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乳腺腫瘤検出後の今後の検査について

[管理番号:3850]
性別:女性
年齢:30歳
妻が健康診断の乳腺エコーで腫瘤が見つかり、ぜひ先生に相談したく存じます。
年齢:30歳
体型:太っている
出産経験:なし(流産1回)
経過は以下の通りです。
9/(上旬) 健康診断実施
9/(下旬) 健康診断結果受領、右乳腺腫瘤陰影にて要精密検査
9/(下旬) エコーの結果説明書受領、マンモグラフィ実施
9/(下旬) マンモグラフィ結果受領(これといった追加情報なし)、細胞診実施
10/(中旬) 細胞診結果説明受領
エコーと細胞診の所見は以下の通りです。
<実施エコー所見>
場所:右乳10時方向
大きさ:16.9mm×14.8mm×11.6mm
形状:分葉形
内部エコー:低 均質
境界部:平滑
halo:ー
境界線断裂:―
後方エコー:増強
縦横比:高
技師判定:充実性病変
<細胞診所見>
「間質成分を背景に、軽度の核腫大、核形不整を示す導管上皮細胞を筋上皮を伴う集塊で認める」「良性変化を推測するが、経過観察を勧める(クラス3a)」
主治医からは3か月毎のエコーによる経過観察を勧められました。
妻がくすぐったがりで、エコーや触診の体動が大きいため、
お医者さまは「針生検は全身麻酔でないと難しいかもしれず、そう何度も全身麻酔するわけにはいかないので、
この細胞診結果では針生検よりエコーによる経過観察を勧める」とのことでした。
確かに、針生検→切除となるとそれだけでも2度の全身麻酔となれば侵襲もあると思うので理解できるのですが、これで大丈夫でしょうか。
「最初から切除生検した方がよい」ということはないでしょうか。
クラス3aでもがんの場合もあることや、場合によってはがんより恐ろしいという葉状腫瘍を危惧しております。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「17mm」「分葉状腫瘍」「縦横比が大きい」
⇒上記key wordからは是非「確定診断が望まれる」状況です。
其の医師は「全身麻酔でないと針生検はむずかしいかもしれない」などと言っていますが…
馬鹿馬鹿しい話です。
細胞診ができたわけですから、「針生検が(普通に局所麻酔で)できない」などということは想像もできません。
是非、針生検すべきです。
「確かに、針生検→切除となるとそれだけでも2度の全身麻酔となれば侵襲もあると思うので理解できるのですが、これで大丈夫でしょうか。」「最初から切除生検した方がよい」ということはないでしょうか。」
⇒針生検に全身麻酔など不要です。
 普通に「針生検すべき」です。
「クラス3aでもがんの場合もあることや、場合によってはがんより恐ろしいという葉状腫瘍を危惧しております。」
⇒(本当は)癌なのに、細胞診でクラス3aしか出せないような(精度の低い)医師はそれ程多くはないでしょう。
(通常はクラスⅤ、最低でもⅣを出せないようでは乳腺外科医としての資質に問題があります)
 
 普通に考えれば(画像所見を見ていませんが)「乳管内乳頭腫」や「葉状腫瘍」
「線維腺腫」などが鑑別に挙がります。
 どちらにしても「組織診が必須」なのです。