[管理番号:1501]
性別:女性
年齢:45歳
初めて質問させていただきます。
先日、人間ドックのマンモグラフィーで、石灰化と小さな腫瘤(8ミリ)位
が見つかり、精密検査を受けました。
麻酔をし、生検?(バチンという大きな音がしてました)した結果、癌と診断されました。ステージ0で、通常であれば、温存で十分ということでしたが、家族歴を問われたので、家族に乳がん患者がいたことを話すと遺伝子検査をするように勧められました。検査結果遺伝性が考えられるならば、全摘を勧めます。とのことでした。
ちなみに、すべて母方ですが、祖母は44歳で乳癌に、叔母が54歳で乳癌
に、もう一名叔母が49歳頃に乳癌と卵巣癌にかかっています。
今回の結果説明では、癌についての詳しい説明もなく、血液検査結果についても何も話していただいていません。詳しい説明が無いことからも、この先生に任せて良いものか不安に感じております。
私の考えとしては、子どもへの心的影響も考え、今回の癌治療が温存で十分であれば、できればその方向で手術を受けたいと思っており、遺伝子検査も必要無いのではないかとも考えております。
また、温存した場合の再発リスクと全摘した場合の精神的肉体的リスクを考え、どちらが良いのか、とても悩んでおります。
温存のリスクは、そんなに高いのでしょうか?遺伝子検査は受けた方が良いのでしょうか?
また、セカンドオピニオンをお願いするとすれば、いつ医師に言えばいいのでしょうか?
次回は、遺伝子検査用のカウンセリングを予約しているので、その時もう少し詳しい説明をお願いしようかとは思っております。
もしお構いなければ、その時に何を聞けば良いのかも教えていたでけるとありがたいです。
とりとめの無い文章で、申し訳ありません。どうぞよろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「すべて母方ですが、祖母は44歳で乳癌に、叔母が54歳で乳癌に、もう一名叔母が49歳頃に乳癌と卵巣癌にかかっています」
⇒「乳癌と卵巣癌」となっている方がいらっしゃるので「家族性乳癌の可能性」は考えなくてはなりませんが、「遺伝子検査をうけるか」は全く「個人の自由」です。決して強要されるべきものではありません。
「温存のリスクは、そんなに高いのでしょうか?」
⇒凄く高い訳ではありません。
温存乳房内再発率は「非遺伝性」が11%に対して「遺伝性」は17%となります。
○それよりも「注意すべき」は「対側乳癌」です。
「非遺伝性」では7%に対し「遺伝性」では24%と「ここが一番問題」となります。
その意味では術式として「乳房切除にこだわる」よりは「対側乳癌に気を付ける」方が余程重要となります。
「遺伝子検査は受けた方が良いのでしょうか?」
⇒全くの自由意志です。
日本の保険では「予防的(対側)切除」は認められていません。
その意味では「遺伝性」と解ったからといって「それ程の意味」がある訳ではありません。
「対側乳癌」や「卵巣癌」への注意を怠らなければ、「敢えて、知る必要は無し」と言う考え方は当然あります。
「また、セカンドオピニオンをお願いするとすれば、いつ医師に言えばいいのでしょうか?」
⇒今でしょ。(ふざけている訳ではありません)
「術式決定」を行っている「今」こそ、納得のいく診療をもとめてください。「セカンドオピニオン」してください。
「もしお構いなければ、その時に何を聞けば良いのかも教えていたでけるとありがたいです」
⇒遺伝子カウンセリングは「遺伝子検査をおこなうべきか、どうか」の相談です。
「遺伝子検査を行う事によるメリットとデメリット」について聞いてください。