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肉芽腫性乳腺炎

[管理番号:829]
性別:女性
年齢:39歳

質問者様の以前の質問

質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。
質問者様の以前の質問は下記をクリックしてください。
管理番号:566「癌確定ですか?」

 
 
度々、お忙しい中、申し訳ありません。
癌の疑いから針生検を行い、結果が乳腺炎だった者です。
結果の説明後、再度、超音波エコーをしました。
田澤先生は、肉芽腫性乳腺炎の可能性を示唆してくださいましたが
今回も診断としては乳腺炎としての扱いで、定期的に、超音波エコーをしましょうとのこと。
超音波エコーの画像から「しこりの大きさは、変わりはないが、膿は無くなっている。
前回に比べて脇のリンパに腫れはみられるが、これは炎症を自分自身の組織が抑えようとしてる
反応だから様子を見ましょう」とのことでした。
現在、胸の状態はしこりの大きさは変わらない気がしますが、当初の頃の激しい痛みは無く
たまに、鈍い痛みと痒みに似た症状があります。
ただ、気になるのが乳輪下部分が少し腫れ(少し皮膚の厚みを感じます)
うっすら赤みから青あざのような色に変化してきました。
経過観察の今、田澤先生が前回の質問で、この大きさの腫瘍をとり損ねることはないと
おっしゃってくださってるのに、恐怖が拭いきれずにいます。
乳腺炎は、乳腺炎でも、胸の表面に、赤み以外に青あざのようなものは表れますか?
乳腺炎で検索すると、赤みのある方はいますが、青あざのような方はいないような気がします。
また、この胸の表面の状態はやはり肉芽腫性乳腺炎だと思われますか?
肉芽腫性乳腺炎でも、膿が外へ出ない場合もあるのでしょうか?
このまま、経過観察で正しい判断をしてもらえなかったら、
田澤先生のおっしゃる患者様のように遠回りしなければ
ならないのかと、不安で仕方がありません。
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 「乳腺炎」という診断ですが、担当医は「全てを説明することができない」事に気付かないのでしょうか?
 乳腺は基本的に皮膚及び皮下脂肪で覆われているために「何の原因も無く」炎症など起こりません。
○炎症を起こす原因は殆ど以下の2つしかありません。
・(授乳中の)鬱滞性乳腺炎
・(陥没乳頭に伴い、乳頭直下に起こる)乳輪下乳腺炎(膿瘍)
♯これ以外で「炎症が起こる」事は非常に稀なのです。
 その場合、しかも「癌を疑わせる様な、しこりが存在」している場合には、ほぼ「肉芽腫性乳腺炎」と確定できます。
◎質問者が今後、不利益を被らないために具体例を示します。
 強い炎症を伴う不整形腫瘍を主訴として、有名な「亀○○合病院」を受診
 「画像上、ほぼ乳がんと疑い」針生検を施行。
 結果は(質問者と同様に)「乳腺炎」
 (ここからが問題診療なのですが)
 「炎症が治まらないから、(不整形腫瘤を)何度も針で刺して、しかもグリグリ広げて、膿を出そうとした」結果、皮膚に複数個所の欠損を作ってしまったのです。
 しかも、(肉芽腫性乳腺炎を知らないために)「これは特殊な疾患に違いないとして」皮膚科を紹介したり、(無駄な)抗生剤を投与されたりして、全く良くならない状態でした。
 そんな診療に「疲れて」私のところを受診したのです。
 明らかに「肉芽腫性乳腺炎」でした。
 ステロイド投与により「明らかに、どんどん改善」しましたが、最終的に「ぐりぐり無理やり広げた皮膚の孔が邪魔」になって(未だに少量ですが、その穴から浸出液がでて)「治癒を妨げている」状態です。
 ★(無理やり、穴をグリグリ広げたりしなければ)治癒したところでしたが…
 質問者も、是非参考にしてください。
 
 以前、回答したように
①「強い炎症」がある
②(癌と間違われるほどの)「不整形腫瘤」
 この2つのキーワードからは肉芽腫性乳腺炎を想像しなくてはなりません。(私は実際に診察していないので、確定と言えないところが辛いところです)

回答

「胸の表面に、赤み以外に青あざのようなものは表れますか?」
⇒「青あざ」は皮下出血だと思います。
 
「肉芽腫性乳腺炎でも、膿が外へ出ない場合もあるのでしょうか?」
⇒質問者は勘違いをされています。
 肉芽腫性乳腺炎は、「(癌と間違われる様な)肉芽が形成」され、それが時に「強い炎症を引き起こす」のです。
 膿瘍のように「膿が貯まる」訳ではありません。
 
「このまま、経過観察で正しい判断をしてもらえなかったら、田澤先生のおっしゃる患者様のように遠回りしなければならないのか」
⇒困ったものです。
 自分の身は自分で守らなければなりません。
 
○「経過観察」をしていて「症状(痛みなど)が落ち着いている」時はいいですが、「肉芽腫性乳腺炎は炎症が再燃」する事が多いのです。
 その場合に「冒頭で示した様な」誤った診療をされない様に注意が必要です。
 
 

 

質問者様から 【質問2 現在の胸の状態と不安。】

田澤先生、肉芽腫性乳腺炎について、具体的に例を挙げて説明してくださり
ありがとうございます。その患者様も乳癌の疑いから、乳腺炎と診断され
田澤先生の的確な治療にたどり着くまで、随分遠回りをされたのですね。
肉芽腫性乳腺炎では膿は出ないとのこと。
診察では「しこりの大きさは変わっていないが、膿は無くなっている」と
説明されたのですが、膿が無くなっているとは、どう解釈したらいいのでしょうか?
現在、乳輪の下の部分を覆うように(下向きの三日月のような形)で
ぷっくりと今までより濃く赤みが出ています。青あざに見えたのですが、赤が強い赤紫のような
赤さです。現在 は、熱感もなく多少のチクチクした痛みと子供を抱っこした際などに
押されると一瞬ジンジン痛むような状態です。
授乳期ではない乳腺炎では、表面に一旦赤みがひいた後に
再度、強めの赤みが出ることはありますでしょうか?
田澤先生は否定してくださりましたが、やはり癌でした…と言われないだろうかと
不安になります。担当医師による詳しい説明があれば
こんなに不安にならないのかもしれません。正しい診断を祈るのみです。
しこりを発見し、検査を受けて乳腺炎と診断された今でも
当初の痛みは無くなったものの、
経過観察の中、日に日に変化する胸の症状に戸惑っております。
次回の検査は来月ですが、単刀直入に
「肉芽腫性乳腺炎でしょうか?」と聞いても 良いものなのでしょうか?
どんな質問をすれば、詳しい説明を得られるのか思い悩みます。
 

田澤先生から 【回答2】

 こんにちは。田澤です。
 肉芽腫性乳腺炎ですね。

回答

「しこりの大きさは変わっていないが、膿は無くなっている」「膿が無くなっているとは、どう解釈したらいいのでしょうか?」
⇒「炎症が改善している」ということです。
 通常の乳腺炎(例えば、乳輪下乳腺炎など)であれば、「しこり」も小さくなります。
 
「授乳期ではない乳腺炎では、表面に一旦赤みがひいた後に再度、強めの赤みが出ることはありますでしょうか?」
⇒赤くなっているのは「炎症の再燃」でしょうか?
 
「単刀直入に「肉芽 腫性乳腺炎でしょうか?」と聞いても良いものなのでしょうか?
⇒聞いてみてください。
 そうすると「担当医も少しは考える」と思います。
 
○慢性肉芽腫性乳腺炎は診断が難しいかもしれません。