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乳がん 手術までにわからないこと

[管理番号:4705]
性別:女性
年齢:43歳
はじめまして。
4月(中旬)日夜に偶然、右胸のしこりに手があたり、ガンかもしれないと、気づきました。
翌日、(中旬)日、近所の乳腺外科を受診し、エコーとマンモグラフィでガンの疑いがつよいと診断され、○○○○○総合病院を紹介され、即日午後、○○○○総合病院を紹介され、乳腺センターで○○ドクターに診察していただきました。
すぐに、エコーと触診、そしてグリーンの持ちてがついているカチャっとやる細胞の検査を3回とりました。
その時、エコーでの診察も行い、ほかの医師と一緒に画像を見ておられ、聞こえてきたのが
「リンパはきれいなのかな、しこりの周りの血流はあまりない感じだね」と聞こえてきました。
血流ないっていいことなのかな。。。。
とか、勝手に考えていましたが、何も
聞けませんでした。
「見た感じでは、15mmほどのしこりですし、温存も可能なレベルだと思いますよ」
と先生は言いました。
私は、ガンであることが怖くて、相当その場で落ち込みました。
○○先生は「不安かもしれないけど、大丈夫、早期がんですよ、早く進めたほうが安心でしょうから、検査結果のまえに、CT,MRIの予約もとってから今日は帰宅してはどうかな?そのための採血検査も帰りに受けて帰るといいよ。」と促されました。
採血をし、予約を取り、初診の一日目は終わりました。
そして、4月(下旬)日に細胞検査の診断結果を聞きに行きました。
「残念だけど、顔つきの悪いガンでした。ちょっと、たちが悪い感じの顔なんです。進行も早そうです。
だからといって、1週間とか2週間で、どうこうなるわけではないです。
先日とった予約の(下旬)日、造影剤を使ったCTと、5月(上旬)日に造影剤を使ったMRIの検査を受けてください」とのことでした。
私が相当不安な様子で子供も二人小さいので半泣きになってしまいました。
「くわしいことは、もういちど4月(中旬)日に採取した組織で病理に検査にだしているので(上旬)日にすべての結果がでるのでそれから手術に関して相談しましょう」とのことでした。
先生や看護師は、とても優しいように感じました。
5月(上旬)日にどんな結果か聞きに行きました。
私は内臓や他への転移がどうしてもこわくて、そればかり気になっていました。
このプラザで4月(中旬)日以降、毎日、毎日、いろんな記事を読み漁っていました。
田澤先生がしょっちゅう、15㎜くらいでは遠隔転移はない、断言できますっと書かれているのを見ては、深く深呼吸をして、安心するように自分に言い聞かせていました。
(上旬)日の結果はここでみなさんが書かれているような詳しいことが何一つ私はわかっていなくて、聞くこともできませんでした。
でも、心配していた多臓器への転移はなかったとのことでした。
ただ、CTで脇のリンパらへんに三日月形にすこし、しこりが写っていて、これが転移がどうか、断定できないので、リンパ転移疑いでセンチネル生検を術中にする、とのことでした。
手術については、選択肢を3つだされました。
その日に決めなきゃいけないんだ、と若干パニックになりました。
① 温存+放射線
② 全摘+即時再建
③ 全摘+後日再建
私は素人考えで、絶対再発も転移→死亡ってこわいので、全摘でもかまいません、、、
というと、ドクターは「十分、早期がんです。そんな一般論は、間違っています、ウソです。
温存でも十分可能だと、私は考えています。
放射線は絶対することですし、温存で再発するような手術ならやらない」、と断言されました。
少しほっとして、温存で5月(中旬)日に手術をする運びとなりました。
○○先生は「手術後、取り出したガンを細かく、細かくしらべて、どの治療にしていく
か、どんな薬を使っていくかが、また決まっていきます、ただ、抗がん剤治療も必要かもしれないかな、と今は感じています」とドクターはおっしゃいました。
私は、ここで質問されている方々のように、なにも、聞くべきことを聞けていないんじゃないか、あまりにも、のんきにわかっていないんじゃないかと、不安です。
サブタイプ、とか、ステージとか、私はどんな状況なんだろう、、、とわかっていない不安のおかげでとても、怖いです。
抗がん剤を使わないといけないことは、たちの悪いガンとも言われているので、予後が悪いということなんだろうなと、不安です。
手術前日の(中旬)日に入院するのですが、それまで、特に診察もなにも、ありません。
もう、ただ、待つだけしか私はできないんですよね。
看護師さんにステージとか、わからないんですって帰りに聞いてみたのですが、ドクターじゃないと、答えられないし、がん細胞を調べて、リンパ節への転移の有無ではっきりすることだろうと思いますと、言われました。
わからないことだらけで、何を聞けばよかったのかも、わからないです。
私が次に考えるべきこと、やるべきこと、聞くべきことは何なのか、手術まで何を気をつけたらいいのか、ご教示をお願いできませんでしょうか。
よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
担当医の「顔つきの…」みたいなコメントは忘れてしまいましょう。
何をもって「顔つきが」と表現しているのか?
