[管理番号:4771]
性別:女性
年齢:42歳
はじめまして。
今年の4月下旬に右乳房が乳癌(石灰化)と診断されましたが、どのような状態なのか分からず不安でいっぱいのため、今の状況で何か分かる所をコメントしていただきたく質問させていただきます。
左乳房は20代後半に、大きめのしこり状態のものがあり、細胞診により問題なしと言われたことがあります。
38歳で出産。
ずっと乳がん検診は受けておらず、悔んでいます。
以下、経過です。
2016年12月下旬:市の乳がん検診で大学病院にてマンモグラフィーを受ける
2017年1月下旬:個人病院にて、結果をもとに診察。
左右乳房ともに気になる所があり(左右ともに分泌物はなし、右は10個以上?の石灰化・しこりはなし)、紹介状をもらい乳腺外科のある病院(田澤先生のいらした病院です)に予約を入れる
1月下旬:東北公○病院を受診。
その日に、左胸太針生検→2月上旬:繊
維腺腫(と言われたように思います)
4月上旬:右胸マンモトーム生検→4月下旬:癌診断
5月中旬:CT、MRI他、術前検査(終わりました)
6月中旬:家族も含めて主治医と話し合い予定
6月下旬:手術予定
4月下旬に癌だと言われた時に、主治医から詳しい説明はなく(「範囲が広いから…」とは言われたので、広く切らないといけないんだなと理解しました)、突然の癌告知に何を質問すればいいか分からず(ステージは手術後でないと分からないということは調べていたので、質問せず)、手術と術前検査の予約だけして帰った状態です。
セカンドオピニオンを求めるか聞かれましたが、東北で乳癌の実績一番の病院というのは調べていたので、一日でも早く手術をと思いセカンドオピニオンは希望しませんでした。
数日後、電話で受け付けの方に“治療の見通しが知りたいので、術前検査日に話をする時間があるか”を聞きましたが、検査の後でないと分からないと言われました。
田澤先生のQ&Aを読み、マンモトーム生検で癌の性質が分かるとあったので、術前検査日に「マンモトーム生検で癌の性質が分かるそうなので、話を聞く機会がほしい。
手術までに日数がかかり不安だ」と看護師に言いましたが、「4月下旬の時点ではそこまで分からなかったのかもしれない。
手術は混んでいるところではもっと待たされる所もある。
話は6月中旬の予約の時にね」と諭されました。
6月中旬の術前の話し合いで手術の内容や治療方針などを話されると思いますが、手術の10日前で事前に癌の状態も分からず選択肢を提示されても、検討することもできずにその場で決めるしかないと思うと、不安で仕方ありません(その日以外、入院までに主治医と話す機会はないと思います)。
マンモトーム生検の予約がなかなかとれず、12月の検診から半年経っての手術というのも不安材料の一つです。
術前の話し合いまでに、何を調べ考えておけばいいのか分からず、気持ちが沈むばかりです。
子供も小さく、治療に前向きに取り組みたいので、お忙しい所大変恐縮ですが、以下の点についてどのように考えられるか、ご回答いただけないでしょうか。
・マンモトーム生検の結果を聞きに行ったのは、検査の16日後なのですが、癌のタイプが分かる結果が出るには期間が足りなかったのか(難しいタイプだった?)、私が聞かなかったから主治医は言わなかっただけなのか。
・石灰化10数個、範囲が広いというのは、どの程度の状態なのか。
・再発を避けたいので全摘を希望しようと思っていますが、もし主治医の方針で温存をすすめられた場合はどう考えればいいのか(全摘であればMRIはいらなかったのかと思うのですが)。
・主治医は一番若い先生のようなので、“重篤な症状なら経験の多い先生に回されるはず。
そこまで重篤な症状ではないのだ”と思おうとしているのですが、関係ないのでしょうか
どうぞ、よろしくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
おおよその内容は了解しました。
「石灰化だけの所見」であることから、焦点は「非浸潤癌なのか、浸潤癌なのか?」という事になります。
病理レポートは貰っていないのですか?
今の公○は私がいたころから4年経っているのでいろいろ変わっているとは思いますが(医師の数は多くなりましたね)私の推測できる範囲でコメントします。
都道府県の事情の違い
(少なくとも私が仙台にいたころには)組織診(バネ式にしろ、ST-MMTにしろ)を行った日に(同時に)サブタイプのオーダーしていました。
そうすると2週間後には「癌なのかどうか?」と(同時に)「サブタイプも判明」します。
一方で、ここ東京では…
私も江戸川に来た当時には「同時にサブタイプのオーダー」していたのですが、全て「保険診療で査定(不適切診療として医療機関に支払われない)されてしまった」のです。
つまり東京では「組織診」⇒「癌と結果」⇒(その後で)「サブタイプオーダー」となるのです。
♯東京の保険査定では、「サブタイプはあくまでも癌が確定されてからオーダーされなくてはならない」という大義名分なのです。(この辺のやり方が都道府県で異なるのです)
なので、江戸川では
「組織採取」⇒(2週間後)「癌と診断」⇒(更に2週間後)「サブタイプ判明」となるのです。
「・マンモトーム生検の結果を聞きに行ったのは、検査の16日後なのですが、癌のタイプが分かる結果が出るには期間が足りなかったのか(難しいタイプだった?)、私が聞かなかったから主治医は言わなかっただけなのか」
⇒冒頭で示した通りです。
少なくとも4年前までは「サブタイプも同時オーダーだった」ので「サブタイプの結果も出ていた」と推測しています。
いずれにしろ、「非浸潤癌なのか?浸潤癌なのか?」は当然教えてもらってしかるべきです。
「・石灰化10数個、範囲が広いというのは、どの程度の状態なのか」
⇒本当に「10個」ですか?
