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乳管内乳頭腫

[管理番号:8205]
性別:女性
年齢:48歳
病名:乳管内乳頭腫
症状:乳頭からの血性分泌液

先生初めまして。

私は10年間前より左胸乳首の一箇所から分泌液が出ています。

液の色は半透明で、絞り忘れると、血性になるを繰り返していました。
診断名は乳管内乳頭腫と言われて様子を見ていました。

それが、先月から様子が変わりました。

ずっと鮮血が続いています。

しかも、量がかなり多くお風呂上がりにはなかなか止まらず、下を向くと、したたり落ちる位になっています。
先生からはエコーで診ても診断がつきにくいので、MRI検査をすすめられ受ける事にしました。

先生には検査は他にはなく、様子をみるか切除をするかだと言われました。

私もこんな状態が続くのは不安ですし、切除して病理検査を受けようかと思っていますが、その際に広がりが大きくて胸がなくなってしまうのではないかと不安になっています。

先生ならどの様な検査をされますか?
また一旦出血量が増えたのが、減ったり透明に戻ったりはしますか?

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「ずっと鮮血が続いて」「しかも、量がかなり多くお風呂上がりにはなかなか止まらず、下を向くと、したたり落ちる位」
→この状態で(例え良性だとしても)経過観察は不適切。(問題の解決になりません)

「先生からはエコーで診ても
診断がつきにくいので、MRI検査をすすめられ」

→MRIを診断目的で使用する医師が多いことには辟易します。

 何の解決にもなりません。

「先生ならどの様な検査をされますか?」
→乳管造影した上で(広がりを確認し)乳管腺葉区域切除します。

「また一旦出血量が増えたのが、減ったり透明に戻ったりはしますか?」
→誤った考え方です。

 せっかくの「サイン」なのだから、それを「見て見ぬふり」をしても問題の解決には決してなりません。

〇重要な情報である「エコー所見があるのか?」が抜けていますが…
 文面からすると(その医師が乳管内乳頭腫と診断していることからは)エコーで「しこり」があるのだと「想像」します。
 ただ、その「しこり」が良性所見(癌を積極的には疑わない)であるため、無意味な経過観察をしているのだと(これも)「想像」します。

 分泌液量が増えていることは、「いよいよ」乳管内病変からの分泌である「動かぬ証拠」であり、その病変(良性であれ、悪性であれ)が乳管内を拡がっている可能性を考えるし、
 血性になっていることは、その腫瘍が出血しやすい(崩れやすい)ことを示唆しています。

 無意味な経過観察の後に、「非浸潤癌が拡がり、そしてやがて浸潤する」というnegativeなstoryとならないことを願います。