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癌確定ですか?

[管理番号:566]
性別:女性
年齢:39歳
39歳 幼子が二人いる者です。
授乳はしておりません。生まれつき陥没乳頭です。
生理開始、数日前から胸の張りを感じていました。
生理前だから仕方ないと思い特に気にしてませんでした。
しかし、子供を抱っこする、シートベルトをするような時に
痛みを感じるようになり、生理が終わったあたりから急に痛みが増し
今までなかった、硬いしこりを右胸の下の内側に確認。
慌てて、産婦人科へ駆け込み触診と超音波エコーをし、
4㎝の腫瘍があるため、癌センターへの紹介状を渡されました。
癌センターにて、触診、マンモ、超音波エコーをしました。
詳しい説明はまだなく「触診ではリンパの腫れはない」とだけ言われました。
次回PETを予約されました。
PETをすると言うことは、癌確定として他に転移がないか調べるためでしょうか?
マンモをしたからなのか、夜は右胸のみズキズキ痛み、翌朝にはしこりの周りが
腫れたようになり、しこりのある下側が赤くなりました。冷したら楽になりましたが、
痛みと赤みはまだあります。痛みのあるしこりのある場合、マンモ後の状態は
普通にあることでしょうか?
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 『詳しい説明はまだなく「触診ではリンパの腫れはない」とだけ言われました。』
 あまりにも説明不足です。たんに『担当医の性格の問題』なのか『診断ができていない』のか判断が難しいです。

回答

「PETをすると言うことは、癌確定として他に転移がないか調べるためでしょうか?」
⇒癌の可能性が高そうです。
 本来「PET検査」は「悪性腫瘍にしか適応はありません」
 PETをオーダーする事は「悪性腫瘍を疑っている」事は事実です。
 ただ、「きちんと説明のないまま」PETのオーダーは「常識外れ」です。
 しかも「癌を疑っているのであれば、PETより先に針生検すべき」です。
 
「痛みのあるしこりのある場合、マンモ後の状態は普通にあることでしょうか?」
⇒普通にはありません。
 マンモ撮影で「痛くなることはあっても」赤くなったり腫れたりする事は通用考えられません。
 その症状からすると「その腫瘍は炎症?」とも考えたくなりますが、それなら普通は「PETをオーダーしたりはしません」
 どうにも「癌か、炎症性の腫瘤か?」判断が困難なところです。
◎きちんとした説明の無いままに「無駄な検査」がされるとしたら大変悲しい事です。
 「無駄な検査」は「無駄な時間」を要し、結果的に「迅速な治療の妨げ」となります。
 次回には「何が疑われ、何のために、何の検査をするのか」担当医に聞いてみましょう。
 それが答えられないようならば、「診療をする資格がない」と思います。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

お忙しい中、御回答頂けて気持ちが落ち着きました。
ありがとうございます。
マンモをした当日、しこりのある右胸だけが
いつまでも痛み、眠れない夜を過ごし、
翌日には右胸だけ腫れ、しこり部分は熱を帯び赤くなる…。
不安でネットで「マンモ後 しこり 痛む 腫れ 発赤」等の
キーワードで検索したものの、発見出来ず病院へ問い合わせたところ
「鎮痛剤を飲んで冷やしてください」とのこと。
指示通りにしたところ、翌々日には少し赤みは有るものの
腫れと熱っぽさがとれました。しかし、しこりはそのままですし
圧痛や、ときおり胸の奥から突き刺すような痛みは変わりません。
田澤先生の御回答にも、あまりないように書かれていたので
検索しても出てこない例なのだなと感じました。
そして、最も気になっていたPET検査のことです。
初めて耳にした検査でしたので、自宅に帰って病院からの説明書
を読んで驚愕しました。やはり、この検査は癌の可能性が高いのですね。
先生のおっしゃるように、その場で質問をすればよかったのですが、癌かもしれない恐怖で
何も聞けませんでした。
PET検査を受けた後、次回に針生検と言う予定となります。
やはり、順番が違うのでしょうか?
次回、しっかり説明を聞いて検査を受けたいと思います。
 

田澤先生から 【回答2】

 こんにちは。田澤です。
「右胸だけ腫れ、しこり部分は熱を帯び赤くなる」
 これだけ見ると「炎症所見」です。
 ただし「PET」をオーダーしている事より「癌の疑い」を持っているとは思います。
 腫瘍内部が壊死を起こして「感染」する。という事かもしれません。
 とにかく、そもそも『何が疑われるのか?』そこからはっきりさせましょう。
 そして、『赤みと熱』についても納得できる説明をしてもらってください。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

