[管理番号:4934]
性別:女性
年齢:46歳
このQ&A、いつも読ませていただいております。
昨年3月に右乳房の温存手術をしました。
がんの性質は ER:3b、HER2:1+、PgR:3b、ki67:17.2%
病理検査結果は
進行度:T1cNs0M0
腫瘍の大きさ:周囲の脂肪織に浸潤あり、全体としては26mm
浸潤癌の大きさ:18x18x14mm(T1)
リンパ節転移:センチネルリンパ節 陰性
腫瘍辺縁のリンパ管、静脈侵襲があり、ly2、v1
核異型度:2
切除断端:陰性
でした。
その後、放射線治療を行った後、
タモキシフェンによるホルモン療法を始めたのですが、重い副作用が出てしまいました。
一旦はフェアストンに切り替え、多少症状は軽くなったもののやはり辛かったので、結局は薬を飲むのをやめてしまっていました。
3ヶ月おきに検診をしておりましたが、
今年、6月になってエコー検査により、右乳房の脇の少し上あたりのリンパ節の1つに形状の異常が見つかり、細胞診を行ったところ悪性との結果が出ました。
CT検査も行いましたが、CTでは癌は確認できずリンパの像が少し大きく見える程度でした。
その他の部位にも問題は見つかっていません。
また、腫瘍マーカーも数値に異常はありませんでした。
今後の治療として、
・フェアストンによるホルモン療法を再開
・腋窩リンパ節郭清
ということになりました。
先生にお聞きしたいのは、郭清の範囲についてです。
主治医の先生は第一群は取るべきと考えておられます。
しかしながら、ホルモン療法が効いて、異常のあったリンパ節の癌が抑制あるいは消失した場合には
取るべき範囲は縮小されて当然かと思うのですが、どうお考えでしょうか。
病変のあったリンパ節に関しては切除は当然かとは考えております。
フルート奏者ですので、出来るだけ負担を減らせたらとの思いからの質問です。
どうか、よろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
厳密に言えば再発ではなく、「取り残し」ということです。
○手術時のセンチネルリンパ節生検で「誤ったリンパ節をセンチネルリンパ節として転移無しとしてしまったため」取り残された「転移性リンパ節がゆっくり増大してきた」という解釈となります。
♯実際には「今回のリンパ節が本物のセンチネルリンパ節だった」ということです。
「病変のあったリンパ節に関しては切除は当然かとは考えております。フルート奏者ですので、出来るだけ負担を減らせたらとの思いからの質問」
⇒これはエコー所見次第です。
本当に、「そのリンパ節のみが(エコー画像上)怪しい」のであれば、(ご本人の希望があるのであれば)「そのリンパ節+α」に留めるべきでしょう。
♯つまり”開けてみて”「他に硬いリンパ節が無ければ、そのリンパ節のみの摘出」でもOKということです。