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部分摘出後、2ミリ弱のリンパ節微小転移について

[管理番号:9344]
性別:女性
年齢:41歳
病名:乳癌
症状:大きさ:1.28cm/核グレード:1/ER:陽性/HER2:陰性/Ki67:31%/リンパ節転移:3つのうち1つ2ミリ以下の微小転移あり
投稿日:2021年4月23日

大きさ:1.28cm
核グレード:1
ER:陽性
HER2:陰性
Ki67:31%
リンパ節転移:3つのうち1つ2ミリ以下の微小転移あり

本日部分摘出手術の結果、
3つあるリンパのうち1つにわずかな転移がありました。

2ミリ弱の微小転移なので、再発リスクはかなり少ないそうですが、それを踏まえて抗がん剤をやるかどうか、生検結果が出る2週間後に、自分で決める様に言われました。

この場合、具体的な再発率や生存率についての数字はデータとしてあがってきているものはありますか?

またこの様な場合についての抗がん剤治療選択におけるアドバイスやご意見があれば教えていただきたいです。

よろしくお願いいたします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは田澤です。

「2ミリ弱の微小転移なので、再発リスクはかなり少ないそうですが、それを踏まえて抗がん剤をやるかどうか、」
⇒「そもそも」…

リンパ節転移は(微小転移であれ、肉眼的転移であれ)抗がん剤の選択とは無関係です。

Ki67=31%はグレーゾーンだからOncotypeDXして決める事をお勧めします。

 
 

 

質問者様から 【質問2 】

センチネルリンパ節生検とオンコタイプ
性別:女性
年齢:41
病名:乳癌
症状:
投稿日:2021年4月30日

ご回答ありがとうございます。

先日主治医に不明点を確認したところ説明があって、リンパ郭清はしておらず取り出したセンチネルリンパ節3つのうち1つに2ミリ以下のごく僅かな微小転移らしきもの(癌細胞ぽく見えるもの)が見えたので検査に出しているということでした。

①腋窩でもセンチネルリンパでも、リンパ節転移と抗がん剤はイコールではなく、あくまでも顔の進行度やサブタイプによるということでしょうか?

②またオンコタイプですが、もしもセンチネルリンパ節生検の結果で癌細胞だと確認がされた場合、閉経前であっても検査を受けることはできるのでしょうか?

③閉経前でリンパ節転移ありの場合だと、適用外のような話を主治医から聞いたのですがそのあたりがよく理解できないでおります。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは田澤です。

「①腋窩でもセンチネルリンパでも、リンパ節転移と抗がん剤はイコールではなく、あくまでも顔の進行度やサブタイプによるということでしょうか?」
⇒サブタイプにより決まります。

 ステージ3以上(つまりリンパ節転移4個以上)の場合には「抗がん剤をしなくてもok」というエビデンスがないため、(ステージⅢ以上であれば)サブタイプにかかわらず抗がん剤を検討してもいいですが、「1~3個まで」ならばサブタイプで決めましょう。

「②またオンコタイプですが、もしもセンチネルリンパ節生検の結果で癌細胞だと確認がされた場合、閉経前であっても検査を受けることはできるのでしょうか?」
⇒勿論です。

「③閉経前でリンパ節転移ありの場合だと、適用外のような話を主治医から聞いた」
⇒主治医の勘違い(もしくは古い情報)

 
 

 

質問者様から 【質問3 】

部分摘出後の抗がん剤・ホルモン治療について
性別:女性
年齢:41
病名:乳癌ステージ2B
症状:
投稿日:2021年5月17日

Invasive ductal carcinoma,scirrhous,right
breast,Bp+SNB,area=upper-
outer(C),41.0×35.0×18.0mm,n(1/3),margin-,NG(1),HG(II),ER(7),P
gR(8),HER2(1),f,Ly1,VO,UICC 8th:pT2 pN1mi MO StageIIB,JP
18th:pT2 pN1mi MO Stage IIB.

