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左乳房 浸潤性乳がんについて

[管理番号:7280]
性別:女性
年齢:54歳
病名:左乳房 浸潤性乳管ガン
症状:胸のシコリ

田澤先生

初めて質問させて頂きます。

よろしくお願いいたします。

39歳の人間ドックで乳房に?胞あり。
定期観察と指摘を受けてから一昨年52歳まで同じ状態でした。

昨年4月に、左胸がキリキリするので、近くのクリニックで、超音波検査を受けたところ、5ミリのシコリがあり、ちょっと気になるので細胞診をするので、1週間後に結果を聞くと、良性ではないが、ガン細胞は無い。
マンモグラフィーも大丈夫だから、このまま小さくなれば問題いし、変わらなければ取った方が良い。
一ヶ月後に来てといわれました。

5月、シコリが消えていない、4.5ミリとの事で、また3ヶ月後に超音波検査と言われました。

8月、この時は今までの院長ではなく息子さんの若い先生が超音波検査をして下さり、5ミリで変わらないし、問題無いから半年後にマンモグラフィーとエコーをしましょう。
との事でした。
心配なので、院長は、変化無ければ取るとおっしゃった旨を伝えると、傷もつくし、今は必要ないでしょう。
と言われました。

今年の2月、超音波検査で院長が針生検させて欲しいとおっしゃり、1週間後に若い先生が検査しました。
同日の院長の見立てでは、95パーセント大丈夫。
血液検査も健康だから心配無いよ。
との事で、なんの心構えも無く1週間後に結果を聞きに行くと、6ミリの乳がんと診断されました。

紹介状は何処にでも出すが、とりあえず、市民病院でPET/CTとMRIを撮ってきてと言われ、何も言葉が出ないでいると、私のこれまでのベスト5だから??腫瘍の小ささの事だそうです。
治る。
私が週に一度、市民病院で手術に立ち会っているから、来月手術すれば良い。
と言われました。

あまりにあっさり言われ、心配が増幅し、すぐに乳ガンセンターのある〇〇記念病院に診察をお願いしました。

超音波検査、マンモグラフィー、造影剤入りMRIとCT血液検査、尿検査のあと、19日に確定しました。

マンモグラフィー 左 FAD カテゴリー3-2。
エコー 左D域 0.6??0.5??0.5 カテゴリー4 周囲にやや広がりあり。
CT リンパ節転移を認めず。

MRI比較的限局している。
シコリと周囲を入れて1.18センチくらいとの結果でした。

組織検査は、核異型度1、ERプラス、pgrプラス、HER2マイナス、ki-67
5から10パーセント、ルミナールAでした。

エコーでは、シコリから乳頭にかけ広がりがありそうだったので、全摘を考えたが、MRIでは、シコリしか映ってないので部分切除でも良いが、手術で広がりがあれば、全摘に変更する場合もあるので、それは手術前に同意を頂きたい。
(下旬)日までに術式を決めて下さいと言われました。

色々、書籍やネットで勉強しても、正直、乳がんに関しては、様々な事例がありすぎて決断出来ずにおります。

先生は、部分切除も全摘も再発率は同じなので、ご自身のライフスタイルで考えてよいです。
との事なので、部分切除をお願いしようと思います。

が、やはり素人なので、10年以上、?胞持ちと思い、いきなり5ミリの腫瘍が出来、一年間あまり大きさが変わらず経過観察でガン判定。
一体、どういう仕組みのガンなのだろうか?などストンと納得がいかずにもおります。

まだ、頭と心の整理が付かない中でメールさせて頂きましたので、分かりづらい点も多々あるかと思いますが、ご意見頂きたく、よろしくお願いいたします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

5mmの癌を細胞診で平気で外すとは!
私が他院での細胞診を信用できないのもご理解いただけると思います。『今週のコラム 105回目 「前医で細胞診良性」を信じられない私をご理解ください。

「私のこれまでのベスト5だから??」
→そんなことを言う前に、「細胞診がまともにできるように」もっと反省してください。

「超音波検査、マンモグラフィー、造影剤入りMRIとCT血液検査、尿検査」
→なぜ、「これほどまでに早期」なのにCTを撮影するのか???

 CTは「遠隔転移検索のため」の「被爆線量の多い」検査です。
 その医師は「本気で」遠隔転移の可能性があると思っているのか??(そうだとしたら、極めてセンスがない)
 ★問い詰めれば「みんな、やっているから…」などと言うのでしょう。

「エコーでは、シコリから乳頭にかけ広がりがありそうだったので、全摘を考えた」
→?

