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判別不能のマンモートーム生検結果について

[管理番号:5017]
性別:女性
年齢:42歳
初めまして。
質問させて頂きます。
私は既婚で出産経験はありません。
今年2月辺りから乳房痛があり、4月に乳腺外科にて検診を受けました。
結果、前回(2015年11月)の結果とも比較して気になる石灰化(大きさはミリ単位だったと思います)があるとの事でマンモトーム生検を受ける事になりました。
マンモトーム生検では石灰化部分は全て取りきったとの事で、場所の印として金具?チップ?のようなものを埋め込んだとの事です。
生検後の結果説明では
・おそらく超初期の乳がん(扁平上皮下形成低異型度非浸性乳管がん)だろうと思う。
・病理の医師の診断は(その病院は外部にも意見を聞く事にしているようです)良性と言っている。
・どちらを信じるかは患者の判断。
・痛みは乳がんとは関係ない。
・このがんは超初期で、昔なら気づかなかったくらいのもので、最近は検査が発達して「見つかってしまった」レベルのもので、5年10年放っておいても大丈夫なくらいのもの。
・手術(日帰りなる)か経過観察か選ぶように。
との事でした。
持病(パニック障害・バセドウ病)もあり、ここ1・2年理由のわからない体調不良を
抱えていることもあって、とりあえず経過観察・次回11月に再検査という事にしたのですが、やはり気になって色々調べていてこちらのサイトに辿り着きました。
経過観察を選んだのは正しかったのか、それとも手術をするべきか、田澤先生のご意見を伺いたいです。
宜しくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
限り無く「黒に近いグレー」
癌ではあるが、異型が弱いために(生検組織では)確定しない。
石灰化に対するステレオガイド下マンモトーム生検では、しばしば経験するものです。
「経過観察を選んだのは正しかったのか、それとも手術をするべきか、田澤先生のご意見を伺いたいです」
⇒手術すべきです。
 担当医の『「見つかってしまった」レベルのもので、5年10年放っておいても大丈夫なくらいのもの』といういい方は解らないでもありませんが…
 それは「早期発見に冷や水をかけるコメント」として不適切に思います。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

石灰化の手術について
性別:女性
年齢:42歳
先日は明快なご返答ありがとうございました。
お陰様で手術する決心がつき、8/28に手術を受けることになりました。
手術を申し込みに行った診察で、これまでの診断結果(電子カルテ)を写メに撮らせてもらって、また手術の内容を聞いて、また疑問が出
てきたので質問させてください。
まず、診断の結果です。
(数値や用語などについてよくわからないので丸写しします。)
視触診所見
   腫瘤ふれない 分泌ない 左乳房下縁に皮疹 かゆみあり
マンモ
   【乳房の構成】 乳腺散在
   【RL】 L
   【部位】 C
   【Calcifications】
      (2)鑑別の必要な石灰化
          ①形態 微小円形
          ②分布 集簇性(2ヵ所)  
   【Category】 3:良性しかし悪性を否定できない
   【コメント】 前回より描出。
目立ってきた印象
US
左乳房:嚢胞散在 カテゴリー2
右乳房:BD領域 M
    7.1*4.4*3.6mm 拡張乳管集簇像あり 血流(ー)
    MP疑い カテゴリー2
    C領域 4.8mm 良性LNあり カテゴリー2
拡大マンモ
   【乳房の構成】 乳腺散在
   【RL】 L
   【部位】 C【Calcifications】
      (2)鑑別の必要な石灰化
          ①形態 微小円形
          ②分布 集簇性(2ヵ所)  
   【Category】 3:良性しかし悪性を否定できない(3-1)
   【コメント】 拡大にて数は少ない印象
2017/4/(中旬) MR
(所見、診断)
T2強調画像で、両側乳腺(左>右)に小嚢胞性腫瘤が散見されます。
また、Gd造影にて、漸増性に造影されるSpotsが散見されます。
MRIカテゴリーはⅢになります。
なお、左乳腺C領域に、Gd造影にてRegionalに造影される領域を認め、カテゴリーはⅣになります。
微細石灰化に一致する部位でしょうか?
