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乳癌とコレステロールの関係性

[管理番号:7373]
性別:女性
年齢:54歳
病名:浸潤性乳管癌
症状:

3月中旬の確定診断後、乳癌について全く知識が無く、
色々調べていくうちに田澤先生の乳がんプラザにたどり着きました。
それ以来、Q&Aやコラムで勉強させて頂いております。

二件気になっている事がありご質問させて下さい。

あるサイトでコレステロールと乳癌の関係性について書いてあるものを読みました。

現状
4月中旬に温存手術を行い病理結果は今月末に分かりますが、術前はホルモン陽性、ハーツ陰性、ki低で閉経後の為、アロマターゼ阻害薬と放射線の予定となっています。

(病理診断の結果で変更あり)

副腎が関係するものを薬で抑え、女性ホルモンに変化させないようにする事は理解できるのですが、
(私はコレステロールの数値がかなり高く、おそらく遺伝性かと思いますが詳しく調べていません。)
コレステロールからも乳癌になると書かれている論文を読み不安になっています。

アロマターゼ阻害薬を使えば、コレステロールの影響からくるリスクもブロックできるのでしょうか。
もし出来ないのであれば、コレステロールが関係する乳癌のリスクを抑えられる治療方法を教えて頂けますか。

もう一件、放射線治療について新しい機械では毎回CTを撮るようですが、15~25回毎日乳腺以外の腹部全体にも浴びる事になりますが体への影響はどのくらいありますか。

途中転院した事もあり重複して様々な検査をしているので放射能の蓄積に対しても不安になっています。

よろしくお願いします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「コレステロールの影響からくるリスク」
→考えすぎ。
 些末な情報に引っ張られないように注意してください。

「体への影響はどのくらいありますか。」
→それは問題ありません。(放射線科医に確認したので安心してください)

 
 

 

質問者様から 【質問2 】

グレードの違いについて
性別:男性
年齢:54歳
病名:乳癌管癌
症状:

田澤先生、先日はお忙しい中
早々にQ&Aの回答を頂きまし
てありがとうございました。

先日病理結果が出て分からな
い事があり再度ご質問させて下さい。

顔つきで言われている『グレード』が2種類ある事を今回初めて知り、こちらのQ&Aで検索し田澤先生は核グレードの方を重要視するとの回答を読みました。
核グレードと病理学的グレードの違いは線管形成スコアの違いになるようですが、私の場合術後
TF3.AT2.
MI1→ HG2、術前は核グレードのみで結果は足して3のグレード1でした。
術後の病理
学的グレードが上がったのは線管形成スコア3のせいかと思いますが、①そもそも線菅形成とはどういったものでしょうか。
②グレードの種類が各機関で統一されていないのはどういった理由があるのですか
③田澤先生が核スコアの方を重要視する理由を教えて下さい。

レンズによって見え方が違うのか、双方のスコアのカウント数も異なるような文章を読みました(核スコアの方が厳しめ?)。
④病理学的の方は、核スコアを緩くカウントしているので、線管形成スコアを入れて同等にしているのでしょうか。
今でもそれぞれの担当者が目で見て数えているのであれば、kiも含めて担当者によって結果にばらつきがでる可能性もあるように思いますし、先生がグレードは参考程度にと言われているものも読みましたが、自分の現状を把握したいので是非教えてください。

もう一件、センチネルリンパ生検をする際、事前に注射をすると思いますが、注射は腫瘍の近くに打つのが標準ですか。
私は乳首の上下に2回打ちましたが腫瘍はB群の下にあり、リンパ節とも離れているのでセンチネル生検が正しくできているのが不安になっています。
断端もリンパ節、
ly,v,もマイナスでしたが放射線はこれからなので追加照射の事も考えています。

以上です。
よろしくお願い致します。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

最初にお断りしますが…
私は病理医ではないので、ご参考程度に…
質問者は病理(特にグレード)に強いこだわりがあるようなので、それであれば、「病理のセカンドオピニオン」と言う方法がありますよ。

「①そもそも線菅形成とはどういったものでしょうか。」
→腺管形成が75%< 1点
  〃  10~75% 2点
  〃  10%>  3点

  ★癌とは、正常な(乳腺)構造が乱れたものです。
   正常な構造(腺管構造)が殆ど残っている(75%<)=大人しい=スコア1 
と正常な構造を殆ど失ってしまっている(10%>)=異常構造=スコア3 となることは(感覚的に)ご理解できますね?

