[管理番号:9292]
性別:女性
年齢:45
病名:左浸潤性乳管癌、右非浸潤性乳管癌
症状:
投稿日:2021年4月2日
初めて質問いたします。
昨年12月、半年に一度の検診でエコーD判定にて、針生検(左)。
1/(中旬)左浸潤がん告知、1/(中旬)紹介先病院受診、右乳がん疑い指摘。
1/(中旬)右針生検、1/(下旬)PET-CT。
2/(上旬)右非浸潤がん告知。
2/(中旬)に左全摘+センチネルリンパ節生検(リンパ節郭清なし)、右温存手術。
3/(上旬)病理結果
左浸潤性乳管癌、硬性型
浸潤径0.8×0.8cm
核グレード NA2 MC1 NG1 TF3
波及度 f
脈管侵襲 LyX V0
断端陰性
UICC pT1b
リンパ節には迅速診断の残検体のパラフィン包理標本にて0.8mm大の癌の転移を認めました。
迅速診断標本を再検しましたが、転移巣は明らかでなく、標本面が変わった可能性を考えます。
右非浸潤性乳管癌
浸潤径0cm
進展範囲5.5×5cm
核グレードNA2 MC1 NG1 TF-
脈管侵襲Ly0 V0
断端陽性 乳頭側#1 深部側#11 末梢側#18
UICC pTis
3/(下旬)右追加切除
左浸潤性乳管癌に関しては、針生検時の結果、ホルモン受容体エストロゲン陽性、プロゲステロン陽性、K i-67 2.1%でした。
担当医からは、当初費用対効果から勧めないと言われましたが、オンコタイプDXを希望し、現在結果待ちです。
その際、再発スコア14以下の場合でも、閉経前の場合、化学療法上乗せ効果が3.6%?あると言われました。
ただ、化学療法の卵巣機能抑制が意味があるので、ホルモン剤の注射(リュープリン?)併用で化学療法と同じ効果を見込めるとのことで、こちらを勧められています。
3%超は、私にとっては大きい数値なので、必要ならば化学療法をする覚悟ですが、しなくても注射併用のホルモン療法で同じ効果ならば、そちらの方が良いのか?と考えています。
結果は4/(上旬)ですので、仮定の話になりますが、もし、この状況で再発スコア14以下と出た場合、先生は注射併用のホルモン療法を勧めますか?化学療法はしなくて良いでしょうか?
また、右側に関しては、追加切除の病理結果断端陰性ならば、放射線治療と言われていますが、それで良いでしょうか?
(こちらも病理結果は4/(上旬)です)
仮定の話で申し訳ありませんが、わかる範囲で教えてください。
どうぞよろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは田澤です。
「仮定の話で申し訳ありませんが、わかる範囲で教えてください。」
⇒その通り。
せっかくOncotypeDXするのだから、その結果がでてから考えましょう。
どうしても(結果が出るまで)不安なのであれば、予め『今週のコラム 269回目Rx PONDER (中間解析) その解釈』を熟読しておくといいでしょう。
(以下、抜粋)
化学療法推進派
pN0
閉経前では RS 21- 抗癌剤推奨
閉経後では RS26- 抗癌剤推奨
pN1
閉経前では 全例 抗癌剤推奨
閉経後では RS26- 抗癌剤推奨
閉経前と閉経後の違いは「卵巣抑制にあるはず」派 (私も)
pN0
閉経前では RS 21- 25 TAM+LH-RHagonist RS 25 抗癌剤推奨
閉経後では RS26- 抗癌剤推奨
pN1
閉経前では RS -25 TAM+LH-RHagonist RS26- 抗癌剤推奨
閉経後では RS26- 抗癌剤推奨
つまり、micrometastasisではありますが、pN1に当てはまる質問者は
『化学療法推進派』からは 全例 化学療法推奨となるし、
『閉経前と閉経後の違いは「卵巣抑制にあるはず」派 (私も)』からは、RSが0~25までならTAM+LH-RHagonist 、RSが26以上なら抗がん剤推奨となるのです。
質問者様から 【質問2 】
放射線治療の回数
性別:女性
年齢:45
病名:左浸潤性乳管癌、右非浸潤性乳管癌
症状:
投稿日:2021年4月15日
田澤先生、先日は検査結果待ちにも関わらず、質問をしてしまい申し訳ございませんでした。
それにもかかわらず、答えて頂きまして、厚く御礼申し上げます。
4/(上旬)に病理結果が出まして、放射線治療に進むこととなりました。
(オンコタイプDX検査は、私の勘違いで、4/(上旬)に申し込みました。
結果は5/(下旬)の予定です)
今回は、放射線治療の回数について質問です。
右非浸潤性乳管癌に対する追加切除は、断端陽性ながらも2つにわかれた検体の切り口がうまく伝わらなかったとのことで、主治医含む乳腺外科担当医で協議した結果、全て取り切れたとの判断でした。
2回目の追加切除を恐れていたので(追加切除の局所麻酔が効かなくて痛かったこともあり)、本当にホッとして涙が出ました。
4/(下旬)に放射線治療科を受診し、放射線治療を始める予定となりました。
主治医からは16回と聞いていますが、25回を選ぶ人もいるようで、どちらが良いのでしょうか?
