[管理番号:910]
性別:女性
年齢:42歳
初めまして。
昨年10月、検診により乳がんが見つかり、11月に左乳房全摘出手術、今年1月より始まった抗ガン剤治療が終わり、現在放射線治療中です。ハーセプチンも継続しています。
病理の結果、
腫瘍の大きさ4センチ
リンパ節転移 26個/44個
悪性度 3
脈官侵襲 あり
ER 陽性
PgR 陽性
HER2 2+ FISH+
Ki-67 49%
となっています。
私はかなり再発転移のリスクが高いと自覚しています。
標準治療以外に、何かしらの治療を受けてそのリスクが下がるのであれば、少しでも可能性があるのであればうけておきたいと思っております。
担当医師は、標準治療以外にはおすすめできるものはありませんとの回答。
やはり、先生も同じお考えですか?
まだまだ気持ちに波があり、無性に不安が襲ってくることがあります。
先生のQ&Aを見せていただいても、これだけリンパに転移のある方が見つからず、
私には完治の見込みがないのかと泣けてきます。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
Luminal B(HER2陽性)で抗HER2療法を受けながら、「放射線治療中」ですね。
「リンパ節転移の数が多い」事で御心配だと思いますが、「乳癌は基本的に予後が良い」癌であることの認識は必要です。
回答
「担当医師は、標準治療以外にはおすすめできるものはありませんとの回答。やはり、先生も同じお考えですか?」
⇒私も同じ考えです。
HER2陽性に対する「抗HER2療法」は「とても優れた治療」です。
おそらくECx4⇒DTX+HERx4⇒Hx14(現在、ここで放射線治療中ですね)だと思います。もしかしてDTXではなくてweeklyPTXという可能性もありますが…
PertuzumabやTrastuzumab Emtansineなどは「進行再発乳癌が適応なので、決して用いてはなりません」
○ただ、リンパ節転移の個数から考えると「領域リンパ節再発には注意」が必要です。
本当は『放射線治療としても、トモセラピーが適切』だとは思いますが、いずれにしろ今後「鎖骨上や胸骨傍、縦隔リンパ節など」に対して注意が必要です。
♯定期的な画像診断(CTやPET)はした方がいいでしょう。(あとは、3カ月に1回の超音波です)
これらは「早めに見つければ」放射線照射で対処できるからです。
「私には完治の見込みがないのかと泣けてきます」
⇒そんな事はありません。
「リンパ節」はあくまでも局所です。
きちんとした全身療法+「局所のチェック」が重要です。