[管理番号:6422]
性別:女性
年齢:46歳
田澤先生、大変お忙しい中ありがとうございます。
乳がん告知ごから、乳がんプラザでの先生のご回答やコラム等で勉強させていただき、病気を怖がるだけから前向きに治療を頑張っていこうとひとつ乗り越えることができました。
温存か全摘かで悩んでおりましたが、先生の物事はシンプルに!
早期発見、早期治療のチャンスを無駄にしないように…
術後のフォローをしっかりすればよいのです!
のお言葉を支えに、来週、温存手術をするが決まりました。
画像診断で心配ないだろうと言われても、切除後顕微鏡レベルでのガンの広がり、リンパへの転移というのはやはり調べるまではわからない…
ということですよね。
(Q&Aでも追加切除や全摘手術への変更などになったケース)心配になります。
がんと同じ側に、いくつかしこりがあります。
画像上悪性ではないと組織検査をしていません。
エコーでなにもないといわれている付近が痛むことも多々あります。
4/(上旬)に造影MRI.乳房CT.ペット、5/(中旬)に再度エコーを受けています。
その後、がん化したり、見落としがあったりしないかと…
問題があれば、その時点で指摘され全摘手術を勧められますよね。
温存手術、定期的なフォローで根治をめざせますか?
手術を、決めたのにまだ不安で質問をさせていただきお恥ずかしいのですが、質問の機会を与えていただきありがとうございます。
田澤先生からの回答
こんにちは田澤です。
「エコーでなにもないといわれている付近が痛む」
⇒痛みと癌を結び付ける必要は全くありません。
年齢的にも、卵巣が不安定となり(その刺激で)乳腺が痛むことはありそうですし、特に(乳癌と)告知されると「そのストレス」により、より一層不安定となり乳房痛が誘発されます。(乳癌と診断された多くの女性が、いろいろな部位の痛みを感じて、転移?と不安にあっています)
『今週のコラム 111回目 大事なことは、これら①~④の病気など世の中には無いのです。それは(我々医師には)自明なことなのです。』をご一読ください。
「問題があれば、その時点で指摘され全摘手術を勧められますよね。」「温存手術、定期的なフォローで根治をめざせますか?」
⇒まさに、「その通り」です。
質問者様から 【質問2 温存手術】
性別:女性
年齢:46歳
田澤先生、お忙しい中ご相談のお時間を頂戴しましてありがとうございます。
前回、温存手術直前のご相談時で まさにその通りです! に、安心し無事手術を終えることができました。
画像診断通り、部分切除とセンチネルリンパ節生検では陰性とのことです。
エコーで、CD領域の天井高エコーや血流信号増加なしの不整な5.8ミリ×6.7ミリ×5.5ミリ、内部に1ミリほどのanechoic部分のあるしこり
(カテゴリー3a)と隣接する4ミリのしこりも一緒に切除しています。
組織検査では、ルミナルAでした。
ご質問です
①術後一週間未満、脇から肩甲骨下あたりが腫れてぷくぷくしています。
熱や赤みはありません。
来週後半の傷の受診まで様子見で大丈夫でしょうか。
②悪いところをとってもらい、安心したのですが…病理検査結果や再発・予後など静養していると考え込んでしまいます。
先生のご意見をお聞かせいただければ幸いです。
③傷が落ち着いたら、適度に散歩や運動をはじめて、気分転換したいなと考えています。
散歩OKの目安を教えてください。
田澤先生のコラムから、ジョギング(先生のような本格的ではなくで
す!)が素敵だなと思いました。
四季を感じながらジョギング等で汗を
流せる日が早く来るといいなと願っているところです。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「①術後一週間未満、脇から肩甲骨下あたりが腫れてぷくぷく」
「熱や赤みはありません。」
「来週後半の傷の受診まで様子見で大丈夫でしょうか。」
⇒センチネルだけなので…
リンパ液がそれ程貯まることはないでしょう。
そのままでOK
「病理検査結果や再発・予後など静養していると考え込んでしまいます。」
「先生のご意見をお聞かせいただければ幸いです。」
⇒病理が出てから考えましょう。
「③傷が落ち着いたら、適度に散歩や運動をはじめて、気分転換したいなと考えています。散歩OKの目安を教えてください。」
⇒私は…
術翌日退院。その日から「制限なし(激しい運動は1週間後から)」としています。
散歩して悪い理由は思いつきません。
質問者様から 【質問3 】
術後病理結果後の治療について
性別:女性
年齢:46歳
おはようございます。
田澤先生、お忙しい中いつもありがとうございます。
術後の病理結果がでましたので、ご質問させていただきます。
術前5ミリといわれていましたが、術後腫瘍径1.2cmで落ち込んでいま
す。
マージンは、2センチと聞いています。
田澤先生は、乳頭側に充分なマージンが必要とお話しされていますが、この辺りは不明です。
マージンが
少なければ、再手術などのおはなしがありますよね?