 可能性としては
 1.組織型(特殊型など)
 2.核グレード
 3.サブタイプ
 ♯1や2は完全に無視してOKだし、3は(予後ではなく)治療法とのみ関連させるべきです。
重要なことはcT1c(15mm), cN0(センチネルリンパ節生検を術中に行うことは当然であり、あくまでもリンパ節転移無しの可能性の方が高い)であることです。
ステージ1です。
♯ただし、あくまでも術前画像診断のステージであり、術後病理結果で「術後の病理結果でのステージ」が異なる可能性はあります。
「サブタイプ、とか、ステージとか、私はどんな状況なんだろう、、、とわかっていない不安のおかげでとても、怖い」
⇒サブタイプは聞いてみましょう。(ただし、サブタイプは術後療法のためなので方針とは無関係です)
 ステージは1です。(上記通り)
「抗がん剤を使わないといけないことは、たちの悪いガンとも言われているので、予後が悪いということなんだろうなと、不安です。」
⇒考え方を変えなくてはなりません。
 大事なことは「抗ガン剤が必要=予後不良」ではないということです。
 
 大雑把に言えば…
 「予後はステージで決まり」「術後療法(の内容)はサブタイプで決まる」のです。
 担当医のコメントからは(もしかすると術後に化学療法をしなくてはならないサブタイプなのかもしれませんが)、質問者はあくまでも「早期=予後良好」なのです。
 ♯ただ、「やるべきことならば、やるべき」だということです。
「私が次に考えるべきこと、やるべきこと、聞くべきことは何なのか、手術まで何を気をつけたらいいのか、ご教示をお願いできませんでしょうか。」
⇒(術後療法のことではなく)手術そのものに集中すべきです。
 最も重要なのは「センチネルリンパ節生検の取り扱」です。
 『微小転移の際に、郭清省略するのかどうか?』そのあたりは確認すべきです。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

管理番号4705
件名 乳がん 手術までにわからないこと 
前回は、ご回答ありがとうございました。
ステージ1と推測していただいただけで、少し落ち着きました。
あと4日で入院、手術ですが、術後の治療に関しては先生がおっしゃったように、
「やるべきことならば、やるべき」という受け止め方で行こうと思います。
郭清省略については、手術前日にしっかり聞こうと思います。
生検で転移がなければ、リンパは取らないです、ということは以前の診察のとき、担当医がおっしゃっていました。
(思い出しました)
今回は、新たに気になったことをすぐにでもお聞きしたくて、書き込みます。
ちょうど、1か月前にしこりを発見した時より、しこりが盛り上がっています。
ガンがある方の肩がすごく凝ってしまい、湿布を貼っています。
そのしこりが、昨夜、鏡でみてみると、しこりの上部が赤くなってきていました。
若干熱も持っています。
いろいろ検査したときには、早期で、温存も大丈夫ですと、病院でもいわれ、田澤先生にも、じゅうぶん早期だとおっしゃっていただいたのですが、炎症性乳がんに変わって
いくことってあるのでしょうか?
熱をもっていて、少し痛みだしました。
以前はまったく無痛でした。
意識しすぎているのかもしれませんが、引きつれ感もあって、とても、とても不安で怖くなりました。
発見時はわずか1か月前で、ぐぐっと触らないとわからなかったしこりが、1か月後ちいさなこぶのように、すぐに手に触れるようになっていて、しこりの上部を中心に5cm
ほどの円形に赤っぽくなっているのです。
赤みの度合いは、赤いというより、ひどい蚊にさされたくらいのあかっぽいピンクです。
ここから、炎症性乳がんのような、根治できないガンへ発展しているのかと、こわくて仕方ありません。
すぐに診察に行ったほうがいいのでしょうか?このような状態で手術できるのでしょうか?とても不安です。
他の方の質問566「癌確定ですか?」の回答で田澤先生は
 腫瘍の真上だけとか、その周囲だけであれば、それは「炎症性乳癌ではありません」
とおっしゃっていますが、私は1か月前の初診では、その状態はなかったので、炎症性乳がんへ発展していくことがあるのかと、心配で仕方なくなりました。
以前の診察の際ドクターにいわれた「進行の早そうな質の悪いガン」その言葉が思い出されます。
そんなに私は進行が早いのでしょうか?赤みは炎症性乳がんの入り口でしょうか?
