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鎖骨上リンパ節と縦隔リンパ節転移

[管理番号:4977]
性別:女性
年齢:37歳
はじめまして。
質問させていただきます。
▼これまでの経緯
2013年8月:右胸内側にしこりを発見
2013年9月(34歳):針生検するも細胞がとれず、受診したクリニック
で摘出手術→検査
結果悪性腫瘍と判明
病院紹介
2013年11月:紹介の病院乳腺外科にて、乳房温存手術、センチネルリン
パ節生検、リンパ節転移なし
・浸潤性入管癌
・リンパ節転移:陰性
・摘出リンパ節数:3
・大きさ(浸潤型):1.0cm
・範囲:1.0+0.7cm
・核異型度:3
・術前化学療法:なし
・ホルモン感受性:あり
・HER2:なし
・断端:近い
・Ki67:34.3%
2014年1月:放射線治療(30回)、タモキシフェン、ゾラデックス開始
2014年1月-2016年3月:タモキシフェン、ゾラデックス継続
1ヶ月毎に診察、3ヶ月毎に超音波検査
半年毎にマンモグラフィ、腹部超音波検査、放射線治療後の検診、乳腺外科の診察
2016年3月:右肩、右腕や肩甲骨の疼痛、違和感を感じ、右鎖骨上にし
こりを発見
2016年4月(37歳):同病院の乳腺内科を受診
CTの結果、鎖骨上リンパ節と縦隔リンパ節転移の所見
他内臓器への転移所見なし
骨シンチグラムでは骨への転移所見なし
疼痛コントロール:オキシコドン除法カプセル、カロナール錠、オキノーム散
ホルモン治療変更:タモキシフェン→アナストロゾール、ゾラデックス
放射線治療(4/(上旬)-5/(中旬))
以降、1ヶ月毎の血液検査と診察、3ヶ月毎のCTを行なう
2016年7月
CTの結果、鎖骨上の腫瘍はほぼ無くなる
2016年10月:セカンドオピニオン受診
ホルモン陽性なので今の治療(ホルモン治療)継続との見解
2017年3月:3ヶ月毎のCT結果、縦隔リンパ節の腫瘍少し大きくなっている
ホルモン治療変更:アナストロゾール→ヒスロンH200mg、ゾラデックス中止
疼痛コントロール継続
2017年4月:不正出血(4/29~現在)
2017年5月:子宮体がん検査→陰性
ヒスロンHの副作用とのこと
2017年6月:3ヶ月毎のCT結果、縦隔リンパ節の腫瘍が大きくなっていたため、
ヒスロンH200mg中止
疼痛コントロール継続
オキシコドン除法カプセル12時間毎→8時間毎
骨転移の可能性があり、骨シンチグラム検査
他内臓器への転移は見受けられない
現在:骨シンチグラム結果待ち
生検のため検査入院予定
生検結果が出るまでホルモン治療等の投薬特になし
疼痛コントロールしながら仕事も継続
▼お聞きしたいこと
・主治医は手術は行なわないとの方針ですが、胸骨あたりが腫れて(見た目で出っ張っている)痛みが出ており、可能であれば取り除きたいのですが、手術はやはりできないのでしょうか。
・放射線を、1回目は右乳房と右脇に、2回目は右鎖骨上リンパ節と、縦隔リンパ節と、2度照射していますが、縦隔リンパ節に対し、トモセラピーは可能(有効)でしょうか。
・ホルモン陽性のため、ホルモン治療→化学療法との治療方針でしたが、この段階で化学療法が有効でしょうか。
経口のUFTやTS-1についてはどのようにお考えでしょうか。
・生検結果次第ですが、主治医より、ホルモン陽性の場合は卵巣摘出も有効とのお話でしたが、ご見解はいかがでしょうか。
手術を行なうのであれば、痛みの元となっている部分を取り除きたいとは思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
再発治療にはスタンダードはありませんが、一般的に「命を脅かす」状況でないかぎり(リンパ節だけの場合には、そのように考えます。)
「ホルモン療法で粘って」⇒「できるだけ(ギリギリまで)ホルモン療法で」というやり方が多いようです。
○ただ私は「化学療法できちんと叩いて」⇒その後にホルモン療法で「長期コントロール(あわよくば根治)を図る」というやり方を推奨しています。
「・主治医は手術は行なわないとの方針ですが、胸骨あたりが腫れて(見た目で出っ張っている)痛みが出ており、可能であれば取り除きたいのですが、手術はやはりできないのでしょうか。」
⇒「胸骨あたり」とは「胸骨そのものの骨転移」なのか、「胸骨傍リンパ節」なのか?
 どちらにしても手術適応にはならない事が多いです。
「縦隔リンパ節に対し、トモセラピーは可能(有効)でしょうか。」
⇒照射野が重ならなければ「可能」ですが…
 同じ部位には2度かけられません
「この段階で化学療法が有効でしょうか。経口のUFTやTS-1についてはどのようにお考えでしょうか。」
⇒私であれば、そのような「小出し」よりは…
 積極的化学療法(bevacizumab+paclitaxel)で、きちんと極限までの効果を狙って、(しかる後に)「経口抗がん剤(もしくはホルモン療法)で維持」と思います。
「・生検結果次第ですが、主治医より、ホルモン陽性の場合は卵巣摘出も有効とのお話でしたが、ご見解はいかがでしょうか。」
⇒ホルモン療法は長期で行っているので「顕著な効果はない」と思います。
「手術を行なうのであれば、痛みの元となっている部分を取り除きたいとは思います。」
⇒手術が無理だとしても…
 Bevacizumab + paclitaxel」など協力な抗癌剤で「大幅な縮小を狙うべき」と思います。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