ただ、いつも言葉少ない主治医の先生から、よかったですねと言っていただきました。
センチネルリンパ節転移なし
ホルモン受容体 ER+、PgR+
浸潤性乳がん
グレード2
リンパ管侵襲-
静脈侵襲-
K i67〈10%
HER2陰性0
今後の治療についてですが
放射線治療16回
ホルモン療法は、どちらでもよいがした方がいいと思いますといわれました。
皆さんの結果のような、より詳しいものがございませんが、こんだけの治療や予後について教えていただければ幸いです。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
「ホルモン療法は、どちらでもよいがした方がいいと思いますといわれました。」
→?
どう考えても「ホルモン療法を省略する理由」がありません。
「浸潤系5mm以下」や「高齢」なら、まだしも質問者は(当然)ホルモン療法すべきです。
「皆さんの結果のような、より詳しいものがございませんが、こんだけの治療や予後について教えていただければ幸いです。」
→明らかにルミナールAです。
ホルモン療法だけで遠隔転移再発率は一ケタと思います。(放射線は「遠隔転移再発とは無関係」で、あくまでも「温存乳房内再発のリスク低減」目的なのです)
質問者様から 【質問4 】
今後の治療について
性別:女性
年齢:46
田澤先生、お疲れのところいつもありがとうございす。
放射線治療説明の際、病理結果をいただいたので内容の説明と治療方法をお聞かせいただけますでしょうか。
よろしくお願い致します。
所見
腫瘍は、浸潤性乳がんであり、索状から不整形小胞巣となり増殖を示す。
細胞形態からは、小葉癌が考えられますが、低異型度の硬癌と確定します。
完全切除です。
リンパ節転移陰性です。
浸潤腫瘍長径1.2cm
皮膚浸潤 無し、胸筋浸潤 無し
T クラス1
組織異型度 グレード2&各異型度 グレード1
異型型 2、構造異型 3、核分裂像 〈5/10hpf
腫瘍壊死 無し、脂肪組織浸潤 有
リンパ管侵襲 無し、静脈侵襲 無し
断端 陰性、リンパ節転移 0/1
予後分類1A
追加
ER 70%、PgR 60%、HER2 0、ki67 〈10%
Eーcadherin +、intermediate-strong.〉90%
腫瘍の組織像は小葉癌を思わす像、E-cadherin発現を示す小葉癌との鑑別を要しますが、腫瘍細胞の大半がE-cadherinを発現することにより、
小葉癌類似硬癌と判定します。
上記から、先生ならばどのような治療を今後されますか?
現時点では、放射線を16回+3回が決まりました。
最近は、少し線量を
増やし回数を減らす治療だそうです。
皆さん、25回くらいですと書いていらっしゃいますから、こちらも、大丈夫なのかなと心配があります。
ホルモン療法は、前回田澤先生よりやるべきとお答えいただき主治医にお願いするつもりです。
小葉癌や硬癌など所見にあり気になります…ひとつずつ頑張って根治を目指せますでしょうか。
田澤先生から 【回答4】
こんにちは。田澤です。
物事を(簡単にblack boxへ入れずに)一つ一つ理解して自分で納得して(妥当な)治療をすべきです。
「上記から、先生ならばどのような治療を今後されますか?」
→前回の回答通りです。
前回から変更する要素がありません。
「皆さん、25回くらいですと書いていらっしゃいますから、こちらも、大丈夫なのかなと心配があります。」
→ガイドラインの変更に伴い
江戸川病院でも4月から15回照射を開始しております。(患者さんに30回と15回の2択をしてもらっていあmす)
「小葉癌や硬癌など所見にあり気になります」
→??
気になる理由が全くありません。
ご安心を。
「根治を目指せますでしょうか。」
→前回、遠隔転移再発率を「一けた」といった通りです。
再発率が「一けた」なのに「根治が目指せない」というのは、おかしいと思いませんか?
もう少し、冷静に(時に)客観的に見る必要がありますよ。