それとも、
急速に大きくなったせいで壊死などで炎症している場合は、転移がはじまってしまうのでしょうか?しこりのまわりに血流があまりない、というエコーの際の医師の言葉を思い出しました。
血流がなく、壊死→転移 など、悪い方向へ短期間で進んでるのでしょうか?
入院前に、子供たちに不安な顔を見せまいと、必死です、ご回答をお待ちしてます。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
このQandAをやっていて、いろいろと「皆さんが勘違いする傾向があること」を感じます。
其の1例が「HER2 1+は陽性ではないか?」というものであり、これについても今までの5000以上のQandAの中で10回以上は下記の記載をしていることと思います。
★HER2は
 0,1+:陰性
 2+  :FISHで確認
 3+  :陽性
今回、この件は質問者には関係ありませんが、「よくある勘違い」の1例として挙げさせてもらいました。
さて、本題に入りますが…
○炎症性乳癌
 このポイントは
 1.(あり得ないくらい)乳房『全体』が真っ赤になり、(むくみにより)ゴワゴワに硬くなる
 2.炎症性乳癌に炎症無し(痛みも熱も無いのです。炎症で無いのですから…)
 ★特に鑑別点は『全体』ということです。
  そう簡単に「炎症性乳癌」などという言葉を用いるべきではありません(経験の浅い乳腺外科医の中でも、知らない者が多くいます)
「炎症性乳がんに変わっていくことってあるのでしょうか?」
⇒全く違います。
「熱をもっていて、少し痛みだしました。」
⇒「炎症性乳癌に炎症無し」
 解りましたか???
 炎症性乳癌は「あたかも炎症があるように」真っ赤になりますが、実際は『炎症はなし(つまり熱も痛みも無いのです)』
「すぐに診察に行ったほうがいいのでしょうか?」
⇒あと4日で入院なのですよね?
 不要です。
「そんなに私は進行が早いのでしょうか?」
⇒前回の回答で『担当医の「顔つきの…」みたいなコメントは忘れてしまいましょう。』と、言った事を覚えていますか???
 私のコメントを信頼できないのであれば、このQandAは無意味です。
「赤みは炎症性乳がんの入り口でしょうか?」
⇒全く無関係です。
 そう簡単に「炎症性乳癌」などと考えるのは全くナンセンスです。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

おはようございます。
田澤先生の教えてくださったことをしっかり受け止め、5月18日に温存手術を受けてきました。
その後の結果は、大きさ 1.9mmでした。
1か月で大きくなったのか、
誤差だったのか・・・。
悪性度はやはり高いということで、TCとなりました。
センチネルでも陰性で(田澤先生がおっしゃってた通りでした)サイズ的にギリギリでステージ1とのことでした。
ルミナルB。
他は陰性でした。
現在、TC2回目が終わって、めだった副作用は、脱毛や皮膚の痛み程度で、あとは耐え難いほどのものではなかったのでほっとしています。
あまり抗がん剤が作用していないのかと、心配もあります。。。。。。。
その後、放射線、ホルモン治療予定です。
担当医に、TC療法の目的はなんですか?と聞いてみました。
治癒のためですか?と。
すると、「再発防止なだけで、治癒はない。
治癒じゃないなぁ。
それに再発防止なので完全に効くのかも10年たたなきゃ誰もわからないよ」といわれました。
正論なのでしょうが、さぁ頑張ろうと、不安な抗がん剤を受けているのに、最初からがっかりするようなお答えでした。
「顔つきわるいガンだったから、抗がん剤するんじゃないの」とも言われました。
今回は、田澤先生がおっしゃってた通り、「顔つきがなんやんねん!」くらいの気持ちで聞き流せました。
今回お聞きしたいことは4つ
① 抗がん剤の使用目的に対する担当医の回答は、どのように受け止めればいいのでしょう?
