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嚢胞について

[管理番号:6290]
性別:女性
年齢:41歳
お世話になります。
41歳、妊娠・出産経験なしの者です。
精密検査での「嚢胞」との診断についてお伺いしたく、よろしくお願いいたします。
3月中旬に市の乳がん検診(マンモグラフィーのみ、2方向から撮影)を、総合病院にて受けました。
その日は撮影のみで医師の診察はありませんでした。
4月始めに、「所見があるので至急精密検査を受けてください」との通知が市から届きました。
同封されていた医師宛の依頼書には「左、腫瘤、カテゴリー4」の結果と、コメント欄に「microlobulated mas」「LNにしては辺縁不整」とあり、左乳房の斜め横からの撮影結果図
では、「X」と示された部分(高さ?は「U」)にしこりがある、とされていました(市では2名の医師がマンモグラフィーを見て判断しているとのことです)。
通知を受け取って約1週間後の昨日、同じ総合病院の乳腺・甲状腺外科(乳腺専門医)で、医師自ら、左右ともエコーを行ってくださり(触診は無し)、「嚢胞です、水がたまっているんです、ガンではないですよ。」と画像を見ながら説明がありました。
また、細胞を取って調べる必要もない、とのことでした。
エコーをする前には「リンパ節だと思うんだけどね」とおっしゃっていたので、気になっていた依頼書のコメントについて尋ねると、「リンパ節がギザギザに映ることもあるからね」とのことでした。
エコー後に、マンモグラフィーの画像で、「所見として引っかかったのはこの部分で、先程見た嚢胞です。
」と指し示してくださり、「また来年、検診に来てください」と言われたので、「それは何か悪いところがありそうだから、ですか」と伺うと、「何か隠れているかもしれないからね、2年に1度と言わず、来年来てくださいね。」とのことでした。
“何か隠れているかも”という表現が不安だった
ので、「安心して生活して良いのでしょうか」と尋ねると、「はい」とのことでした。
とても緊張していたのと、それ以上は質問しにくい雰囲気だった(なんというか、“嚢胞であって、それ以上でもそれ以下でもないです”という感じでした)ので、尋ねようと思ってメモしていたことをほとんど聞けずに帰ってきてしまいました。
いまになって、なぜ勇気をだして聞かなかったのだろうと情けなく思い、反省しています。
たくさんの質問で申し訳ないのですが、お答えいただければ、ありがたいです。
よろしくお願いいたします。
【質問1】
マンモグラフィーで2名の医師によって“辺縁不整な腫瘤”とされたものが、エコーで嚢胞と診断されたことは、やはり、マンモグラフィーとエコーそれぞれの得意分野の違い、ということが理由でしょうか。
【質問2】
医師宛の依頼書にあった図では、斜め横から撮影した分にしか腫瘤が示されていませんでした。
一方向からしか映らない腫瘤、というのはあるのでしょうか。
【質問3】
細胞を取って調べなくても、本当に大丈夫だと思われますか。
【質問4】
検診は、言われた通り、1年後で良いのでしょうか。
“何か隠れているかも”という言葉に少し不安を感じ、乳腺専門クリニックに予約しようかどうか、迷っています(短い期間に何度もマンモグラフィーを撮るのは避けた方が良いでしょうか)。
総合病院の後にクリニック、というのも順序が違うかもしれませんが…。
同じ結果になるのでしょうか。
【質問5】
精密検査の通知を受け取って以降、手がしびれることがよくあります。
特に、今回のことについて考えているときに、そうなる気がするのですが、精神的なものなのでしょうか(通知を受けてから精密検査までの間、もう、死んでしまうかもしれないと思って過ごしていましたので…)。
田澤先生のご経験上、そのような患者さんがおられたことはありますか。
以上です。
どうぞよろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「【質問1】マンモグラフィーとエコーそれぞれの得意分野の違い、ということが理由でしょうか。」
⇒その通りです。
 マンモはあくまでも「存在診断(いちおう、辺縁の診断はするとはいえ、質的診断としては弱い)」であり、エコーが「質的診断(勿論、最終的には組織診断ですが、エコーでおおよそ解ります)」なのです。
「【質問2】一方向からしか映らない腫瘤、というのはあるのでしょうか。」
⇒かなり高い位置だとCC(頭尾方向撮影)では写らなくても仕方がありません。
「【質問3】細胞を取って調べなくても、本当に大丈夫だと思われますか。」
⇒嚢胞と言い切っているのだから問題ありません。
「【質問4】検診は、言われた通り、1年後で良いのでしょうか。」
⇒勿論OKです。
「【質問5】精密検査の通知を受け取って以降、手がしびれることがよくあります。」
⇒これは、明らかにストレスによる女性ホルモン刺激症状です。『今週のコラム 111回目 大事なことは、これら①~④の病気など世の中には無いのです。それは(我々医師には)自明なことなのです。』をご一読ください。