肝嚢胞(+)
2017/5/(上旬) ST-VAB
病理標本 ST-VAB 左右 左乳房
組織診断 Indeterminate of malignancy,flat epithelial
     atypia(FEA) 1/5
     ER(+) CK5/6(-) 上皮は基本的には二相性
FEAについて
おそらく低異型度非浸潤性乳管癌の最も早期の形
取り扱い(切除生検の場合 2つの異なった報告あり)
Eusebiら 1964-76 切開生検 9446検中 FEA25例 1例にDCIS IDCなし→これ以降は症例の説明みたいなものが長々と書かれています。
以上が私の電子カルテです。
そこで、質問なのですが・・・。
①この日初めて聞かされたのですが、石灰化が二箇所あると初めて言われました。
 また、場所的に大きく切らなければならないとも言われました。
(5cm四方くらい)
 前回までは局部麻酔の日帰り手術との事でしたが、この日「全身麻酔(2泊3日入院)の方がいいかもね」と言われました。
 リンパや他臓器への転移は「おそらく多分無い」との事。
 組織を検査して「再手術の可能性もある」との事。
  ・元々説明が雑で適当な医師だとは思っていたのですが(電子カルテも私が無理矢理ババッと写メ撮った形です)、お医者さんみなさ
んそんなもんなのでしょうか?
  ・全身麻酔に非常に恐怖感があります。
(不安神経症・パニック障害持ちです)
話によると局部麻酔でもできなくはないみたいな言い方をしていましたがどうなのでしょうか?
  ・2ヵ所石灰化があるとの事でしたが、マンモトーム生検で2ヵ所とも組織を取るのは無理なのでしょうか?(今回初めて2ヵ所ある
と聞いたので「なんで生検で2ヵ所ともみてもらえなかったんですか?」と聞いたら
「マンモトーム生検で1ヵ所しかできない」との事。)
  ・こちらのサイトでみる限り、私の状況ではリンパや他臓器への転移は無いと勝手に安心していたのですが勘違いだったのでしょうか?
  ・これだけ大きく切って更に再手術の可能性もあるのでしょうか?(乳房の変形は気にしてないのですが、手術への怖さがあります。)全摘出してもらった方がいいのでしょうか?
②今初めてカルテを写してみて「T2強調画像で、両側乳腺(左>右)に小嚢胞性腫瘤が散見されます。」などちょっと気になる所見に気づきました。
 左乳房の石灰化ばかり気にしていたのですが、田澤先生から見て上の所見に他に気になるところ(右乳房など)は無いでしょうか?
正直な話、最初からここまで診察を受けてきて、説明が雑・何か聞いても「まぁ大丈夫やろ」と目線も合わせずにボソボソ言う・ヘラヘラ
笑いながら私の話を聞くなど不快な事が多く、今の主治医(乳腺クリニックの院長です)に不信感があります。
一緒に話を聞いた主人も苛立つ程です。
ただ、このクリニックがとある大きなクリニックの支店というか、うちの地域の検診クリニックで、マンモトーム生検や手術は大きなクリニック(本店?)の方に遠出して受けることになっています。
この大きなクリニックが乳がん治療で有名というか、実績もあるようで、専門的で有名ならやはりこちらで治療したいと思い文句も言えず、我慢して通っている状態です。
なので、本来に主治医に聞けばいい話なのかもしれませんが、こちらに質問させて頂く事をお許しください。
宜しくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「お医者さんみなさんそんなもんなのでしょうか?」
⇒医師に限らず…
 どの職業にでもいろいろな人がいますよね?(政治家を例に出すまでもなく)
 職業で、その人を判断することはできないということです(当たり前ですが)
「局部麻酔でもできなくはない」
⇒「できなくはない」と「その方法が最善」とは全く異なります。
 石灰化の生検(しかも癌が疑わしい)の場合には全身麻酔の方がいいと思います。
 ○(局麻では)中途半端で終わる可能性があるからです。
 (補足)「しこり」と「石灰化」の一番の違いは「見たり触っても解らない」ことです。触って解る「しこり」であれば、簡単に局麻で取れますが、(触って解らない)石灰化の場合には採るべき部位の同定が難しいのです。
「マンモトーム生検で2ヵ所とも組織を取るのは無理なのでしょうか?」
⇒無理ではありません。
 実際に、(私自身は)必要なら同時に2箇所から採取することも珍しくありません。
「私の状況ではリンパや他臓器への転移は無いと勝手に安心していたのですが勘違いだったのでしょうか」
⇒勘違いではありません。
 そんな状況では決してありません。
 そんな状況のものは(癌と直ぐに解るから)診断に手間取ることはないのです。
「これだけ大きく切って更に再手術の可能性もあるのでしょうか?」
⇒それは癌の場合です。
 病変が癌であり、(更に)癌の拡がりが広い場合には、追加で切除しなくてはなりません。
「全摘出してもらった方がいいのでしょうか?」
⇒確定診断がついていない状況で、全摘は通常は行いません。
「田澤先生から見て上の所見に他に気になるところ(右乳房など)は無いでしょうか?」
⇒ありません。
 そもそも石灰化の診断にMRIなど「全く無意味」です。