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乳ガン疑わしい

[管理番号:6878]
性別:女性
年齢:45歳
病名:
症状:胸の硬いしこり

45歳(既婚)の女性です。
もともと乳腺症で、健康診断を受けると乳ガン検診で経過観察や再診になることもありました。

今年も4月(下旬)日に健診を受け、マンモグラフィーと触診を受けました。
結果はカテゴリー1の異常なし視触診、左異常所見なしでした。
昨年5月にはエコーと触診を受診し、エコーは左右正常範囲内、視触診、右異常所見なし・左硬結でした。

しかし、9月末日入浴中に右胸乳輪すぐ左下辺りに硬いしこりを発見し、翌日に健診を受診している病院(以前再診も受けた)へすぐに行きました。
ですが、乳腺外来が完全予約制になったとのことで診てもらえず、10月(中旬)日に予約をとり、(中旬)日に受診して来ました。

マンモグラフィーは4月に撮っているのでエコーを撮ってきてくださいと言われました。

撮影最後に先生が呼ばれ、エコーを見て「大だね~」と言って去っていきました。

その後、診察室に呼ばれ「なんで4月の健診でエコーを受けなかったの???」と言われてしまいました。
画像を見せられ、触診してから「今までの健診での写真を確認したが、今回の場所のしこりは初めてで、形もいびつだからコアニードルをして細胞を病理診断します」と言われてしまいました。
自分でさわると表面はゴツゴツしていて消ゴムに膜がついている感じ?です。

ガンの可能性はどのくらいですか?と聞いたところ「聞かない方がいいんじゃない?」と
いわれましたが教えてくださいと頼むと「半々かな?五分五分だね」と言われました。

「そんなに落ち込まなくても腫瘍はさわると大きく感じるけど、周りとくっついているだけでしこりそのものは15mmでステージ1だと思うよ。肺や骨とかの転移を調べないとはっきりとは言えないけど。
病理診断をすれば治療方法とかも方向性が決められるしね」とも言われました。

その後血液検査をして帰宅しました。
(中旬)日にコアニードルの検査をし、(下旬)日に結果を聞くための予約をとってきました。

今はとにかく不安です。
4月にエコーは受けなかったけれども、マンモグラフィーと触診は受診し異常なしだったのに、半年もたたずに15㎜のガンが見つかるなんてあるのでしょうか?(昨年のエコーは正常範囲内)
もしガンだとすると進行ガンの確率が高いのでしょうか?担当医の先生の確率五分五分と言う言葉も気休めにしか聞こえず、既に先生の中ではガンの確信があるのでは?と思ってしまいます(担当医の先生は乳ガン専門医です)

補足
4月の健診では腫瘍マーカーもやりました。

CEA・AFP・CA19-9・シフラすべて正常値でした。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

メール読みました。
(質問者が「勘違い」されているであろう)2つの重要なことを指摘しておきます。

1.乳癌の早期発見は(マンモではなく)エコーです。
2.乳癌の診断時に腫瘍マーカーが上がることは100000%ありません。

1について…
この医師のコメント『なんで4月の健診でエコーを受けなかったの???』で、解ると思いますが…
最強の検査はエコーなのです。4月にエコーしていれば間違いなく(当然、現在よりは小さいとは思いますが)シコリは認識された筈です。 『今週のコラム 150回目 ★最良の検診が「半年に1回のエコー」であることは間違いありません。』をご参照のこと。

2について…
 腫瘍マーカー(CEA, CA15-3)は乳癌の診断には全く無意味です。(全ての症例で正常であり、当院ではそもそも検査しません)
 「それでは腫瘍マーカーはいつ上がるの?」
 そう疑問になる方もいることでしょう。

 答えは…
 「(全身のどこかに)再発したとき」となります。(つまり、腫瘍マーカーの役目は「術後の遠隔転移再発の監視」なのです)
  ちなみに、局所再発では腫瘍マーカーは上がりません。

「4月にエコーは受けなかったけれども、マンモグラフィーと触診は受診し異常なしだったのに、半年もたたずに15㎜のガンが見つかるなんてあるのでしょうか?(昨年のエコーは正常範囲内)」
⇒勘違いに気付きましたか?

 「マンモと触診で異常なし」など、何の参考にもならないのです。(当然、この時点でエコーしていれば「シコリはあった」のです)
 ★実際は…
  昨年のエコーで正常範囲内というものだけが参考となります。
  「昨年のエコーで正常範囲内」といっても実際には5mm程度の所見はあったのでしょう。

「もしガンだとすると進行ガンの確率が高いのでしょうか?」
⇒常識的に考えましょう。

 いくら「マンモが頼りにならない」とはいえ…
 「進行がんが解らないほどではない」のです。(その医師がいうように「1期だと思うよ」が正解です)
 ご安心を。

 
 

 

質問者様から 【質問2 ルミナルAもしくはB】

性別:女性
年齢:45歳
病名:浸潤性乳管癌(硬癌)
症状:

