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オンコタイプDX

[管理番号:6073]
性別:女性
年齢:35歳

 
 

質問者様の別の質問

新たな管理番号としました。

質問者様の別の質問は下記をクリックしてください。

管理番号:7268「肋骨下の痛み

 
 

 
記事を読ませていただいております。
お忙しいところ恐縮ですが、質問させてください。
既婚、子供なし、会社員です。
 
◆ここまでの流れ
2017.10 健康診断で腫瘤疑い
2017.11 右乳がん診断
2017.12 温存手術、センチネルリンパ節生検
2018.1 妊孕性温存のため受精卵凍結
 
◆術前検査の結果は以下の通りです。
腫瘍径13mm
ER92%、PgR72%
Ki67 59%(簡易検査では90%以上)
HER2 陰性
サブタイプ ルミナールB
 
◆術後病理検査の結果は以下の通りです。
充実腺管癌
浸潤径 7×5mm
波及度 g
乳管内進展+
核異型度 2 核分裂像3 核グレード3 ly0 v0
リンパ節転移 陰性(0/1)
 
術前検査で、Ki67が高いため抗がん剤治療が有効なのでやることになる
と言われており、覚悟しておりました。
術後の病理検査の結果、主治医の先生からこの結果だと抗がん剤治療の上乗せ効果が5%以下の可能性があり、それでも良ければこのまま抗がん剤を受ける、できれば抗がん剤をやりたくないということならオンコタイプDXを受けてみてはどうかというお話があり、受けることにしました。
 
◆質問
①Ki67がこれだけ高くてもオンコタイプDXの結果が低リスクで出ること
もあるのでしょうか。
101回目のコラムを拝読しましたが、41以上の中で低リスクだった方はやはりその中では数値が低い方ですか?
 
②ki67が非常に高く、核グレード3、抗がん剤治療を拒否していない状況で、この検査を進められるというのはどういう理由からだと考えられますか?
(先生の過去の記事ではki67は20から40のグレーゾーンの場合にオンコタイプDXを受けると記載されていて、そこに該当しません)
今週のコラム 101回目 (Ki67が20代はluminal Aの可能性が圧倒的に高く)本当に「Aなのか、Bなのか迷うのは30代以降」と言えるのです。
お考えをお聞かせいただけるとありがたく存じます。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
 
pT1b=7mm 完璧な早期癌(しかも超早期)です。
担当医には、「この程度の癌で抗癌剤が必要? 一昔前だったら抗がん剤の’この字’もでなかったよねぁー」が有りそうです。
 
「①Ki67がこれだけ高くてもオンコタイプDXの結果が低リスクで出ることもあるのでしょうか。」
⇒確率的には(その可能性は)低いと思います。
 
「101回目のコラムを拝読しましたが、41以上の中で低リスクだった方はやはりその中では数値が低い方ですか?」
⇒高くはありません。
 
「この検査を進められるというのはどういう理由からだと考えられますか?」
⇒冒頭でコメントしたように…
 我々乳腺外科医には「超早期癌に抗癌剤は…」的な思考が染みついています。(だから、リンパ節転移があるとルミナールAでも「抗癌剤無しでいいよ」とはっきり言えずに「モゴモゴ」してしまう医師が多いのです)
 
 

 

質問者様から 【質問2 オンコタイプDX】

性別:女性
年齢:35歳
 
田澤先生、先日は質問へのお返事をいただき、
ありがとうございました。
 
オンコタイプDXの結果ですが、
31でやはりハイリスクでした。
抗がん剤治療を上乗せすることで8%ほど
再発率を下げられるということで、
主治医は絶対に抗がん剤を受けないといけないわけではないし価値観にもよるが、8%が大きいと思えばやったほうがいいと思うとおっしゃっていて、受けようと考えております。
そこでまたいくつか教えていただきたいことがございます。
 
◆質問
①腫瘍径5mm以下では抗がん剤はしないという
コメントを拝見しました。
私の場合7mmで小さめのため、抗がん剤の効果が低くなってしまうことはあるのでしょうか?
すでに体の中に散っているがんの悪性度が高いので、それを死滅させるために抗ガン剤治療をすれば腫瘍サイズに関係なく効果が見込める、と考えてよろしいのでしょうか?
 
②先生でしたら私のような場合、抗がん剤治療をおすすめされますか?
おすすめされる場合はTC療法になりますでしょうか?
 
③ステージⅠの中でも再発しやすいということなのでしょうか?
腫瘍径が考慮されていないとはいえ、オンコタイプの結果、ホルモン治療単独の場合10年再発率が21%と思っていたより高く、ショックを受けてしまいました。
④ki67が59%の場合、7mmの腫瘍ができるまでどのくらいの時間がかかるものなのでしょうか?遠隔転移する場合は増殖能が高い分、比較的早く出てくる場合が多いのでしょうか?
気のせいなのかもしれませんが、ここ数日鎖骨の痛みや息苦しさを感じます。
 
長々と申し訳ありません。
どうぞよろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
 
「抗ガン剤治療をすれば腫瘍サイズに関係なく効果が見込める」
⇒そう考えます。
 
「②先生でしたら私のような場合、抗がん剤治療をおすすめされますか?
おすすめされる場合はTC療法になりますでしょうか?」

⇒その通りです。
 
「ホルモン治療単独の場合10年再発率が21%と思っていたより高く、ショックを受けてしまいました。」
⇒その替り、抗癌剤をすれば再発率は13%となるわけですよね?
 同じ8%の上乗せといっても
 再発率が50⇒42よりも21⇒13の方が効果が高い(前者が「再発率16%低下」に比べ、後者は「再発率39%低下」となり倍以上の効果と言えるのです)
 