「②グレードの種類が各機関で統一されていないのはどういった理由があるのですか」
→統一されていますよ?
 組織学的異型度と核異型度の2つがあります。(共通です)

「③田澤先生が核スコアの方を重要視する理由を教えて下さい。」
→乳癌取り扱い規約という本があります。
 そこの記載を引用します。 
「判定方法としては核グレード分類(nuclear grading)と、組織学的グレード分類(histological grading)とが良く用いられる。本規約ではわが国で広く用いられている核グレード分類を例示するが、他方法を否定するものではない」乳癌取り扱い規約2012年6月17版 p65
「わが国で推奨されてきた核グレード分類と共に組織学的グレード分類を例示する」
乳癌取り扱い規約2018年5月18版 p73

このように、最新規約(2018年版)では「組織学的グレード分類も」例示するようになりましたが、まだまだ「核グレード分類」が主体なのです。
 ★個人的には「腺管形成」には「病理医の主観が入りすぎる」と思っています。

「注射は腫瘍の近くに打つのが標準ですか。」
→乳頭近くです。

 
 

 

質問者様から 【質問3 】

顔つきについて
性別:女性
年齢:54歳
病名:浸潤性乳管癌 硬癌
症状:

田澤先生、前日はお忙しい中回答を頂きましてありがとうございました。

病理結果

浸潤性乳管癌(硬癌)

PT1cN0M0(17㎜)
断端、脈管、静脈それぞれ
(-)
HER2:0
ER:8
PR:7
ki:9.8
組織学的グレード:HG2
(TF:3.AT:2.MI:2)

生検では核グレードを提示されグレード1でしたので、違いを調べていく過程で、上記の全ての項目を判断し低、
中、高と総合的に3段階に分けて表示しているサイトを見つけました。

その表では、私の場合術後も核グレードを使った結果でしたら低リスク群に入っていたところ、術後は組織学的グレードを使っていた為に中リスク群となり、その部分が関係しているか分かりませんが主治医から聞いた10年生存率もステージ1より低く聞かされました。
同じ細胞なのに総合判定で中リスクになったり低リスクになったりと何だか狐につままれた感じでいたので、前回の質問はこの一項目が再発に関係する何か重要性あるのであればそれを知りたくてご質問させて頂きました。

前回はまわりくどい質問内容ですみませんでした。

腺管形成が低いけれども核グレードが1と言うのは、顔つきが悪いけれども実は性格はやさしいと言う事で合ってますか。

もし合っているならば、私の病理結果は、身体つきも性質も大人しいけれど顔つきが最高に悪いので、この顔つきが将来どう影響してくるのか教えてください。

(グレードは参考程度にと言う先生のお考えも十分わかっているのですが、顔つきをどう参考にしていいのかわかりません)
よろしくお願いします。

 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。

「この顔つきが将来どう影響してくるのか教えてください。」
→細部を気にしすぎています。

 質問者はKi67=9.8である1期(リンパ節転移なし)の乳がんです。
 ルミナールAの乳がんの予後が驚異的にいいことは『今週のコラム 188回目 このデータを見ても、まだ「リンパ節転移があると(ルミナールAでも)化学療法が必要だと思いますか??」』でご確認ください。

 そのうえでも心配ならば、OncotypeDXしてください。(ご自分の再発率が驚異的に良いことが一目瞭然となります)

 
 

 

質問者様から 【質問4 】

ブースト照射について
性別:女性
年齢:54歳
病名:浸潤性乳管癌 硬癌
症状:

3月に確定診断を受けて以来、こちらのサイトにたどり着き、それ以降様々な事を教えて頂いております。
又、お忙しい中、私の質問に対してもお返事頂きありがとうございました。

現在早急に決めなくてはいけない事があり、間隔が短い質問になってしまう事をお許しください。

現在、寡分割照射を行っており今日で11回目になりました。
主治医や手術した病院では私の場合はブースト無し、
毎日の事だから近い所が良いとのアドバイスから手術した病院ではなく近隣で照射を決めました。