 そもそも「乳頭への拡がりは想定内」です。
 温存手術では(それを想定して)乳頭までの乳管を切除するように「扇状切除」するのです。

「部分切除をお願いしようと思います。」
→上記通り。
 「温存が不可」という理由が見当たりません。

 
 

 

質問者様から 【質問2 左乳房 浸潤性乳がんについて】

性別:女性
年齢:54歳
病名:左乳房 浸潤性乳がん
症状:

田澤先生
先日は、ご丁寧な温かいお返事を頂き、ありがとうございました。
告知が、あまりにも唐突で、想定外だった為、驚きで涙も出ない、ただ毎日、心臓の鼓動で目が覚め、熟睡できない緊張感の中で生活しておりました。

ですから、先生が(私の前かかりつけ医に対して)5ミリのシコリの細胞診を出来ない事を反省して下さい。
というお言葉と、「これほどまでの早期」ながんに対してCT検査へのご意見、そして私の現況で、部分切除を希望する事へのご回答に大きな安心を頂きました。

先日、主治医の先生に術式の希望をお伝えし、手術の詳細についての説明を受けました。
その中で、また幾つか、分からない事がありましたので、質問させて下さい。

○部分切除でお願いしましたが、先生からは、手術中に広がりがあれば全摘になる旨の同意を確認されました。
造影剤入りMRIでは10ミリ 程の限局だったのでは?と質問した所、エコーで、6ミリの腫瘍から乳頭方向に黒い影が伸びているので。
というお返事でした。

??田澤先生にお答え頂いた前回のお返事では、エコーでの進展は想定内、コラム159回でも、MRIで限局であれば部分切除出来るとのお話でしたが、主治医の先生がMRIよりもエコー画像の方を懸念する様な、特殊なケースがあるのでしようか?
私が見た感じは、おたまじゃくしの様な画像です。

今週のコラム 163回目 乳癌診療の基本2 腋窩リンパ節の取り扱い 「そりゃ、もう大騒ぎさ」

○田澤先生のコラム163回「腋下リンパ節の取り扱い」の中で、術前に患者さんと「追加郭清について」について、予め決めるとおっしゃっていましたが、主治医からは、転移があれば、リンパ節の郭清をします。
とだけお話がありました。
確実に方法を決めなくて良いのでしょうか?
??エコーと造影剤入りCTで、ある程度、リンパへの転移は、目安が立つのでは?と思いましたが、主治医の先生のご意見は、全て、開けてみての判断になるという事だと理解しました。

その後、術後の出血については当日、傷口の化膿などの症状が出てないか翌日に、それぞれ自分で確認する。
場合により、入院が伸びるか、再入院になる。
肺塞栓などで胸が苦しくなる場合は、薬で対応。
というお話。

また、針生検の結果のサブタイプの説明を受けた際に、ルミナールAというホルモン治療の効くタイプなので、部分切除の時は、放射線30回とホルモン治療というお話でしたが、今回、放射線治療は、いつから始まりますか?と尋ねた所、病理診断が出て、治療法が決まってからだから、1ヶ月半から2ヶ月位後ですが、抗がん剤の治療が入るかもしれないので、まだそこは、わかりません。
とのことでした。

素人の私には、主治医のお話から、術後の病理診断と術前の診断とは、180度変わってしまう場合があるという印象を受けました。

であれば、費用もかかり、身体的な負担のかかる検査をせずに、すぐ手術で取り出して、正確な判断をして頂くという選択はなかったのかな?
と感じました。

本来でしたら、その点、主治医の先生に、納得出来るまで尋ねるのが筋ですが、抗がん剤の話まで出てきて、もしかしたら、主治医の先生は、
5~6ミリのガンでもタチが悪い.最悪のケースを想定しているが、患者を動揺させない為に、色々な可能性の話をされているのかと不安に感じ、聞けずに帰ってきてしまいました。

こちらの乳ガンプラザの質問も7500からあり、この病気が大変に判断が難しく、病理診断も治療法も多岐にわたるものだと理解しておりますが、ご自身の豊富なご経験から、術式、治療法等いつも明確にお答えされていらっしゃる田澤先生に、再度、ご意見を伺いたいと思います。

また、手術の日程は、来月15日に決まりましたが、田澤先生にご意見を伺ったあと、直接、診察を受けたいと希望した場合、可能でしょうか?