先日は、ご回答ありがとうございました。
結局のところ、PETと針生検をしました。
先生のおっしゃるように、詳しい説明もないのは不安だと訴えたところ
痛み、発赤、しこりの大きさ、触診にて癌の疑いを持ちPETの予約をし、
針生検より先にPETの理由に関しては、早急に確認するためと予約の問題とのこと。
先生なら、納得のいく説明となるでしょうか?
マンモグラフィー、超音波、PET の結果は、しこりとされる部分の形がいびつで不明瞭であり
浸潤性乳癌の疑い、炎症性乳癌の疑いありと言われ、針生検となりました。
針生検の結果はまだ先です。(PETの結果、転移は無かったそうです )
マンモグラフィー後、しこりの部分が腫れて熱を帯び、痛かったのですが痛みは落ち着き
しこりは変わりませんが赤みも熱も引きましたが、先生も炎症性乳癌の確率が高いと思われますか?
炎症性乳癌の皮膚の赤みや腫れは消えたりするのでしょうか?
炎症性乳癌の発赤は、人それぞれかもしれませんが、どの程度の赤さを言うのでしょうか?
また、皮膚がオレンジの皮のようになったり厚くなるのは、もう少し炎症が進んでからでしょうか?
医師から説明を受けた際に質問すればよかったのですが、頭が真っ白になり聞けませんでした。
今は、針生検の痛みはありますが、マンモグラフィー後のような眠れないほどの痛みは
ありません。質問ばかりで申し訳ありません。先生のお考えをよければお聞かせください。
 

田澤先生から 【回答3】

 こんにちは。田澤です。
 PETをオーダーしていたことは、やはり「癌を疑っていた」のですね。

回答

「針生検より先にPETの理由に関しては、早急に確認するためと予約の問題 先生なら、納得のいく説明となるでしょうか?」
⇒先に針生検をするとPET結果に影響が出かねない。などの理由がありそうですが、私には納得できません。
 やはり、確定診断のために「針生検」が優先されるべきものです。
 
「マンモグラフィー後、しこりの部分が腫れて熱を帯び、痛かったのですが痛みは落ち着きしこりは変わりませんが赤みも熱も引きましたが、先生も炎症性乳癌の確率が高いと思われますか?」
⇒「マンモグラフィー後に一時的に炎症を起こしただけで」その後に「赤みも熱も引いた」のであれば、『炎症性乳癌ではありません』
 勿論PET所見は何の参考にもなりません。
 
「炎症性乳癌の皮膚の赤みや腫れは消えたりするのでしょうか?」
⇒消えません。
 「皮膚の赤みや腫れが消えたのであれば」炎症性乳癌ではありません。
 結果としては腫瘍が(癌なのかは別として)「マンモグラフィーによる圧迫により」急性の炎症を起こした。 と考えるべきです。
 
「炎症性乳癌の発赤は、人それぞれかもしれませんが、どの程度の赤さを言うのでしょうか?」
⇒乳房全体の皮膚が真っ赤になります。
 この場合参考になるのは「その範囲」です。
 腫瘍の真上だけとか、その周囲だけであれば、それは「炎症性乳癌ではありません」
 
「皮膚がオレンジの皮のようになったり厚くなるのは、もう少し炎症が進んでからでしょうか?」
⇒誤りです。
 炎症性乳癌には「炎症はありません」
 炎症性乳癌の皮膚の発赤は「皮膚のリンパ管の閉塞による鬱滞が原因」であり、炎症は全くありません。
 ○炎症性乳癌については、誤った理解をされている方が非常に多いので、近々「炎症性乳癌」という項目を作成しようと思っています。(最近は、QandAの回答で忙しく、その他が更新できないのがネックです)
 
◎質問者の場合は「炎症性乳癌」ではありません。(赤みが改善しているのであれば)
 もしも「担当医が誤解していたとしたら」大変な不利益となります(炎症性乳癌を見た事がない乳腺外科医も存在する事に注意が必要です。炎症性乳癌は決して多くは無いのです)
★一度「炎症性乳癌」と誤診されると、「手術の適応が無くなり」化学療法となってしまいます。
 是非、そのような事が無い様に、祈っています。
 
