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PgR数値と治療について

[管理番号:5506]
性別:女性
年齢:47歳
田澤先生、こんにちは。
いつもこちらのサイトにて勉強をさせて頂いております。
医療機関や医師によりこれ程にも治療に差が出るものなかと正直大変驚きましたが、
治療前にこちらのサイトで田澤先生に出会えたことは大変幸運であったと思っております。
日々激務にもかかわらず、いつも分かりやすく真摯に、そして根気よく私達にお教え下さり
本当にありがとうございます。
この場をお借りしまして日々正しい乳癌治療の知識普及にご尽力下さっている田澤先生、秘書の方、江戸川病院の関係者皆様に心より感謝申し上げます。
術後の結果が出まして、ご教示を頂けましたら幸いです。
9月上旬 左乳房全摘出+SCNB  47歳 閉経前
<病理結果>
pT1 N0 M0 ステージ1 浸潤性乳管癌(乳頭線管癌)
浸潤部分 0.5cm×1cm×0.5cm
非浸潤部分の広がり 1.8cm×2.8cm×1cm
切断断片陰性  リンパ管・静脈侵襲ともに無し
波及度 乳腺・脂肪  核グレード 1
センチネルリンパ 2個切除→転移無し
ER 90% PgR 1~9%
HER2 1+(陰性) Ki67 1~9%
上記結果にて主治医からはホルモン療法単独で
タモキシフェン5~10年・リュープリン5年と言われております。
①Ki67は低値ですが、PgR値が低いのでルミナールBに該当するのでしょうか?
 針生検の結果の際はルミナールAと言われましたが、術後の説明の際は特にAorBは言われておりません。
似た事例の管理番号2268「抗がん剤を加えるほうがいいですか?」では「PgRは気にしなくて大丈夫です」とご回答頂いておりましたが、
PgR低値の場合のホルモン治療単独での再発防止の治療効果はER/PgR共に高値の場合より低くなることは無くほぼ同等と考えても宜しいのでしょうか?
 また、同じく管理番号2268にて「ステージ1であれば中間リスクでは抗がん剤は
 しない」とご回答頂いておりましたが、上記結果であれば抗がん剤治療は無しでも
 十分なのでしょうか?
以下の②③の質問はPgR値が低いとホルモン剤単独での治療効果が低くなる場合にお教え下さい。
②管理番号401「ホルモン陽性」の回答にて「PgRは偽陰性(本来染色性があっても、上手く染まらない)事も
 あるので評価が難しい」とのお話を頂きましたが、J-scoreやAllred scoreについても
主治医に
 確認してみたほうが良いのでしょうか?また、OncotypeDXではPgR値についても再度精査は
 出来るのでしょうか?
③抗がん剤治療も主治医と相談したほうが良いのでしょうか?それともKi67値が
 低いため、やはり抗がん剤の上乗せ効果はほぼ無いのでしょうか?
 その場合は再発率を下げる治療はホルモン療法のみしか無いということでしょうか?
 もし抗がん剤が多少なりとも効果が得られる場合ですが、すでにリュープリン6か月の
 注射を打ってしまいまして、薬の効果が切れてからでないと抗がん剤は打てないのでしょうか?
 時間が手術より7か月近くたってしまうので心配です。
先生のお話からは私の場合は年齢的にもリュープリンは不要なのではと思い、
お断りをしたかったのですが、閉経前なので生理を止めましょうと言われ十分に反論が
出来ずに注射を打って帰ってきてしまいした。
ほぼ効果が見込めないのであれば今後主治医とよく話し合って出来れば止めたいです。
タモキシフェンは生理を止める薬ではないかと思いますが、リュープリンを使って生理を止めても上乗せ効果は無いと考えて宜しいのでしょうか?
長くなりまして申し訳ございませんが何卒宜しくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「①Ki67は低値ですが、PgR値が低いのでルミナールBに該当するのでしょうか?」
⇒ルミナールAです。
「ER/PgR共に高値の場合より低くなることは無くほぼ同等と考えても宜しいのでしょうか?」
⇒その通りです。
「上記結果であれば抗がん剤治療は無しでも 十分なのでしょうか?」
⇒「無しでも十分」という表現に大変な違和感を感じます。
 正しくは「全く無効」ということです。
 つまり「早期だから」ではなく、「ルミナールA=上乗せがないから」ということです。
「OncotypeDXではPgR値についても再度精査は 出来るのでしょうか?」
⇒遺伝子の発現レベルがレポートされます。
 