ただ、現在の病院では50歳以下は全員ブーストを行っているので、私は年齢的には必要ないが、やった方がいいので私の方で決めてくださいと言われています。

先日一旦はブースト照射をお願いすると結論を出したのですが、まだ迷っています。

照射を始めてから江戸川病院では15回照射中の一回の中で、手術箇所とそれ以外でグレイ数を変えていると知りました。
トモセラピーだから出来る照射方法なのだと、距離を選んだ事を今後悔しています。

現在照射箇所は少し赤く色づいてきていて、下は肋骨の一番下辺りまで当たっているようです。
(上は脇の高さの少し下くらいです)
腫瘍が乳房下、胸壁に近いところに出来ていたので、胸壁から皮膚まで切除しその部分を見たら全摘なのですが、放射線の先生は手術中に癌細胞が飛んでいる可能性があるし、乳腺がなくとも下(肋骨の下まで)まで飛んでいることもある、乳腺の脂肪とそれ以外の脂肪の区別は出来ないので、ブーストは乳頭あたりから肋骨の下の方までするようです。

現在の照射場所や、短期的、長期的な副作用がとても気になりできれば追加をやりたくないのですが、それでも局所再発のリスクがブーストをやる事で少しでも減るならやろうと思っています。

①手術中や、それ以外でこのように癌が飛ぶ事は実際あるのでしょうか?
②照射は乳房にあてると思っていたのですが、乳腺のない、肋骨の下の方まで照射する事もあるのですか?
実際肋骨の一番下の方まで照射されているので二次癌も心配です。
大丈夫でしょうか?
③◯◯歳以下にブースト推奨する理由はどうしてですか。

④現在トモセラピーではないのですが、ブースト照射するとその部分が硬くなったり変形するとも聞きましたが、時間が経てば治りますか。

⑤ずばり、田澤先生でしたらブーストを推奨しますか。

又、その理由も教えてください。

今後、放射線が終わり経過観察になりますが8月にエコーを予定しています。
ただ、技師さんが行いますので、市川での診察も希望しています。

その場合は何月頃の予約をお願いすればいいですか。

長々と申し訳ありません。

よろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答4】

こんいちは。田澤です。

「①手術中や、それ以外でこのように癌が飛ぶ事は実際あるのでしょうか?」
→普通はありません。(例外を行ってしまえば、無限となってしまいます)

「②照射は乳房にあてると思っていたのですが、乳腺のない、肋骨の下の方まで照射する事もあるのですか?」
→あくまでも温存「乳房」照射です。

「◯◯歳以下にブースト推奨する理由はどうしてですか。」
→それは臨床試験の設定の問題です。

「ブースト照射するとその部分が硬くなったり変形するとも聞きましたが、時間が経てば治りますか。」
→ある程度は改善するでしょう。

「⑤ずばり、田澤先生でしたらブーストを推奨しますか。」
→何故ブーストを勧めているのか不明です。
 マージンがcloseでなければ不要では?

「その場合は何月頃の予約をお願いすればいいですか。」
→半年後くらいでしょう。

 
 

 

質問者様から 【質問5 】

腫瘍径について
性別:女性
年齢:54歳
病名:
症状:浸潤性乳管癌

何度もご質問し、その都度ご丁寧に分かりやすく教えて頂きありがとうございました。

先日、寡分割照射16回が終わり(ブースト照射はお断りしました)、短期の治療に区切りがつきました。

乳ガンと分かってからこちらのサイトにたどり着き、Q&Aでその時々の不安な気持ちを整理する事ができました。
本当にありがとうございました。

今更ですが、出来る事なら時間を戻し最初から田澤先生の所で生検から手術、放射線までお願いすれば良かったと、
知識が増えれば増える程感じています。

局所再発の要因に生検時もありうると田澤先生のコメントで知り、局所再発は様々なイレギュラー要因の結果なのではと思うようになりました。

こんなにもデリケートな病気と最初から分かっていれば、
田澤先生にお願いする事で今日現在の気持ちも違っていたのだろうと後悔しています。

しかし、局所再発、遠隔転移はもうどうする事もできないのでこれからはなるべく考えないように生活していこうと思っています。

そこで、最後にご質問させてください。

最初、腫瘍径を知った時は2cm以下なので小さいと思っていましたが、こちらのQ&Aや他の病院が出している情報等から、最近では0期の割合も増え、1期でもaやbが多いのではと思うようになりました。
aやbで転移は殆どないとコメントされていましたので1期で転移しているのは、殆どcと言う事でしょうか。