 

 

質問者様から 【質問4】

御回答、本当にありがとうございます。
針生検の結果までの不安が和らぎ、精神的に落ち着きました。
医師に説明を求めたものの、先生のおっしゃるとおり針生検をして
次なる検査が望ましいですよね。もっと、深く質問してみるべきでした。
画像診断から浸潤性乳癌の疑い、炎症性乳癌の疑いと聞き恐怖で眠れませんでした。
炎症性乳癌は、腫れ、痛み、熱、発赤、皮膚が厚くなりオレンジの皮のようになると言うことと
進行も比較的早く生存率も低いと言う知識しかなかったのです。(これも、本やネットで仕入れ
た知識なので正確さは欠けます)
先生に御指摘頂いた通り、炎症性乳癌の「炎症」と言う言葉から
初めて胸にしこりを見つけた時に、激しい痛みが内側からも外側からもあり
更に痛みがひいた頃に受けたマンモグラフィーでの再びの痛み、腫れ、熱を帯び、しこりの部分の発赤…。炎症を起こしている=炎症性乳癌だと思いこんでいました。
それは、誤りなのだとよくわかりました。先生が他の質問者の方に炎症性乳癌について述べている文章を質問した後に発見しました。わたしも炎症性乳癌を誤って捉えてしまいました。
針生検は、麻酔をしてからなので当初、痛みはなかったのですが
やはり麻酔がきれてからは痛みが出てきました。そして、また消えていた赤みがしこりの部分に
うっすら出てきました。やはり、これも針生検による炎症にすぎないのかなと思えるように
なりました。針生検後の痛みは、しばらく続いてもおかしくないでしょうか?
針生検をしたことにより、わたしの腫瘍が癌なのか、炎症によるものなのか
明確になるのですね。検査の順序がおかしいのか、ひどく遠回りしたような気持ちです。
ここで医師が炎症性乳癌と判断されたら、セカンドオピニオンを考えたほうがよろしいでしょうか?通える距離ならば、先生に判断して頂きたいと思うばかりです。
 

田澤先生から 【回答4】

 こんにちは。田澤です。
 私は質問者を一度も診察していないので、何とも歯切れが悪くなっていまうのはご了承ください。
 「炎症性乳癌」は本来「一目見ればわかる」ものです。
★キーワードは「皮膚全体の変化」です。「腫瘍直上だけの狭い範囲の変化では無い」のです。
 今までのメール内容からは、「発赤のある皮膚」が「腫瘍直上及びその周辺にとどまっている」と理解していますが、正しいでしょうか?
○炎症性乳癌とは本来「確実なしこりを認識できない」のに、『皮膚全体が(リンパ管の癌細胞による閉塞により)赤く厚くなっている状態』です。
 『腫瘍周辺の皮膚が赤いだけならば、「腫瘍の(限局的な)影響」に過ぎません。(炎症の場合もあれば、癌の皮膚への直接浸潤による変化のこともあります)
 手術時に、「赤い部分の皮膚も、きっちりと含めた切除」とすればいいだけです。
◎炎症性乳癌は「皮膚全体が発赤している」ので、『手術不能』なのです。 
 皮膚全体に広範囲のリンパ管侵襲(リンパ管内に癌細胞がはいりこんでいる)の訳ですから、予後不良なのはいうまでもありません。

回答

「しこりの部分の発赤…。炎症を起こしている=炎症性乳癌だと思いこんでいました。」
⇒やはり、この「しこりの部分の発赤」という記載からすると、原因が何であれ(炎症であれ、皮膚浸潤であれ)限局的な変化であり、「炎症性乳癌ではありません」
 
「針生検後の痛みは、しばらく続いてもおかしくないでしょうか?」
⇒炎症性背景がありそうなので、通常よりも長く続くかもしれません。
 心配ありません。
 
「針生検をしたことにより、わたしの腫瘍が癌なのか、炎症によるものなのか明確になるのですね」
⇒勿論です。
 
 本来、診断が確定してから「PET」の順番でしょう。
 
「ここで医師が炎症性乳癌と判断されたら、セカンドオピニオンを考えたほうがよろしいでしょうか?」
⇒当然そうすべきです。
 「炎症性乳癌と誤診」されてしまうと、「手術の機会を失い」効くかどうかわからない「化学療法」しか方法が無い。みたいな「誤った治療方針」となる可能性が大いにあります。
 