10個程度なら、それほど広範囲にはならないような気がしますが?(実際にマンモ画像を見ないと何とも言えません)
「・再発を避けたいので全摘を希望しようと思っていますが、もし主治医の方針で温存をすすめられた場合はどう考えればいいのか(全摘であればMRIはいらなかったのかと思うのですが)」
⇒範囲が狭ければ「温存でもいい」と(メール内容からは)推測します。
「そこまで重篤な症状ではないのだ”と思おうとしているのですが、関係ないのでしょうか」
⇒絶対に「重篤」である筈がありません。
もしも進行しているものであれば、初診時に(左ではなく)右の組織診をした筈だからです。
♯おそらくST-MMTは混んでいるので(私の頃からそうでした)右は3カ月待ちとなったのだと推測されますが、(シコリが無いため)診断まで「3カ月待ちでも問題ないレベル(進行度)」だという判断だったのです。
質問者様から 【質問2】
先日はお忙しい中、の質問に丁寧にお答えいただきありがとうございました(管理番番:4771)
サブタイプのオーダーについて、都道府県によって違いがあることが分かり、勉強になりました。
先生の回答の、
>「石灰化だけの所見」であることから、焦点は「非浸潤癌なのか、浸潤癌なのか?」という事になります。
>もしも進行しているものであれば、初診時に(左ではなく)右の組織診をした筈だからです。
などを読み、落ち着いて考えられるようになり、自分なりに調べることができるようになりました。
今回は、左乳房についても心配なことがあり、田澤先生に手術をお願いすることができるかどうかについてお聞きしたく、メールしました。
先週、主治医から話があるということで、病院に行き主治医と話す機会が持てました。
(内容は、病変?が乳首の方にも伸びているので、乳首を残すことが難しいということでしたが、私は全摘を希望していたので、その話は決着しました)。
右乳房の状態について聞くと、『非浸潤癌、ステージ0、リンパ節転移なし』ということで、それ以上のサブタイプがないことが分かりました(4月下旬の癌告知の時に分かっていたのかどうかは、聞きづらく聞けませんでした…。
病理レポートは貰っていません)。
左乳房(1/下旬 太針生検)についてですが、あらためて聞くと、良性の繊維線腫または葉状腫瘍ということでした(大きさは、深く考えていなかったので聞いてきませんでした)。
葉状腫瘍の名前は知っていましたが詳しくは調べておらず、帰ってから先生のコラムやQ&Aで勉強し、大変難しい病気であることが分かり怖くなりました。
繊維線種と葉状腫瘍は、画像でも細胞診でも判別が難しいこと、葉状腫瘍は小さい内に摘出が望ましいこと、初回の手術が大変重要なことを知りました。
そこで、田澤先生に左右乳房いっしょに手術をお願いすることは可能でしょうか。
手術の混み具合はどれ位でしょうか。
このサイトを読み、田澤先生が診断や手術が的確なこと、患者さんに真摯に向き合っていらっしゃる姿を見て、当初からできれば先生に手術していただきたいけれど、遠いのでとても無理だと思っていましたが、江戸川病院では入院期間が短いことを考え合わせ(4歳の息子がいるので入院が短い方が本当にありがたいです)、無理な話ではないなと考えるようになってきました。
主治医は、左胸の状態については右胸手術後の半年に一度の経過観察でいっしょにエコーで診てみましょうと、言っています。
主治医は4/下の癌告知の時に、非浸潤癌というのは分かっていたと思うのですが、私が聞かなかったので言わなかったのだと思います。
突然の癌告知に動揺はしましたが、説明が聞けないほど取り乱してはいません。
質問すれば説明してくれますが、自分からはあまり説明してくれず、親身になって治療してくれるのだろうかという不安があります。
実際の手術の日程は6/(下旬)、その前の家族面談は6/15です)
6/下旬に手術が決まっているのに、こんな時期にという思いもありますが、主治医に両胸手術を希望していることを電話で伝えてもらった所、両胸だと時間がかかり手術枠がいっぱいなので8/下旬に延期になると言われました(明日、主治医と話す予定です)。
どうせ待つなら、転院も可能なのではと具体的に考え始めました。
ただ、非浸潤癌とはいえ4/下旬の癌告知から手術予定まで2カ月、待っているのが精神的につらくなってきました。
しかし、右乳房だけ手術したとして、その後すぐに左乳房のしこりが大きくなって手術することになるようなことがあれば、待ってでも両方いっしょに手術しておけばよかったとなりそうです。
田澤先生が、○か月先の手術でも大丈夫と言ってくだされば待てると思います。
それから、遠いので家族が来られるのが、手術日だけになるかもしれないのですが、可能なのでしょうか。
まとまりのない文章になってしまい、すみません。
お忙しい中大変申し訳ありませんが、ご返答よろしくお願いします。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
事情は了解しました。
葉状腫瘍の可能性があるのであれば、当然同時に手術すべきと思います。
私は両側の手術は慣れているので、特に問題ありません。
「そこで、田澤先生に左右乳房いっしょに手術をお願いすることは可能でしょうか。」
「手術の混み具合はどれ位でしょうか。」
「ただ、非浸潤癌とはいえ4/下旬の癌告知から手術予定まで2カ月待っているのが精神的につらくなってきました。」
⇒大丈夫です。
現在、手術枠の増枠で対応が可能です。
秘書メールをしてもらえば、日程を抑えられます。
♯但し、「同時再建」の場合は形成外科を受診してから日程が決まります。
「それから、遠いので家族が来られるのが、手術日だけになるかもしれないのですが、可能なのでしょうか。」
⇒全く問題ありません。
遠方の方は(手術日を含めて)全てお一人だけの方も結構多いです。
秘書室へメールは、
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