[管理番号:9297]
性別:女性
年齢:78
病名:TNBC ステージ2b グレード3
症状:TNBC ステージ2b グレード3
投稿日:2021年4月3日
TNBC,4cm、グレード3,ki67 70%、腋窩リンパ節に転移あり、の患者です。
1月下旬 PETの検査では全身転移なし でした。
2月中旬から週一回のパクリタキセルの抗がん剤を6回点滴しました。
あまり効果がないようなので、超音波検査で見たところ少し しこりが大きくなっていました。
急遽 CEF治療に切り換えることになりましたが、この2ヶ月半の間 抗がん剤が効いてなかった事は 全身に転移してないか、非常に心配です。
再度PET検査が必要でしょうか?
又 CEFも効果がなかった場合 すぐ手術をする と主治医は言ってくれます。
術後 どの様な治療をすればいいでしょうか?
田澤先生からの回答
こんにちは田澤です。
何故、手術先行ではなく術前抗がん剤としているのか不明ですが(質問者が小さくして温存希望ならば正しいですが、「腫瘍が大きいから」だとか「トリプルネガティブだから」とか「リンパ節転移があるから」では正しい理由とは言えません)
★術前抗がん剤は万が一「効果が無かったときに進行してしまう」というリスクがあることを承知しておく必要があります。(だから、正当な理由が無い限りは手術先行の方が安全なのです: 抗癌剤は術前に行っても術後に行っても予後は同じ)
「あまり効果がないようなので、超音波検査で見たところ少し しこりが大きくなっていました。」
⇒このリスクについて、きちんと「術前抗がん剤前に」お話しされていましたか?
冒頭の★をご参照ください。
「CEFも効果がなかった場合 すぐ手術をする」
⇒勿論です!!
術前抗がん剤は(効果が無かった際に、手遅れとならないうちに)手術を「純緊急で」行う体制が必須なのです。
「術後 どの様な治療をすればいいでしょうか?」
⇒物事はシンプルに考えましょう。
トリプルネガティブでは「術前もしくは術後に」anthracycline及びtaxaneが適応となります。
術前にtaxaneを行ったのであれば、術後は(残っている)anthracyclineを行うのです。(決して適応外であるcapecitabineを「万が一、主治医が提案したとしても」使用してはいけません。 添付文章を参照のこと)
質問者様から 【質問2 】
トリプルネガティブの抗がん剤が効かない場合の遠隔転移の心配
性別:女性
年齢:78
病名:TNBC ステージ 2b グレード3 ki67 70% 腋窩リンパ節転移あり
田澤先生の診察:[診察なし]
田澤先生の手術:[手術なし]
田澤先生 ご丁寧な回答ありがとうございました。検査の結果が判った時点(1月下旬)で抗がん剤治療を術前か術後にするか の説明では手術が混んでいるので 今頼んでも3月下旬になる。との事でした。国立病院なので、コロナの患者さんも受け入れていました。
術前も術後め効果は同じという事で術前を選びました。パクリタキセルを6回し、先生ご自身のエコー検査と造影剤MRI検査の結果1月下旬4㎝→4月上旬4.6㎝になっていました。今週からFEC治療をすることになっています。田澤先生の回答にありましたので、先に手術をして貰えないか、お願いしてみましたが、混んでいるので直ぐにはできなう。FECを一回して三週間後か2回位は様子をみつつ手術の準備をしておく。との現状です。
①直ぐ 手術をしてくれる病院を探した方がいいでしょうか?
②直ぐ週間をするのと、FECの効き具合を見極めてみる、のとでは遠隔転移へのリスクはどうでしょうか?
③田澤先生のご経験からトリプルネガティブの場合、タキサン系もFEC系も両方共に効かない場合は何%位ありますか?
田澤先生から 【回答2】
こんにちは田澤です。
「①直ぐ 手術をしてくれる病院を探した方がいいでしょうか?」
⇒その方が安全ですが、「セカンドオピニオンなどすると」却って手続きなどで遅くなってしまうリスクもありそうです。(紹介状の作成や、その後の対応など)
主治医ともう一度相談しましょう。
「②直ぐ週間をするのと、FECの効き具合を見極めてみる、のとでは遠隔転移へのリスクはどうでしょうか?」
⇒それは不明ですが…
術前抗がん剤は「そもそも」効かなかった場合に「病勢を進行させる(遠隔転移も含め)リスク」があるものです。
「③田澤先生のご経験からトリプルネガティブの場合、タキサン系もFEC系も両方共に効かない場合は何%位ありますか?」
⇒不明です。
そもそも「術前に腫瘍が小さくならない」=「術後の再発予防に無効」とは言い切れません。