○脅かすつもりはありませんが、「炎症性乳がんと誤診」されて「抗がん剤治療を行い」もし効果が無く(増大してしまったら)「手術して根治する機会」を永遠に失うリスクがあります。
 
 

 

質問者様から 【質問5 結果を聞くのが怖いです。】

何度も、申し訳ありません。
あと数日で針生検の結果が出ます。
針生検の結果の説明後に、検査をし、翌日に手術担当の先生の説明の予約が入っている状態です。この予約表を見ると結果を聞く前に癌は確定されているのだと思っていますが、まだ覚悟出来ずにおります。
炎症性乳癌の疑いもあり、前回質問させて頂きましたが先生の詳しい説明により、私自身も当てはまらない気がしました。
先生のおっしゃるとおり発赤は「腫瘍直上及びその周辺にとどまっている状態」の範囲でした。
万が一、炎症性乳癌とされたら迷わずセカンドオピニオンの意思を示そうと思います。
おかげさまで、針生検後の痛みは消えました。
針生検の痛みがひいた頃、しこり部分の皮膚が柔らかくなり、
当初あった圧痛、発赤、腫れは消えました。
やはり、なんらかの炎症が関係しての痛みだったのでしょうか?
しこりが、大きいので、その為に皮膚に触れて炎症を起こしていたのでしょうか?
針生検後に症状が緩和することもあるのでしょうか?
しかし、触れば痛みは無くなったものの、しこりはあります。
マンモグラフィー、エコーでの、大きさもあり、不明瞭でいびつな形の腫瘍…。
覚悟を決めて、結果を受け入れなければいけませんね。
先生、検査の順序や炎症性乳癌…御多忙の中、親身にお答えくださり、ありがとうございました。また、どうしても結果の内容、治療について納得出来なかった時、質問させていただければ
心強いので、どうかよろしくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答5】

 こんにちは。田澤です。
 PET撮影後、針生検待ちだと思います。
 (本来の順番とは逆ですが)PETを先に撮影していることで「他に転移が無い」と言う事が解っているので、その意味では「先回りした安心感」もあるのです。

回答

「針生検の結果の説明後に、検査をし、翌日に手術担当の先生の説明の予約が入っている状態」
⇒確かに「癌の確定」と思います。
 でも「手術担当の医師」の診察と言う事からは「炎症性乳癌と誤診されている」事は必ずしも無いようです。
 本当の「炎症性乳癌」には「そもそも手術適応は無い」のです。治療法は化学療法しか無いのです。
 
「万が一、炎症性乳癌とされたら迷わずセカンドオピニオンの意思を示そうと思います。」
⇒当然そうすべきです。
 「炎症性乳癌」と「局所の皮膚所見を伴う乳癌」の区別が付かないような乳腺外科医に治療を任せるのは、とてもお勧めできません。
 
「やはり、なんらかの炎症が関係しての痛みだったのでしょうか?」
⇒間違い無く、炎症が関係していた筈です。
 癌が原因であれば、(治療をしない限り)改善する事はあり得ないのです。
 
「しこりが、大きいので、その為に皮膚に触れて炎症を起こしていたのでしょうか?」
⇒通常、乳癌は完全に皮膚をかぶっているので「皮膚浸潤を起こし、皮膚から顔を出さない限り」外部からの感染はありません。
 私の経験では「癌が増殖する過程で、急速増大する」と内部の癌細胞が栄養不足(血流不足)に陥って壊死(細胞死)を起こし、内部がドロドロに溶解し炎症を起こす事があります。
 ○「しこりが、大きいので」という質問者のコメントより想像するに、今回の状況にも当てはまりそうに思います。
 
「針生検後に症状が緩和することもあるのでしょうか?」
⇒腫瘍内部の壊死部分を針で解放することで炎症が改善する可能性は十分にあります。
 
「覚悟を決めて、結果を受け入れなければいけませんね。」
⇒そう思います。
 
 ただの膿瘍であれば、PETなどの適応にはなりません。
 それ相応の「癌を疑わせる」所見なのでしょう。
 
 

 

