしょうか?
主治医からは、やるなら術後3ヶ月以内に化学療法を始めた方がいいと言われていますが、3ヶ月以内に始めないと効果が薄くなったり、見込めなくなってしまうということでしょうか?

質問④まだ子供がおらず、妊娠を望んでおります。
追加療法を先にせず、妊娠・出産を選択した場合、再発率が高まったり、病状が悪化するのでしょうか?

質問⑤このような病理結果で妊娠を望む患者へ、田澤先生ならどのような治療方針を勧めますか?

受精卵の凍結保存も検討しています。

ご回答頂けますと幸いです。
何卒よろしくお願いします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは田澤です。

私は常に「妊娠出産」優先で考えます。
妊娠出産が悪いという根拠はないし、「挙児は人生最大(もしくは、それに近い)のイベント」だと思うからです。

「質問①手術前、主治医からは早期発見且つDCISの可能性が高いと言われておりましたが、想定外の病理結果に驚いております。
これでも早期乳癌でしょうか?」

⇒1期(しかもpT1b)は、凄ーく早期です。

「質問②田澤先生も、上記と同じような補助療法をとられますか?」
⇒その通りです。

 浸潤径5mm以上であれば「抗HER2療法を勧めない」根拠はないのです。

「質問③主治医からは化学療法を受ける受けないは私の判断次第だと言われていますが、化学療法を受ける決意がなかなか出来ずにおります。
先にホルモン療法をしながら継続的に検査をし、途中で(少しでも悪化などが見られるようなら)化学療法+ハーセプチンに切り替えることは出来るのでしょうか?
主治医からは、やるなら術後3ヶ月以内に化学療法を始めた方がいいと言われていますが、3ヶ月以内に始めないと効果が薄くなったり、見込めなくなってしまうということでしょうか?」

⇒半年以内でも問題ありません。

「質問④まだ子供がおらず、妊娠を望んでおります。
追加療法を先にせず、妊娠・出産を選択した場合、再発率が高まったり、病状が悪化するのでしょうか?」

⇒妊娠出産は問題ありませんが…
 抗HER2療法は再発率を半分にするので、

 受精卵凍結⇒抗HER2療法⇒妊娠出産⇒授乳終了後ホルモン療法をお勧めします。

「質問⑤このような病理結果で妊娠を望む患者へ、田澤先生ならどのような治療方針を勧めますか?」
⇒上記