「抗がん剤治療も主治医と相談したほうが良いのでしょうか?」
⇒全く不要
「それともKi67値が 低いため、やはり抗がん剤の上乗せ効果はほぼ無いのでしょうか?」
⇒その通りです。
「 その場合は再発率を下げる治療はホルモン療法のみしか無いということでしょうか?」
⇒その通りです。
「リュープリンを使って生理を止めても上乗せ効果は無いと考えて宜しいのでしょうか?」
⇒その通りです。
 
 

 

質問者様から 【質問2 局所再発について】

性別:女性
年齢:48歳
田澤先生、こんにちは。
いつもありがとうございます。
以前、管理番号5506にて質問をさせて頂きましたものです。
術後の病理結果は前回お送りしました下記の内容となります。
手術から3か月程経ちました。
9月上旬 左乳房全摘出+SCNB  47歳 閉経前
<病理結果>
pT1 N0 M0 ステージ1 浸潤性乳管癌(乳頭線管癌)
浸潤部分 0.5cm×1cm×0.5cm
非浸潤部分の広がり 1.8cm×2.8cm×1cm
切断断片陰性  リンパ管・静脈侵襲ともに無し
波及度 乳腺・脂肪  核グレード 1
センチネルリンパ 2個切除→転移無し
ER 90% PgR 1~9%
HER2 1+(陰性) Ki67 1~9%
先日のQ&A管理番号5841「再発なんでしょうか?」を拝見しまして心配になりまして
再度質問をさせて下さい。
約1か月前くらいに創部下部(術側ですが、浸潤部分とは反対側)に吹き出物のようなものが1個出来ました。
そのうち治るかなと思っていましたが、
治らずでして…田澤先生が回答にてお答えになっていた「硬さがある盛り上がった」湿疹なのです。
大きさは直径で約4㎜程かと思います。
(プツっと出来たので、大きさは最初からそれくらいで徐々に大きくなったという感じではありません。)術後の血種がかなり残っており、
その上に出来ている感じです。
これはやはり局所再発の可能性が高いのでしょうか?全摘でまだ3か月しか経っていなく、
元々の浸潤癌はルミナルAのかなり大人しいタイプと言われましたが、その取り残しでも
このように急に出てくることはあるのでしょうか?
全摘で浸潤していたしこりの傍でなくても取り残す可能性はあるもなのでしょうか?
全摘での手術直後の局所再発の場合は今後の遠隔での再発の可能性も高くなるのでしょうか?
もし今後の検査・手術・今後の治療を田澤先生にお願い出来るとしましたら最短でどのようなスケジュールとなりますでしょうか?
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「これはやはり局所再発の可能性が高いのでしょうか?全摘でまだ3か月しか経っていな」
⇒実際に診察していないので、勿論断言することはできませんが…
 おそらく違うと思います。
 質問者のおっしゃるように「全摘でまだ3か月しか経っていな」状況で皮膚転移(再発)が起きることは想像できません。
「全摘での手術直後の局所再発の場合は今後の遠隔での再発の可能性も高くなるのでしょうか?」
⇒全く無関係
「もし今後の検査・手術・今後の治療を田澤先生にお願い出来るとしましたら最短でどのようなスケジュールとなりますでしょうか?」
⇒まずは主治医に診察してもらいましょう。