質問者様から 【質問6 結果が出ました。】

御回答ありがとうございます。
針生検の結果説明後に術前検査の予約が入っているのだから癌の宣告は
免れないこと。
しかし炎症性乳癌=手術は出来ない。術前検査をすると言うことは
炎症性乳癌ではないのだと、それだけを支えに針生検の結果を聞きに行きました。
しかし当日、術前検査の予約は取り消されていて、炎症性乳癌だったのだと落胆しながら
説明を聞きました。
結果は、乳腺炎とのことでした。
5本採取した針生検。すべて癌細胞は見当たらなかったそうです。
再度、超音波エコーと触診をされ当初あった腫れ、発赤が見当たらないことを確認し
しばらく様子をみて、しこりの大きさが変化ないようなら、
もう少し太い針で生検し、治療方針を決めましょうとのこと。
癌ではないと言われたのに、産婦人科で計測した時は、4㎝と言われ、
今回の計測では5㎝。むしろ大きくなっている。これは、医師の計測の違いでしょうか?
針生検後に、周りの皮膚が柔らかくなり赤み、腫れがひいただけで、しこりは大きいまま。
乳腺炎?で安心してしまっていいのでしょうか?
針生検の正確さは、どのくらいのものなのでしょうか?
乳腺炎のしこりは、様子見で小さくなったりするのでしょうか?
炎症なら抗生剤をなぜ、すぐに処方して頂けないのか?
疑心暗鬼な患者だと、医師をがっかりさせるような質問ばかりです。
その場で、質問をすればいいのに、出来ない自分を責めてしまいます。
乳腺炎と言われたのに、次にやはり癌だったと言われてしまうのではないかと
不安で仕方ないのです。
 

田澤先生から 【回答6】

 こんにちは。田澤です。
 「癌ではなかった」
 おめでとうございます。
 「腫瘍の大きさ」からすれば、「針生検で取り損ねる」可能性は全くありません。
 癌ではありません。
 安心して結構です。
 ただ、新たな問題点があります。
 おそらく経過からすると「肉芽腫性乳腺炎」です。
 どうも担当医は「正しい診断に到達しそうにありません」

回答

「しばらく様子をみて、しこりの大きさが変化ないようなら、もう少し太い針で生検し、治療方針を決めましょう」
⇒全く診断の見当が付いていないようです。
 乳腺炎は「理由も無く起こるものではありません」 (授乳中の)「鬱滞性乳腺炎」 (陥没乳頭に伴う)「乳輪下乳腺炎」
 今回のように「どちらとも関係無く」起こる乳腺炎が存在することを知らないのだと思います。
 私は、つい、数ヶ月前に『有名な亀○総○病院で、長期間、最後まで診断できずに無茶苦茶な治療をされていた』患者さんを診療しています。
 ●「肉芽腫性乳腺炎の診断がされてなかったが為に」余計な検査を沢山された揚句に余計な治療をされていました。(患者さん共々、私は非常に憤りを感じました)
 質問者が「肉芽腫性乳腺炎」だとすれば(文面からは可能性が高いと思っています)、担当医の様子からは「正しい診断にいきつかない」恐れを抱いています。
 ♯「強い炎症」(癌と間違われるほどの)「不整形腫瘤」、この2つのキーワードからは肉芽腫性乳腺炎の可能性が高いのです。
 ⇒例えば、このどちらかだけであれば該当するものはあります。
 ・乳腺症:「不整形腫瘤」の事はありますが、「炎症はありません」
 ・膿瘍:「強い炎症」はありますが、「中身が膿」なので「腫瘤」ではありません。
 ・(内部に壊死性膿瘍を形成した)癌:この場合は「強い炎症」と「不整形腫瘤」の両方を満たしますが、「針生検で必ず癌と診断可能」なので、今回は当てはまりません。
 
「赤み、腫れがひいただけで、しこりは大きいまま。乳腺炎?で安心してしまっていいのでしょうか?」
⇒肉芽腫性乳腺炎にはあてはまります。
 
「針生検の正確さは、どのくらいのものなのでしょうか?」
⇒この大きさの癌を「針生検で診断できない」筈はありません。
 癌では無いのです。
 
「乳腺炎のしこりは、様子見で小さくなったりするのでしょうか?」
⇒肉芽腫性乳腺炎は小さくなったりはしません。
 
「炎症なら抗生剤をなぜ、すぐに処方して頂けないのか?」
⇒「赤みや腫れ」が治まっているからでしょう。
 
「乳腺炎と言われたのに、次にやはり癌だったと言われてしまうのではないか」
⇒その可能性はありません。
 
○担当医が正しい診断に到達することを願うばかりです。
 
 

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管理番号:829「肉芽腫性乳腺炎」