(安心感から25回を選ぶ人がいるようです)
逆に25回を勧める場合はあるのでしょうか?
また、左浸潤性乳管癌の方にリンパ節転移があるのですが、微小(0.8㎜)なので放射線治療は検討しなくて良い(ホルモン治療、オンコタイプDXの結果によっては化学療法)との理解でよろしいでしょうか?
(両側なので、今更ながら混乱してしまっているかもしれません)
どうぞよろしくお願いいたします。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは田澤です。
「主治医からは16回と聞いていますが、25回を選ぶ人もいるようで、どちらが良いのでしょうか?
(安心感から25回を選ぶ人がいるようです)
逆に25回を勧める場合はあるのでしょうか?」
⇒断端陰性なら・
当院ならば「寡分割照射(15回)」としています。
「また、左浸潤性乳管癌の方にリンパ節転移があるのですが、微小(0.8㎜)なので放射線治療は検討しなくて良い」
⇒全摘後の放射線治療の適応はリンパ節転移4個以上です。 つまり左は放射線の適応外
「オンコタイプDXの結果によっては化学療法)との理解でよろしいでしょうか?」
⇒勿論、それを知るためのOncotypeDXですよ。
質問者様から 【質問3 】
オンコタイプDX結果について
性別:女性
年齢:45
病名:左浸潤性乳管癌、右非浸潤性乳管癌
症状:
投稿日:2021年5月23日
前回の右乳房の放射線治療では、質問に真摯に答えてくださり、
ありがとうございます。
お陰様で、迷いなく16回を選択して、5/20に終了しました。
今のところ倦怠感が少ししんどい程度で、皮膚症状もひどくなく、元気に過ごしております。
5/(下旬)に左乳房のオンコタイプDXの結果が出ました。
再発スコア:7
9年遠隔再発率:11%
化学療法の上乗せ効果:明らかな上乗せ効果なし
以上の結果で、化学療法はなし、主治医が先生と同じお考えで、
リュープリン注射+ノルバデックス内服の補助療法に、5/(下旬)から入りました。
化学療法をするかもしれないとも考えて、決意をして臨んだので、素直にうれしい結果でした。
主治医からは、内服はとりあえず5年、おそらく10年になるだろうと言われました。
注射の方は、2~3年のエビデンスがない(研究結果がない)ため、エビデンスのある5年と説明されています。
こちらの過去記事やSNSでも、2年という方が多かったので、てっきり私もそうなのだと思っていました。
しかし、最近のQ&Aで今は5年との説明を読み、長いので不安もありますが、安心して受けていこうと思っています。
そこで質問です。
遠隔再発率11%という数字が、今更ながら不安になります。
これは、タモキシフェン単独のデータなので、私の場合、リュープリン注射併用することで少しでも下げることができる(化学療法の卵巣抑制作用と同じ効果)との解釈で間違っていないでしょうか?
重ね重ねの質問となりますが、どうぞよろしくお願いいたします。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは田澤です。
「遠隔再発率11%という数字が、今更ながら不安になります。
これは、タモキシフェン単独のデータなので、私の場合、リュープリン注射併用することで少しでも下げることができる(化学療法の卵巣抑制作用と同じ効果)との解釈で間違っていないでしょうか?」
⇒そう思います。