やるべきことをやると、覚悟をきめ治療をうけていますが、私の質問に対する担当医の回答が正解なのか、どうなのか、気になります。
田澤先生ならどうお答えしてくださいますか?
② 術前に効くかどうかわからない抗がん剤治療はあぶない、とここで学びました。
そこで疑問が生まれたのですが、私の場合(標準治療でしょうが)、まず、抗がん剤治療をしています。
4クール。
その後、放射線治療とホルモン治療を同時進行していく予定です。
この、抗がん剤治療をしている(3カ月)の間に、ホルモン陽性タイプのガンが増殖していくことはないのでしょうか?
がん細胞について理解できていないのですが、
たとえば、1粒のガン細胞の性格に2種類存在しているのか、それとも、抗がん剤が効くタイプと、ホルモン感受性があるタイプの2粒のガンがいるような状況なのでしょうか?増殖してしまうこともあるのではないかと、疑問です。
③ 術後、2カ月のいまになって、手術した右乳房の下にある肋骨が触ると痛い。
センチネルをした傷部分より少し上の部分の奥にしこりを感じ痛みます。
反対側の脇にはないです。
両方とも、手術後の痛みが今頃あらわれたのでしょうか?いつまでも続く、という方は
ココでもたくさんお見受けしていたのですが、ずっとなくて、2か月後というのが気になり、または、回答を見つけることができず、質問させていただきます。
今まで2か所ともなんともなかったので気になりました。
④ 最後に、抗がん剤の副作用と効能の大小は関係ありませんか?
ものすごい勢いで管理番号が増えていき、田澤先生のすごさを実感します。
ガンや治療で心配されている方がたくさんいることも、不謹慎ながら皆さん頑張っているんだ、私だけじゃない、と励みになります!皆さんの質問を診察の合間に、回答してくださる田澤先生もいる、そう思うと、いつも治療がんばれます。
ありがとうございます。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
「悪性度はやはり高いということで、TC」
⇒シンプルに考えましょう。
 
 ルミナールBだから「化学療法による上乗せがある」のです。
 だから、行う。「やるべき事をやるだけ」 シンプルに考えるべきです。
「① 抗がん剤の使用目的に対する担当医の回答は、どのように受け止めればいいのでしょう? 田澤先生ならどうお答えしてくださいますか?」
⇒物事は極めてシンプルに考える必要があります。
 ルミナールBでは化学療法を行う事で「ある程度の上乗せ(数値はOncotypeDXをしないと解りませんが)」があるのです。(実際の統計学的数値です)
 ★例えばホルモン療法単独での無再発率を「80%」そして抗癌剤による上乗せを
「10%」と仮定すると
  質問者と同タイプの方が100名居るとすれば、
  A.80人は抗癌剤をやっても全く無意味(抗癌剤をしなくても再発しない)
  B.10人は抗癌剤をやらなければ再発したのだが、抗癌剤をしたことで再発せずに済む。
  C.10人は抗癌剤をやっても全く無意味(抗癌剤を行っても結局再発する)
  つまり、抗癌剤をすることで意味の有る人はB(10名)だということです。
  質問者が上記A~Cのどれにあたるのかが不明な以上(現時点での医学の限界です)、(Bである可能性が10%あるので)化学療法が勧められるわけです。
「抗がん剤治療をしている(3カ月)の間に、ホルモン陽性タイプのガンが増殖していくことはないのでしょうか?」
⇒考える必要はありません。
 「化学療法もホルモン療法も両方とも効くタイプ」なのです。
 
「1粒のガン細胞の性格に2種類存在しているのか」
⇒そういうことです。
「手術した右乳房の下にある肋骨が触ると痛い。」
⇒おそらく、この部位(手術した創部より下)はモンドール(表在性の血管炎)だと思います。
 暫くすると改善します。
「センチネルをした傷部分より少し上の部分の奥にしこりを感じ痛みます。」
⇒内部の瘢痕でしょう。
「手術後の痛みが今頃あらわれたのでしょうか?」
⇒モンドールは、術後暫くしてから起こります。
「④ 最後に、抗がん剤の副作用と効能の大小は関係ありませんか?」
⇒無関係です。
 (抗癌剤にかかわらず)ホルモン療法でも同様な心配をされる方がいらっしゃいますが、「副作用が弱くてラッキー」という認識でいいのです。