鎖骨上リンパ節と縦隔リンパ節転移
性別:女性
年齢:38
[管理番号:4977]

鎖骨上リンパ節と縦隔リンパ節転移


先日はありがとうございました。
生検結果が出ましたので再質問させていただきます。
▼骨シンチの結果
リンパ節および胸骨転移
(そのほかの骨に転移所見なし)
▼病理検査結果
手術時の病理
ER 90%
PgR 40%
HER2 1+
今回の病理
ER 2-3%
PgR 0%
HER2 2+(※現在FISH検査中 検査結果7/18)
サブタイプがホルモン受容体陽性HER2陰性から、トリプルネガティブ
(またはHER2)タイプに変化
新しいサブタイプに基づき治療検討
▼お聞きしたいこと
・化学療法について
>HER2陽性の場合
ペルツズマブ(パージェタ)
トラスツズマブ(ハーセプチン)
ドセタキセル(ワンタキソテール)
>トリプルネガティブの場合
パクリタキセルもしくはドセタキセル
とのことでした。
パクリタキセルとベバシズマブの併用についても主治医に伺いましたが、本人が希望するならその治療法も可能とのことでした。
ただし、パクリタキセル単独よりも、ベバシズマブの副作用もあるということはお聞きしました。
HER2陽性、トリプルネガティブ、それぞれの治療方法について再度伺いたく存じます。
HER2陽性の場合は、上記のとおりの治療法がよいでしょうか。
トリプルネガティブの場合は、前回ご回答いただいたとおり、積極的化学療法(bevacizumab+paclitaxel)が有効でしょうか。
比較的はやく効果が得られる治療方法はどれになりますでしょうか。
・治療開始時期について
画像や診断状況などでご意見伺いたく、実は病理結果を待たずして、並行して動き、8/2(水)○○:00より、メディカルプラザ江戸川にて、セカンドオピニオン予約させていただきました。
主治医には、セカンドオピニオンの旨伝えており、7/18にFISH検査の結果とともに、診断状況提供書、画像の準備をすすめていただいております。
先生のご意見を伺ったのち、自分で納得して治療を開始したいと考えておりましたが、現状、痛み止めの薬を飲んでいても(オキシコドン5mg→10mg変更 12時間毎1錠、オキノーム1回1包→2包へ変更)胸の痛みがひどく、6/28-29の生検検査入院時よりここ数週間で患部が目に見えて腫れ出してきており、セカンドオピニオン予約日まで3週間ほどありますので、進行するのではないかと不安で、1日でも早く治療開始したいとも思っております。
治療開始が8月に入ってからになることによって、リスクはありませんでしょうか。
どうぞよろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
胸骨は骨転移だったのですね。
疼痛の原因であれば、(化学療法を含めた全身療法より前に)胸骨への放射線照射をすべきでしょう。
♯前回のQの中に2016年『放射線治療(4/(上旬)-5/(中旬))』とありますが、これはどこへ照射しているのでしょうか?(縦隔リンパ節?もしくは鎖骨上?)
 その時点では「骨への転移所見なし」と記載があるので「胸骨へは照射していない」とすれば、適応があります。
「HER2陽性の場合は、上記のとおりの治療法がよいでしょうか。」
⇒その通りです。
 Pertuzumab(PER)+trastuzumab(HER)+docetaxel(DTX)が第1選択となります。
「トリプルネガティブの場合は、前回ご回答いただいたとおり、積極的化学療法(bevacizumab+paclitaxel)が有効でしょうか。」
⇒その通りです。
「比較的はやく効果が得られる治療方法はどれになりますでしょうか。」
⇒(HER2陽性ならば)PER+HER+DTXを用いるべきでしょう。
 (HER2陰性ならば)bevacizumab+paclitaxelです。
「治療開始が8月に入ってからになることによって、リスクはありませんでしょうか。」
⇒上記治療(胸骨への照射も含め)を先行させながらのセカンドオピニオンがいいでしょう。