［管理番号:8818］
性別:女性
年齢:32歳
病名:肉芽腫性乳腺炎
症状:
投稿日:2020年8月18日

肉芽腫性乳腺炎の情報が少ない中、こちらにたどり着き、色々と参考にさせていただいています。
ありがとうございます。

今年の6月末に急激な左胸の全体的な張り、歩くだけでも痛いほどの痛みがありました。
最初にかかりつけの産婦人科で乳腺炎と
言われ、カバサールを処方されましたが効果なく、次に乳腺外科にかかり、エコーをしてもらいましたが「肉芽かがんかもしれない。
大きな病院でみてもらって。
」と言われ、市内の総合病院を紹介いただきました。
針生検、エコー、CTの検査をしました。

診断がつくまでの1ヶ月間痛みがひどく、カロナールやロキソニンを毎日飲んでいました。
39度の熱が2週間ほど続き、結節性紅斑、歩けなくなるほどの手足の関節痛、足首の浮腫などの合併症が出て、胸も赤くパンパンに腫れ切開し膿を出してもらいました。
その後、肉芽腫性乳腺炎の診断がつき、現在ステロイドでの治療が始まったところです。
ステロイドを飲んでからは痛み止めも飲まなくなるほど症状がおさまってきました。

私はもともと陥没乳頭なのですが今後肉芽を繰り返さない為にも手術で治しておいたほうがいいでしょうか。
というかそもそも陥没乳頭に伴う乳輪下乳腺炎だったということはあるでしょうか。

ステロイドが効いていれば肉芽と考えていいのでしょうか。

また、7月末の血液検査で
Corvnebacterium kroppenstedtii
という菌がいることが分かったのですが、これは肉芽腫性乳腺炎と関係があるのでしょうか。
主治医には抗生剤を処方してもらい、その後プレドニゾロンを服用してます。
プレドニゾロンを服用してからは体調の回復を実感しています。

私は産後、高プロラクチン血症でカバサールを1年ほど服用してました。
さらに、PMDDの症状もあったので4月からヤーズというピルも服用してました。
しかし、ヤーズは左ふくらはぎの痛みが出てきてしまったので、1ヶ月で服用を中止ました。

このような高プロラクチン血症やピルの服用が肉芽腫性乳腺炎の原因になるのでしょうか。

また、今はカバサールの服用は休止しているのですが、今後も服用を再開していいものか不安ですし、服用しないと下垂体の腫瘍(高プロラクチン血症と診断されたときに撮影した脳のMRIでは、
肉眼ではそこにあるかどうかわからないくらいで、先生には「おできができてるぐらいに考えといてね」と言われました)が大きくなる不安もあります。
そして、カバサールを止めると生理もきません。

先生でしたらどのように治療を進めていかれますか。

田澤先生からの回答

こんにちは田澤です。

肉芽腫性乳腺炎については、『今週のコラム　250回目　診断（検診で「何かある？」と言われた方、「これってシコリ？」と感じた方へ）vol. 6 良性疾患』の７．肉芽腫性乳腺炎を参考にしてください。

巷では「ステロイドが怖い」として頑としてステロイド治療を行わない乳腺外科医が多い中で、ステロイド治療をしていることは幸いに思います。

★ただし診断に難があるようです。

きちんとＭＭＴＥで大量の組織を採取して病理診断していれば、患者さんが『そもそも陥没乳頭に伴う乳輪下乳腺炎だったということはあるでしょうか。』などという疑問はわかない筈です。★★

「その後、肉芽腫性乳腺炎の診断がつき」
⇒きちんと病理組織結果で確認していますか？（上記★★）

「私はもともと陥没乳頭なのですが今後肉芽を繰り返さない為にも
手術で治しておいたほうがいいでしょうか。」
⇒肉芽腫性乳腺炎であれば、陥没乳頭とは無関係

「というかそもそも陥没乳頭に伴う乳輪下乳腺炎だったということはあるでしょうか。」
⇒ＭＭＴＥできちんと組織診断してもらいましょう。

「また、7月末の血液検査で
Corvnebacterium kroppenstedtii
という菌がいることが分かったのですが、これは肉芽腫性乳腺炎と関係があるのでしょうか。」
⇒無関係
　今回の炎症とは無関係であり、原因ではありません。（肉芽腫性乳腺炎は無菌性の炎症です。）

「主治医には抗生剤を処方」
⇒不適切

「プレドニゾロンを服用してからは体調の回復を実感しています。」
⇒ステロイド治療したがらない乳腺外科医が多い中、大変よかったです。

「このような高プロラクチン血症やピルの服用が肉芽腫性乳腺炎の原因になるのでしょうか。」
⇒無関係

「先生でしたらどのように治療を進めていかれますか。」
⇒『今週のコラム　250回目　診断（検診で「何かある？」と言われた方、「これってシコリ？」と感じた方へ）vol. 6 良性疾患』の７．肉芽腫性乳腺炎の「実症例」そのまんまです。
　ご参考に。