［管理番号:4971］
性別:女性
年齢:６６歳
初めまして。
母親が乳がんと宣告されてから先生のサイトを読み、勉強させていただいてます。
今年の3月、抜歯のために通院した歯科で、血圧が高いため抜歯不可能と言われ内科にかかりました。
高血圧と糖尿病。
2週間の食事改善入院の間に採血した検査結果で、尿酸値が高いと言われ腹部のCTをしました。
その時に少し写り込んだ胸にしこりがあるとのこと。
悪いものではないとは思うと言われましたが、4月（中旬）日にマンモグラフィーをしたところ、病院から自宅に電話があり、
なるべく早いうちに大きい病院に行って診てもらって下さいと言われました。
２日後、紹介状を持って、大学病院へ。
マンモトーム生検をし、CT、MRI、骨シンチ、胸部レントゲン、エコーと検査の嵐。
2週間後の生検の結果。
浸潤乳管がんステージ1
ER +
PgR +
HER2 －
Ki67 20%
悪性度低
ルミナールA
リンパ節への転移の確率も低いとのことで、一先ずホッとしたのですが、1週間後の手術当日。
センチネルリンパ節3/3転移があったため、郭清しましたと言われました。
結果次第では3ヶ月の抗がん剤治療がプラスされるとのこと。
ステージ1のルミナールAからステージ２や、３になるかもと不安のまま、今日までの1ヶ月術後病理結果を待ち続けました。
病理結果を聞く予定だった日の3日前。
早目に結果が出てるからと、担当医に呼ばれ病室へ。
あまりの出来事に良く覚えていません。
病理検査の結果。
ER +
PgR +
HER2 3+
Ki67 5%
3ヶ月のFEC、3ヶ月のTH、9ヶ月のハーセプチン、放射線治療、抗ホルモン剤治療とフルコース
術前と術後でこのような結果になることはあるのですか？
リンパ節への転移数を聞き忘れてしまったので、ステージなどはわからないのですが、
トリプルポジティブについてわからないことだらけです。
考えがまとまらず、乱文ですみません。
部長医師からの病理結果は来週です。
詳しいことがわかり次第また相談に乗っていただけますか？
よろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「術前と術後でこのような結果になることはあるのですか？」
⇒稀にはあります。
特に多いのは（今回の質問者のように）ＨＥＲ２についてです（ＥＲ， ＰｇＲについては殆どありません）
○当院でつい最近経験した1例を紹介しましょう。
（前医での）針生検でＨＥＲ2 ３＋ ⇒ （当院で）手術標本で １＋
さて、どうしたか？
①当院の病理医に相談
②前医での針生検標本の取りよせて、再度、当院の病理医に診てもらった。
③病理医のコメントは（前医での３＋という評価は）「過剰評価である。せいぜい２＋にとどめＦＩＳＨで確認すべき」
④（前医での針生検標本を）ＦＩＳＨ提出⇒結果は「陰性」
⇒つまり『前医での３＋という評価は過剰評価であった』という結論となりました。（ＦＩＳＨで確認しているので、間違いありません）
☆ということで…
質問者のケースに戻ると（手術標本での）「３＋という評価が本当に正しいのか？」となります。
順番としては（病理医に）「針生検の標本と手術標本」を再度見比べてもらい、「その乖離の原因についてコメントもらう」ことです。
♯最終的に納得できなければ「ＦＩＳHを行う」べきです。
質問者様から 【質問２】
前回の相談でHER2の値が術前と術後で違ったために相談に乗っていただいた者です。
その後、部長先生から病理結果を報告されました。
病理結果
浸潤値が1番大きい所で25ミリ
ER 90%
PgR 5%
HER2 ＋
Ki67 5%
センチネルリンパ節3/3
腋窩郭清(レベル1) 0/9
核グレード2
ステージ2b
HER2の値がポジティブになるには少し他の数値が優しいと疑問を持たれ、再度病理検査(FISH)に出していただいてる最中です。
明日その結果がわかるのですが、その前に質問したいことが出来たので、よろしくお願い致します。
1 FISHでの検査は術後の検体でするのでしょうか？
2 FISHの信頼性は高いのですか？
3 もしもFISHでネガティヴだった場合、先生の治療方針をお聞かせください。
抗ガン剤はするべきでしょうか？
した場合としなかった場合での、再発率、生存率を教えていただけませんか？
よろしくお願いします。
田澤先生から 【回答２】
こんにちは。田澤です。
「1 FISHでの検査は術後の検体でするのでしょうか？」
⇒３＋という判断が本当に正しいのかは、当然「過大評価しているかもしれない」標本で行うべきです。（ＨＥＲ２陰性の標本で行っても陰性があたり前だからです）
「2 FISHの信頼性は高いのですか？」
⇒それが「答え」と考えて差し支えありません。
「3 もしもFISHでネガティヴだった場合、先生の治療方針をお聞かせください。」
「抗ガン剤はするべきでしょうか？」
⇒ルミナールＡだから…
抗癌剤をすることはありません。
「した場合としなかった場合での、再発率、生存率を教えていただけませんか？」
⇒ルミナールＡであれば「上乗せ」は「ほぼゼロ」だと思います。
ホルモン療法だけで再発率は１５％以下 10年生存率は９０％くらいだと思います。