Site Overlay

抗がん剤の種類とその後パージェタについて

[管理番号:8317]
性別:女性
年齢:56歳
病名:
症状:
投稿日:2020年2月23日

今後の治療について質問させていただきます。

浸潤乳癌 0.7㎜ 静脈に入っている
HER2陽性+3 グレード3
ホルモン?
部分切除 腫瘍10㎜ 1個+10㎜以下1個( 同乳腺内)
今年1月手術
2月 抗癌剤点滴開始
当初CEFと言われておりましたが
当日にE(エピルビシン)の代わりに デキサメタゾンとピラルビシンという薬になりました。

一応ピラルビシンついては脱毛がエピルビシンより少ないだけで
効果は同じと説明いただきました。

これは妥当な治療でしょうか?

抗癌剤後はパクリタキセル+ハーセプチンの予定でした。

パージェタの事を知り 私から質問したところ
その場でヤフー検索し条件に合っているので追加しましょう とのこと。

素人(私)の提案→決定にとまどっております。

田澤先生の脈管侵襲についてのご意見は拝読いたしましたが
やはりどうしても転移、再発が恐ろしく
できることは全てやっていきたいと思っておりますが
このまま治療を進めて大丈夫でしょうか?

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「一応ピラルビシンついては脱毛がエピルビシンより少ないだけで
効果は同じと説明いただきました。
これは妥当な治療でしょうか?」

⇒実際に脱毛がエピルビシンより少ないのか(私は)使用経験がないので不明です。
 ただ、通常の臨床試験の殆どはE(エピルビシン)もしくはA(アドリアシン:一般名ドキソルビシン)です。

「このまま治療を進めて大丈夫でしょうか?」
⇒pertuzumabの(術後補助療法としての)適応は添付文章では
 『HER2陽性の早期乳癌の術後患者のうち、再発リスクの低い患者(リンパ節転移のない患者)における本剤の有効性及び安全性は確立していないことから、再発リスクが高い患者を対象とすること』
 ただ、これだと「リンパ節転移陽性でないと適応がない」ように一見見えますが、
ここにはカラクリがあり「参照」として17.1.2 国際共同第III相試験(APHINITY試験)となっています。

 このAPHINITYの対象者が
 HER2陽性(IHC法3+又はFISH/CISH法陽性)の早期乳癌の術後患者(①TNM分類でT0を除くリンパ節転移を有する患者、②原発巣の腫瘍径が1cm超でリンパ節転移を有しない患者、及び③(ⅰ)組織学的/核グレードがGrade3、(ⅱ)HR陰性、(ⅲ)35歳未満のうち、少なくとも1つを満たす原発巣の腫瘍径が0.5cm超で1cm以下のリンパ節転移を有しない患者)となっているため、これらを満たしていれば「リンパ節転移陰性でもOK]というのが現状です。

 ☆質問者の病理の詳細が不明なので、上記を満たすのかは?ですが、主治医と相談するといいでしょう。