先日乳ガンの疑いで右胸の生検をうけて不安の中質問させて頂きました。

質問させて頂いてからは乳ガンプラザを暇さえあれば読ませて頂いて、田澤先生の力強いお言葉にどれだけの人がすくわれたのだろうと思っております。

結果が10月下旬にでまして、乳ガンが確定しました。
検査をうけた病院では治療は一斉し
ていないとのことで、市内の国立総合病院を紹介されました。

11月(上旬)日に紹介先の病院で初診をうけ、しこりサイズは16㎜×12㎜、脇の明らかなリンパの腫れは無し(エコーでの)なので、現時点はステージ1とのことでした。
また生理1週間前で乳腺がパンパンに腫れていて、左胸にも少し怪しいところがあると言われました。

マンモグラフィーも撮りましたがとにかく乳腺が発達していて、マンモもエコーもとても見つけにくい?タイプの胸でデンスブレストだと言われました。
なのでこのサイズで見つかったなら良いのではないかとも…
その時はまだ病理検査の結果が届いてなく(検査をした病院から届いてないとのこと)
本日、CT・骨シンチ・心電図・胸部X線を受けてきました。
診察も受けてきました。
病理検
査の結果も出ておりまして、エストロゲン7+ともうひとつが8+、HER2-、ki67は検査していないとのことでした。
浸潤性入菅癌Tic No Mo ステージ1とのことです。
術後の病理結果とリンパ節転移によっては抗がん剤もするかもしれないとのお話です。

手術は最短で12月(下旬)日、乳頭のすぐしたにしこりがあるのが気になるが部分切除での手術になる。
MRIの結果を見て乳頭も切除するかどうかを考えましょうと言われました。

また生理周期がここ何年か早く(23日~28日、だいたい26日周期)レバーのような塊が沢山出ると話たところリュープリンをしておきましょうとのことで注射をしました。

以上が今日までの内容です。

1・術後に抗がん剤適用になった場合はルミナルA→Bへ変更でよろしいのでしょうか?

2・先週から昨日まで(本日生理1日目)胸がずきずきと痛み、特に癌のある右胸の乳頭から奥への痛みが強く感じられました。
これはストレスによるもので癌とは関係ないと思って良いのでしょうか?今日はそれほど痛くありませんが、まだ全体がズキッとする事があります。

3・しこりに気づいてから手術まて3ヶ月も空いてしまいます。その間に今はないと思われるリンパ節転移をしたりしないのでしょうか?

4・リュープリンを術前に使う事は標準治療なのでしょうか?

5・かなりの高濃度乳腺でマンモもエコーも見づらい中でこのサイズで見つかった(しこりが触診でわかりやすいところだった)のはラッキーだったのでしょうか?
毎年きちんと健診を受けていたのに結局自己触診で見つけたのがどうしてもすっきりしません。
もし奥の方にできていればわからずそのままだったかと思うと恐ろしくなります。

6・2歳下の妹がおります。
姉妹が乳ガンになると遺伝性の可能性もありますか?
(私以外は血縁者に乳ガンは知る限りいません)乳ガン健診は半年に一回をすすめたほうが良いのでしょうか?

7・担当医の先生は「ルミナルAが一番予後も良いしとりあえず良かったね。」と言われましたが、抗がん剤が効かないとなると現時点ではわからない身体中にとんだ癌細胞をやっつけられないと言うことになるのでは?と心配です。

文がまとまらず申し訳ありません。

よろしくお願いします。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

「術後の病理結果とリンパ節転移によっては抗がん剤もするかもしれないとのお話」
→リンパ節転移は全身療法(抗がん剤とかホルモン療法など)とは無関係です。

「1・術後に抗がん剤適用になった場合はルミナルA→Bへ変更でよろしいのでしょうか?」
→??
 そもそもKi67を測定していないのに「現時点でルミナールA」と判断している根拠が全くありません。

「2・先週から昨日まで(本日生理1日目)胸がずきずきと痛み、特に癌のある右胸の乳頭から奥への痛みが強く感じられました。これはストレスによるもので癌とは関係ないと思って良いのでしょうか?」
→勿論、癌とは無関係(10000%間違いありません)

 ただリュープリンの影響もありそうです。(リュープリンにしろ、ストレスにしろ、それが卵巣に影響を及ぼすことによるホルモンの刺激症状であることには変わりはありませんが…)

「3・しこりに気づいてから手術まて3ヶ月も空いてしまいます。その間に今はないと思われるリンパ節転移をしたりしないのでしょうか?」
→3か月程度なら「常識的な範囲内」です。 (絶対に無いとはいいませんが)

「4・リュープリンを術前に使う事は標準治療なのでしょうか?」
→違います。

「5・かなりの高濃度乳腺でマンモもエコーも見づらい中でこのサイズで見つかった(しこりが触診でわかりやすいところだった)のはラッキーだったのでしょうか?」
→早期乳癌で見つかったのだから、そう思います。(検診には限界があります)

「姉妹が乳ガンになると遺伝性の可能性もありますか?」
→今、乳癌がどのくらいいらっしゃると思いますか??

 そんなことで「遺伝性乳癌を疑う」理由は全くありません。

「乳ガン健診は半年に一回をすすめたほうが良いのでしょうか?」
→普通に、1年に1回です。

「ルミナルAが一番予後も良いしとりあえず良かったね。」
→??
 Ki67を測定していないのに「ルミナールA」と判断している根拠は??(全く理解できません)