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脈菅侵襲+3

[管理番号:2999]
性別:女性
年齢:46歳
おはようございます。
病理検査の結果がでて、とても悩んでいます。
浸潤がん 硬がん
リンパ節1/5転移あり 1センチ
ER+PgR+
HER 2 +1
浸潤径1.4センチ
核異形度1
脈管侵襲+3
以上のことから再発リスクが高いということで
抗ガン剤と放射線、ホルモン剤を勧められています。
有名な大学病院です。
ki67は調べていないそうです。
この場合関係ないと言われました。
あとは、ルミナルAとのこと。
抗ガン剤、放射線は絶対必要でしょうか?
先生の意見を聞かせて頂きたいです。
よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
pT1c(14mm), pN1, luminalA, NG1
「有名な大学病院です。ki67は調べていないそうです。この場合関係ないと言われました。」
⇒Ki67は「重要な指標である」ことはSt. Gallen 2015でも確認されています。
 大学病院の医師のいうことなど、私には興味がありません。
 本来は「Ki67を測定すべき」です。
 
「あとは、ルミナルAとのこと。抗ガン剤、放射線は絶対必要でしょうか?」
⇒抗ガン剤は不要です。
 ルミナールAでは「腫瘍径が大きくても、リンパ節転移があっても化学療法によるベネフィットがない」ことがSABCS2015で発表されています。
 St.Gallen2015でも「リンパ節転移4個以上」とすべきだという意見が多数でした。
 ちなみにNewAdjuvant.comで調べると「上乗せ効果」は5%です。
⇒放射線を迷っているということは「全摘」なのですね?(部分切除ならば放射線は必須です)
 全摘後の放射線照射の適応は「リンパ節転移4個以上」です。
 ただし、ly(リンパ管侵襲)が高い場合には「照射すべき」と思います。(脈管侵襲とはlyとvのどちらが高いのか不明です)
 
「先生の意見を聞かせて頂きたいです。」
⇒もしも迷うならば(大学病院の医師の言う事よりは)「Oncotype DX」をしてみましょう。
 余程頼りになります。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生、おはようございます。
以前質問させていただいたものです。
右胸全摘、同時再建で現在、エキスパンダーが入っております。
質問ですが、ki67の値が高値であれば
脈管侵襲+3、リンパ節1/5転移、グレード1でも
ルミナルBになり、抗ガン剤適用になりますか?
脈管侵襲のly vの値は不明で+3としか聞いていません。
放射線をやったほうがいいとの事ですが、シリコンに入れ替えしないと
照射は出来ないと言われていますが、出来ないのでしょうか?
今からでも、先生の病院に転院は可能でしょうか?
よろしくお願いします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「ki67の値が高値であれば脈管侵襲+3、リンパ節1/5転移、グレード1でもルミナルBになり、抗ガン剤適用になりますか?」
⇒その通りです。
 
「放射線をやったほうがいいとの事ですが」
⇒lyが3+であれば、その方がいいと思います。
 
「シリコンに入れ替えしないと照射は出来ないと言われていますが、出来ないのでしょうか?」
⇒その方が安全です。
 
「今からでも、先生の病院に転院は可能でしょうか?」
⇒可能ですが、形成外科のことも考えなくてはなりません。
 (当院の形成外科が、他院でエキスパンダーを入れた患者さんの、入れ替えやその後のケアをしてくれるかは不明です)
 現在の病院の形成外科とも話し合ったほうがいいとは思います。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

田澤先生、おはようございます。
先日は、早々とお返事ありがとうございました。
実は、先生にセカンドオピニオンを予約を入れています。
しかし、ki67の値がわからないということは、今後の治療法も確定しにくいということですよね?
転院も考えていましたが、形成のほうもまだまだかかりますし、難しいようですね。
田澤先生のQ&Aで、とても助けて頂きました。
本当にありがとうございました。
よく考えて治療法を選択していきたいと思います。
また、何かありましたらお力添えください。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
了解しました。
「病理のプレパラートを借用」して「Ki67を染色する」という手はありますが…
ご本人の決断を尊重します。