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異時性両側乳がんと治療法

[管理番号:9230]
性別:女性
年齢:51歳
病名:浸潤性乳管癌・小葉癌
症状:
投稿日:2021年3月5日

田澤先生、初めまして。
先生の的確なコメントに励まされています。
いつもありがとうございます。

カナダ在住、既婚子供はおりません。
以下全てカナダでの治療と結果です。

2017年12月に右胸乳がん診断、2018年2月部分切除、放射線(20回)、タモキシフェン
継続中
? Invasive Ductal Carcinoma
? Lumpectomy & Sentinel Lymph node biopsy (0/3)
? Overall Grade 2, 1.2×1.2×1 cm
? ER 8.5/PR 7.5: Positive + HER2: 9.1 Negative
? Oncotype Dx: 18 (Tam alone 11% 10-year recurrence risk)

2020年12月定期健診にて左胸乳がん診断、2021年2月部分切除
? Invasive Lobular Carcinoma (Multifocal invasive lobular carcinoma
graded MBR II)
? Lumpectomy & Sentinel Lymph node biopsy (1 positive/2)
? Overall Grade 2, Tumor size 1.4cm in greatest dimension
? PT1c, PN1a
? ER/PR: Positive + HER2: Negative
? 遺伝子検査、変異なし
3年経過目前の定期健診(マンモグラフィ、超音波)で新たな乳がんが見つかり、
biopsyの結果がホルモン受容性陽性だったのと当初は2から3ミリ程度ということだったので、前回と同じ乳管癌だと思われていたのですが、病理結果が小葉がんに加えてリンパ節の転移あり、サイズも当初より大きかったことにショックを受けてます。
昨日、癌専門医から結果を聞き、前回同様オンコタイプの検査を希望しましたが(こちらではki67の数値は使用していないようです)、今回はリンパ節転移が見られた点とまだ生理が不定期ではありますが、あるためオンコタイプの結果を有効とみなすことはできないという見解でした。
今回の結果を踏まえた10年生存率は下記の通りです。

? 手術のみ87%
? ホルモン治療した場合 89%
? 抗がん剤をした場合 92%
? 健康な癌を持っていない人 96%

抗がん剤をする場合:DC x 4 cycles (DocetaxelとCyclophosphamide)
ホルモン療法:Leuprolide を月1回注射で3か月、生理が止まったところでAnastrozole (Arimidex)。
タモキシフェンから変更。

上記を踏まえて田澤先生のご意見をお伺いいたしたく存じます。

1. Ki67の数値がない点、オンコタイプの結果を考慮することもできない状態なので、抗がん剤をすべきかどうか悩んでいます。
この内容では、先生としては抗がん剤を勧めざるおえないという見解になりますか。

2. 抗がん剤の副作用のうち、一番気になるのは所謂brain fogと脱毛後年齢的にまた髪が生えてくるのかどうかという点です。
先生の今までのご経験から、その点はいかがでしょうか。
資格試験をこちらに来てからずっと続けていて、最終試験の勉強と仕事への記憶障害の影響が心配です。

3. 遺伝性ではないのに、3年以内に両側乳がん発症という事実を自分の中でなかなか消化できずにいます。
遺伝子専門医には、運が悪かったのか食生活が影響しているかもしれないし結局のところ原因はわからないと言われました。
癌専門医にはあまり見ないケースと言われ、去年12月の診断が3ミリ程度だったのが、2月の手術までに1.4cmに成長したとも考えられるとのこと。
抗がん剤をすることで、当初の右胸の再発も多少なりとも防ぐことはできるのでしょ
うか(右はルミナルAなので意義はないとは思いますが)。
両側とも部分切除のため、放射線(まだ専門医と話してませんが、多分リンパ節部分の照射は転移してたので前回
より増えるだろうとのこと)ホルモン療法はするつもりですが、抗がん剤をする決心がまだできていません。

どうぞ宜しくお願いします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは田澤です。

「今回はリンパ節転移が見られた点とまだ生理が不定期ではありますが、あるためオンコタイプの結果を有効とみなすことはできないという見解」
⇒この見解には私は賛成しません。(是非、OncotypeDXすべきでしょう)

 是非、『今週のコラム 269回目 Rx PONDER (中間解析) その解釈』をご参照ください。