[管理番号:6207]
性別:女性
年齢:60歳
連日のこちらのページで勉強させていただいております。
3月初旬 右全摘手術
術後病理結果
大きさ 18㎜
リンパ節転移 1つ(2㎜)
(センチネルリンパ節生検で陽性だったためレベル1郭清)
ホルモン受容体 陽性
HER2 2+ (現在確定診断待ち)
Ki67 12%
リンパ管侵襲(+)
血管侵襲(-)
ステージⅡa
HER2の結果が出る前の質問で申し訳ございませんが、質問させて下さい。
HER2が陰性であった場合ルミナールAになると思いますが、その場合はホルモン療法のみになると思います。
リンパ節転移があったこと、Ki67にはばらつきがあること、リンパ管侵襲が+なことを考慮しても抗がん剤は必要ないのでしょうか?
また抗がん剤をしたとして上乗せ効果はどのくらいありますか?
このような場合オンコタイプをすることに意味はありますか?
Ki67もあまり高くないためオンコタイプをしても低リスクまたは中リスクとなる可能性が高いですか?
(中リスクだと余計に考えてしまう?)
このような場合田澤先生でしたらオンコタイプは勧めず、ホルモン療法のみでしょうか?
HER2が陽性ならばもちろん全ての治療を受けますが、もしルミナールAとなった場合抗がん剤をしなくていい反面、本当に大丈夫なのか不安にもなります。
お忙しいところ恐縮ですが教えて下さい。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「リンパ節転移があったこと、Ki67にはばらつきがあること、リンパ管侵襲が+なことを考慮しても抗がん剤は必要ないのでしょうか?」
⇒①リンパ節転移は(抗癌剤の上乗せとは)全く無関係
②リンパ管侵襲は(そもそも)どうでもいいこと(無関係)
③Ki67のバラつき
⇒それを疑うなら(素直に)OncotypeDXすればいいのです。
「また抗がん剤をしたとして上乗せ効果はどのくらいありますか?」
⇒ルミナールAなのかBなのかで「全く異なる」ので、この2年以上は「ルミナールタイプでこの手の質問には一切回答していません」
「このような場合オンコタイプをすることに意味はありますか?」
⇒Ki67=12%では私は勧めませんが(ルミナールAと判断すべきでしょう)、勿論「して悪い事はない(確認できる)」ということです。
「Ki67もあまり高くないためオンコタイプをしても低リスクまたは中リスクとなる可能性が高いですか?」
⇒その通り。
今週のコラム101回目のグラフを見てみましょう。
・今週のコラム 101回目 (Ki67が20代はluminal Aの可能性が圧倒的に高く)本当に「Aなのか、Bなのか迷うのは30代以降」と言えるのです。
「このような場合田澤先生でしたらオンコタイプは勧めず、ホルモン療法のみでしょうか?」
⇒私の患者さんだったら…
「一秒も迷わず」ホルモン療法単独です。