大事なのは腫瘍径とステージと言われていますが、腫瘍径以外の要因でステージが上がる事もある事から、もしかしたら私の腫瘍は今の時代大きい部類に入るのではと不安になってきました。
実際今先生が診察されていて17㎜の腫瘍は全体からみてどれくらいの割合でしょうか。
又先生が言われている大きいとは何cmくらいの事ですか。

又、オンコタイプでは腫瘍径は入っていないとどこかに書かれてありましたが、もし本当なら計算に入らない理由は何ですか。

よろしくお願い致します。

 

田澤先生から 【回答5】

こんにちは。田澤です。

「そこで、最後にご質問させてください。」
→本当に「最後」ですね?(冗談です)

「もしかしたら私の腫瘍は今の時代大きい部類に入るのではと不安」
→考えすぎ。
 1期はやはり早期です。

「17㎜の腫瘍は全体からみてどれくらいの割合でしょうか。」
→割合は解りませんが…

 早期乳癌としてはvolume zoneですね。

「又先生が言われている大きいとは何cmくらいの事ですか。」
→5cm以上

「オンコタイプでは腫瘍径は入っていない」
→その通り。

「計算に入らない理由は何ですか。」
→単純に…

 ★腫瘍径を考慮しなくても、「結果(予後)が同じだった」のです。
 この解釈としては、その「大きさ」の因子が「proliferation(増殖)」関連遺伝子としてOncotypeDXで5個も入っているのです。

 
 


 

質問者様から 【結果6 】

乳ガンとコレステロールの関係性
性別:女性
年齢:54歳
病名:浸潤性乳管癌(硬癌)
田澤先生の診察:[診察なし]
田澤先生の手術:[手術なし]

田澤先生

今年2月下旬自分でしこりを見つけ近隣のブレストクリニックを受診しました。乳ガンについて何一つ知識が無い中、まもなく確定診断を受け、その当日「乳ガンは初期の段階で3割遠隔転移をしている。転移しやすいのは骨、肺、肝臓なのでまずはその検査をします。」と、エコーとレントゲンはその場で、骨シンチの検査は外部に出されました。その日、確定されたと言っても細胞のタイプを教えてくれるわけでもなく、ただ癌と言う以外、聞いても何も教えてくれませんでした。

更に、遠隔転移しているかもしれないと言われた事がトラウマになり、全身検索が終わるまで、今振り返ると精神的一番つらい時間を過ごしました。

その後、こちらのサイトにたどり着き初期の段階で精密検査をしてもほぼ何も出てこないと言う事を知りました。
今思えば、手術をしないクリニックで最初から腫瘍マーカーを調べたり、kiやハーツの結果が出るまでひと月待たされたり、何かおかしいと転院を決め、紹介状を依頼すると、診断してからでないと書けない、診断の予約をお願いすると、面談枠じゃないとダメ、その面談枠は数週間先と言われました。
やっと面談枠を予約し、転院先を伝えると、その病院はよくない、止めた方がいい、その先生も知らない、ほんとに後悔しないのか、と最後まで呆れる対応でした。
(過去に大学病院で長年勤務されていたようですが、、、)

転院先では検査から手術まで順調に進み現在に至ります。

長々とこれまでの経緯を書きましたが、私が後悔しているのは、最初、乳癌かもと思った時、安易に近場を受診せず病院を調べれば良かった事。次は乳癌と分かった時、落ち込まず手術したい病院をすぐ探せば良かった事。
田澤先生の存在を知った時、動けなかった事。
ネットの情報に右往左往していた事。

不安な気持ちを抱えこちらのサイトに多くの方たちが訪問されていると思います。私と同じような対応をされている方がもしかしたらいらっしゃるかもしれないとお話させて頂きました。乳癌手術は急ぐ必要は無いのかもしれませんが、無駄な時間はやはり必要ないと思います。

過去のQ&Aや、私の質問への回答でどんなに救われたかわかりません。
田澤先生本当にどうもありがとうございました。

局所再発や遠隔転移の不安は消える事はないと思います。
半年後を目安に今度こそ市川の予約をお願いしたいと思っていますのでどうぞよろしくお願い致します。

<Q&A結果>