検体:右乳腺 乳癌病巣数:1病巣
切除術:Bp+SNB 110×90×20mm,占拠部位:右upper-outer(C)区域
腫瘍径:41.0×35.0×18.0mm,腫瘍径 in situ ca含
む:76.0×59.0×18.0mm
組織分類:invasive ductal carcinoma , scirrhous type
核異形スコア:2,核分裂スコア:1(4/10HPF)→核グレード1
腺管形成スコア:3, 核異形スコア:2,核分裂スコア:1(4/10HPF)→組
織グレードII
ER:Allred PS5 IS2 TS7 ,95% Score 3b
PgR: Allred PS5 IS3 TS8,100% Score3b
Her2:score1,強陽性:0%,中等度陽性: 0%,弱陽性 70%
波及度:f,リンパ管侵襲:Ly1,静脈侵襲:V0
in situ ca+,EIC-
リンパ節転移:合計(1/3)
SNB(1/3)
UICC 8版:pT2 pN1mi M0 Stage llB,規約18版:pT2 pN1mi MO StageIIB

Ki67:31%
????
術後病理結果が出ました。

細かな石灰化部分が悪性のところがあったため、浸潤径が大きくなりました。
センチネルリンパ節には2ミリ以下の転移あり、断端陰性です。

術後15年生存率は
手術のみ・・・81%
+ホルモン療法・・・86%(5.2%上乗せ)
+抗がん剤・・・88%(1.9%上乗せ)

主治医からは私と同じ症例の場合、15年治療効果としては
100名中81人が手術のみで生存、
乳がんで亡くなった人は7人、
他の死因で亡くなった人は5人、
ホルモン療法の効果があったのは5人、
抗がん剤の効果があったのは2人
というデータを見せてもらいました。

【質問】
①この術後結果をもって抗がん剤の効果がある人は2/100人ということですが、オンコタイプによってどの抗がん剤がどの程度効果があるのか細かく分かるということでしょうか?
②ホルモン治療についても自分で決める様に言われましたが、病理結果から見た所見をお聞かせいただきたいです。
ホルモンの数値が高いのでやるべきでしょうか?
③ホルモン治療は注射と飲み薬があるそうですが、片方のみで進めると効果はどのくらい半減しますか?
④子宮体癌のリスクが心配ですが、どのくらい発症するのでしょうか。

 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは田澤です。

「①この術後結果をもって抗がん剤の効果がある人は2/100人ということですが」
⇒そもそも、「その主治医のデータに」根拠がない
 実際に、質問者が抗がん剤を行った場合に「どの程度上乗せがあるのか?」知るための検査がOncotypeDXなのです。

「オンコタイプによってどの抗がん剤がどの程度効果があるのか細かく分かるということでしょうか?」
⇒誤り(上記)

「②ホルモン治療についても自分で決める様に言われましたが、病理結果から見た所見をお聞かせいただきたいです。
ホルモンの数値が高いのでやるべきでしょうか?」

⇒考え方が「めちゃくちゃ」

 ホルモン感受性が陽性なので「勧めない」理由がありません。

「③ホルモン治療は注射と飲み薬があるそうですが、片方のみで進めると効果はどのくらい半減しますか?」
⇒35歳以上ではLH-RHagonist併用による上乗せがないという結果がでていますが、(一方で)閉経前でリンパ節転移陽性の場合には(抗がん剤が不要な場合 つまり RS≦25)LH-RHagonist併用したほうがよいとなっています。

 『今週のコラム 269回目 Rx PONDER (中間解析) その解釈』で是非、勉強してください!!

「④子宮体癌のリスクが心配ですが、どのくらい発症するのでしょうか。」
⇒子宮体癌+肺塞栓による死亡がTAM5年投与で0.2%増加するというデータがあります。(一方で乳がん死亡を9%低下させます)