[管理番号:2594]
性別:女性
年齢:66歳
初めて質問させていただきます。
2009年9月左乳がん(T2pNO)の手術をおこないました。
皮下乳切+SNB
scirrhous carcinoma, 25mm,f(+),lyo,v(-)
HG2,NG1,ER+(TS4),PgR-(TSO),HER2 0,n(-)
術後療法 FEC療法 AEにて1コースのみで中止、
LET 2010年4月~2014年12月
2016年2月左腋窩組織切除
免疫染色 ER 2(PS1+IS1)陽性細胞はごく少量
PR 0
HER20、Ki67:8%程度
E-cadheirn(+90%程度)、
34BE12(+cytomembrane,30%程度
リンパ節 Level I+II+III(5/15)7mm
周囲脂肪組織に浸潤あり
コメント 左腋窩3片中1個に腫瘍が見られる。
リンパ節構造の遺残を伴って腫瘍の増生がみとめられる。
以上の結果でした。
今回はトリプルネガティブとし
て抗がん剤と放射線治療をする予定です。
3つ先生にお聞きしたいと思います。
1.エストロゲンの値はマイナスと考えてホルモン療法は全く効かないのか
2.私のようなケースの場合、抗がん剤は何を使用し何クール行うのか
3.Ki67値が8%で抗がん剤の効き目があるのか
以上先生のご判断をお聞かせ願えれば幸いです。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
術後7年での「腋窩再発」ですね。
其の当時の「センチネルリンパ節生検の精度」が問題となります。
2009の標本の「ER+(TS4),PgR-(TSO),HER2 0」と今回の標本の「ER 2(PS1+IS1)陽性細胞はごく少量 PR 0 HER20」は非常に酷似しています。(再発病巣だから当然なのですが)
「1.エストロゲンの値はマイナスと考えてホルモン療法は全く効かないのか」
⇒1%でも陽性であれば、「効果を期待」します。
抗ガン剤や放射線が終了したら、(何もしないよりも)「ホルモン療法を継続していく」方がいいと思います。(レトロゾールは止めてフルベストラントなどへ変更)
「2.私のようなケースの場合、抗がん剤は何を使用し何クール行うのか」
⇒抗がん剤の基本は「アンスラサイクリン」と「タキサン」です。
術後補助療法として「FECがAE adverse eventで1回で終了」していることをどう考えるかです。
まずは「最も副作用がなく確実に完遂できる治療」としてweekly PTXを12回(毎週投与12回連続で3カ月間)
その後「アンスラサイクリン」として「EC」を可能ならば4回(前回、有害事象で中止となっているようなので8割量で)
「Ki67値が8%で抗がん剤の効き目があるのか 以上先生のご判断をお聞かせ願えれば幸いです。」
⇒確かに「抗ガン剤が著効」ということは無さそうです。
その意味では局所療法「手術+放射線」が鍵となります。
ただ、これからのことを考えれば「やるべきことはやる」というスタンスがいいと思います。