お忙しい中、色々と質問をしてしまい、恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

「主治医の先生がMRIよりもエコー画像の方を懸念する様な、特殊なケースがあるのでしようか?」
→特殊なケースを想像する理由がありません。(その主治医の性格として単に「もしかして」を言わずには済まないのでしょう)

「主治医からは、転移があれば、リンパ節の郭清をします。とだけお話がありました。確実に方法を決めなくて良いのでしょうか?」
→きちんと決めておきましょう。

 上記内容からは「微小転移でも郭清追加する」と解釈しますが、ご本人の希望を伝えたうえで確認すべきです。(5mmだから転移の可能性は殆ど無いとは思いますが、)

「主治医の先生は、5~6ミリのガンでもタチが悪い.最悪のケースを想定している」
→考えすぎ!

 私が読んでいる限り、その主治医は「あらゆる可能性(ほぼゼロでも)を、いかにも「あり得ること」のように話しておかなくては気が済まない」性格のようです。
 ★主治医のキャラクターと考えましょう。

「田澤先生にご意見を伺ったあと、直接、診察を受けたいと希望した場合、可能でしょうか?」
→それは可能です。
 その場合には「秘書メール」してください。

「秘書室メール」はこちらをクリックしてください。

 
 

 

質問者様から 【質問3 】

術後の治療について
性別:女性
年齢:54歳
病名:左乳房 浸潤性乳管がん
症状:

田澤先生
おはようございます。
4月に質問させて頂きました、管理番号7280です。

前回は、手術日を2週間後に控えた状態で、不安と迷いが起き混乱した中での質問に、的確なご意見と勇気を頂き、また、秘書様のメールを通して、迅速に真摯なご対応を頂き、心から感謝申し上げます。

お陰様で、手術日4日前に、主治医と面談し、田澤先生のおっしゃっていた通り、主治医は、起こりうる全ての事象をお話するというスタンスで、自分自身も納得した上で手術に臨む事が出来ました。

ありがとうございます。

術後の病理の結果は
全体の大きさ 12㎜ 、腫瘍径 7㎜×5.5㎜×2㎜
組織型 浸潤性、拡がり 乳腺、リンパ管侵襲0、胆管侵襲0、
リンパ節転移 -、断端 -、核異形度 1、ER+、pgr+、HER2-、
ki67 3.2%でした。

昨日より放射線療法16回が始まり、ホルモン薬 アナストロゾール錠「ケミファ」服用23日目になります。

術後の治療について、また質問をさせてください。

◯私の場合は、閉経後なので、アロマターゼ阻害薬の適用ですが、深く考えずにジェネリックでの処方にしてしまいました。

次回の受診は、まだ先の為、不安に感じていたところ、ネットで乳がん治療薬について、国立がんセンター乳腺内科のの先生のお書きになったコラムを見つけました。

内容は、アロマターゼ阻害薬には優位に関節症状が早期に出易く、長期間服用の副作用について十分に分かっていない為、安全性についての情報に注意が必要。
服用中の30%に関節痛が報告されているが、実際はもっと多いと見られる。
骨粗相症のリスクを高め、認知障害の副作用も報告されており、がんと体が相殺にならないように。
というものでした。

現在、認知症により介護5の実母を介護し、祖母も認知症で、遺伝的な物かと心配していたので、このコラムに衝撃でした。
その後、田澤先生があるあるQに「ホルモン療法の基本 薬剤には厳格な適応がある」を挙げて下さり、過去のホルモン療法についてのQ&Aの先生のお答えをたくさん拝読し、心が落ち着きました。
今後は、余計なネットを見ない様にしよう思います。

Q1.私の場合、今後5年間服用の予定ですが、これは標準治療との認識で
よろしいですか?

Q2.Q&Aで、閉経前の患者さんの中で、ホルモンの影響で下腹部痛や腰痛などを質問されている方がいらっしゃいますが、この症状は、閉経後にも起こりうる事象でしょうか?
今回3/2の告知の前後からも時々、下腹部痛や腰痛を感じておりました。

ホルモン薬の服用が始まってからも右下腹部の痛みを感じます。

毎年の検診では、婦人科も消化器科も異常なしですが、今回、経過観察からの乳がん発覚を経験し、自分ががん体質なのかと考えると、様々な症状に、また、がんかも?と神経質になってしまいます。

現在は、放射線治療と、母の通院で時間を取られるので、放射線治療が終了したら、婦人科と消化器科の受診を考えておりますが、それまでの間に、また田澤先生に勇気を頂きたく、質問してしまいました。
貴重な枠を頂き、すみません。

よろしくお願いします。

 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。

「Q1.私の場合、今後5年間服用の予定ですが、これは標準治療との認識でよろしいですか?」
→その通り。

「Q2.Q&Aで、閉経前の患者さんの中で、ホルモンの影響で下腹部痛や腰痛などを質問されている方がいらっしゃいますが、この症状は、閉経後にも起こりうる事象でしょうか?」
→54歳 閉経後とのことですが…

 年齢的にはあり得ます。