「④ki67が59%の場合、7mmの腫瘍ができるまでどのくらいの時間がかかるものなのでしょうか?」
⇒Ki67とは無関係ですが(考え過ぎです)…
 一般に癌は5年位かけて大きくなります。
 
「遠隔転移する場合は増殖能が高い分、比較的早く出てくる場合が多いのでしょうか?」
⇒「増殖能」と「転移能」は全く別物(別概念)です。
 
「気のせいなのかもしれませんが、ここ数日鎖骨の痛みや息苦しさを感じます。」
⇒気のせいではなく…
 ホルモンが不安定となっているのです。(くれぐれも転移とむすびつけないように)

 
 

 

質問者様から 【質問3 骨の痛み】

性別:女性
年齢:36歳
病名:乳がん
症状:骨の痛み

田澤先生、こんにちは。

以前6073でオンコタイプDXについて質問させていただいた者です。

右乳がん温存手術後、オンコタイプハイリスクで、5月にT C療法、8月に放射線が終わり、
現在タモキシフェン服用とリュープリン注射をしています。

12月初めから、身体を横に反らすと右腰骨の1番高いところ(骨盤の飛び出している部分)が鈍く痛むというあまり経験のない症状が続き、骨転移を心配しておりました。

さらに元旦にには、術側の胸全体が熱をもって真っ赤に腫れてしまいました。

炎症性乳がんではないかと、あわてて乳腺外科を受診したところ、血液検査で軽い炎症反応がでたということで抗生剤を処方され、結果数日で赤みはひきましたが、主治医も原因は分からないとのことでした。

腫瘍マーカーは変化なしでした。

そして、1月15日から現在まで、座ると両側臀部に嫌な感じの鈍い痛みがあり、仰向けでも痛むのでやはり骨転移なのではと気持ちが沈んでいます。

主治医に伝えたところ、関節の痛みではないか、様子をみるようにと言われました。
(私は中学生から側弯症で、同じ病院の整形外科にもかかっています。)

質問1
田澤先生はこの状態ではどのような検査をされまふか?
昨年6月末に肋骨の痛みがひどく骨シンチ、10月に側弯症の定期検査で首から腰までのレントゲンを撮りました。

質問2
化学療法後8ヶ月での骨転移となると予後は悪いでしょうか?
他の方の質問でルミナールタイプは2年以内の再発は稀と書かれているのを拝見しました。

質問3
胸の赤みは遠隔転移や再発、または炎症性乳がんの予兆ということはありますでしょうか?

教えていただけるとありがたく存じます。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。

「質問1 田澤先生はこの状態ではどのような検査をされまふか?」
→痛い部位の「単純レントゲン」です。(全身がどうしても気になるというのであれば、骨シンチしてもいいでしょう)

「化学療法後8ヶ月での骨転移となると予後は悪いでしょうか?」
→考えすぎ。

「胸の赤みは遠隔転移や再発、または炎症性乳がんの予兆ということはありますでしょうか?」
→ありません。

 明らかに(温存術後の)「蜂窩織炎」です。
 頻度は多くはありませんが、術後照射もしているので皮膚の抵抗力が弱っているので皮下組織全体が炎症を起こすことがあります。(通常、抗生剤内服+冷却で改善します)

 まず改善した時点で癌が原因でないことは「一目瞭然」となります。(炎症性乳癌は抗がん剤でもしない限り、進行するだけです)

 
 

 

質問者様から 【質問4 骨転移について】

性別:女性
年齢:36歳
病名:乳がん
症状:

先日骨転移についてご相談したものです。

質問のお返事をいただき、ありがとうございます。

早速近所の整形外科を受診してレントゲンをとっていただきました。
レントゲンで見る限り、転移の兆候はないとのことですが、小さな転移は見つけられないので、MRIをとらないと分からないと言われました。

受診したときは左の臀部と右の腰骨が痛かったのですが、今は右の臀部が痛んだり痺れたりしていて、最初は座っているときに感じていた痛みが日に日にひどくなっていて、座っていなくても痛みを感じることが出てきました。

質問1
痛みがなくなっていないからには、MRIを撮影していただいた方がよろしいでしょうか。
もしくは乳腺外科でご相談して骨シンチがいいでしょうか?

質問2
骨転移の場合、痛みを感じるのは進行してからですか?腫瘍マーカーも変化しない、レントゲンにもうつらない小さな転移の段階から痛みが出ることもあるのでしょうか?

教えていただけるとありがたく存じます。

よろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。

「レントゲンで見る限り、転移の兆候はないとのことですが、小さな転移は見つけられないので、MRIをとらないと分からない」
→それ(MRIでしか解らないような小さな転移も存在する)は、その通りですが、それは同時に「痛みの原因は骨転移ではない」ことも表しています。

「質問1 痛みがなくなっていないからには、MRIを撮影していただいた方がよろしいでしょうか。」
→整形外科医が痛みの治療を考える上で、必要なら受けるといいでしょう。(MRIでも所見が無ければ、それではその痛みは何が原因なのか?一歩進むことができます)

「もしくは乳腺外科でご相談して骨シンチがいいでしょうか?」
→「痛みの原因が骨転移ではない」ことが解った以上、骨シンチをする理由が無いと思いますが・(どうしても気になるなら撮影しましょう)

「質問2 骨転移の場合、痛みを感じるのは進行してからですか?腫瘍マーカーも変化しない、レントゲンにもうつらない小さな転移の段階から痛みが出ることもあるのでしょうか?」
→それはありません。