[管理番号:7456]
性別:女性
年齢:30歳
病名:乳がん
症状:
田澤先生、こんにちは。
今とても悩んでいることがあるので相談させてください。
2018年2月に乳がんステージ1の診断を受けました。
細胞診ではホルモン陽性。
HER2-fish陽性。
ki67-40%。
姉妹結節?で広がりがあったため術前化学療法をして温存手術をしました。
その結果、摘出部位からがん細胞は検出されず完全奏功だったそうです。
その後タモキシフェンを現在も服用しているのですが、5月末に生理が再開してしまいました。
この為にリュープリン注射を追加で行うか悩んでいます。
元々再発リスクが低いことと治療費が結構かかるとのことでやらなくても大丈夫かな、という気持ちとやはり少しでもリスクは減らすべきなのか、という気持ちで揺れて答えが出ません。
タモキシフェンの副作用はホットフラッシュと性欲減退くらいでこれといってすごく辛いということはありません。
また子供も1人いるのでとりあえずは治療優先でと考えています。
主治医は再発リスクは低いのでどちらでもいいよ、という感じでした。
田澤先生でしたらどのような提案をなさいますか?
ご助言いただけると嬉しいです。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「その後タモキシフェンを現在も服用しているのですが、5月末に生理が再開」
→化学療法閉経からの回復ですね。(30歳であれば、当然予想された事態です)
「この為にリュープリン注射を追加で行うか悩んでいます」
→当然行うべきです。
「あるあるQ」の『ホルモン療法の基本 薬剤には厳格な「適応」があることを、まずはご理解ください。』をご参照ください。
そもそもLH-RHagonistの併用は『「35歳未満」/「化学療法閉経から回復した場合」だけとなったのです。』です。
★質問者は上記条件を「2つとも満たしている」わけですから…
質問者様から 【質問2 】
今後の治療について
性別:女性
年齢:30歳
病名:乳がん
症状:
先日は回答ありがとうございました。
非常に明確な回答で私も迷うことなく併用を決断出来ました。
今回は追加で質問がありましたので是非お力になっていただきたくご連絡致しました。
①現在リュープリン+タモキシフェンの併用治療をしておりますがこの治療の最善の年数を教えて下さい。
(リュープリン併用後から関節痛などが酷く少し精神的にも参ってきています…)
②数週間前から不正出血があり本日婦人科を受診したところ、膣炎であると診断され(中が真っ赤だったそうです。
性交痛もあります)エストリール膣錠を入れました。
こちらはホルモン補填療法になると思うのですが果たして大丈夫なのでしょうか?
タモキシフェン+リュープリンも継続、エストリール膣錠も併用となってはなんだかチグハグな気がして釈然としないのですが…
婦人科医は2ヶ月に一回を継続した方がいいと言っているのですが乳がんの再発率に影響はないのでしょうか?
このまま続けて大丈夫ですか?
以上になります。
ご回答よろしくお願いします。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは田澤です。
「①現在リュープリン+タモキシフェンの併用治療をしておりますが
この治療の最善の年数を教えて下さい。」
→リュープリンは5年
タモキシフェンはそのまま10年
「婦人科医は2ヶ月に一回を継続した方がいいと言っているのですが乳が
んの再発率に影響はないのでしょうか?
このまま続けて大丈夫ですか?」
→必要が合って行っているのだから問題ありません。
膣錠のエビデンスはありません。
質問者様から 【質問3 】
今後の治療と検査について
性別:女性
年齢:31歳
病名:乳がん
症状:
投稿日:2020年5月26日
田澤先生、こんにちは。
今後の治療方針で悩みが出来たのでまた相談させてください。
前回の質問で回答いただけた通り、タモキシフェンとリュープリン注射を継続していたのですが、30分に1回の動悸息切れとホットフラッシュ、関節痛がひどく主治医に相談したところひとまずリュープリン注射の中止を提案されました。
動悸息切れとホットフラッシュはかなりしんどく、辛いのですが再発することを考えると我慢してでも注射を続けたほうがいいのかと悩んでいます。
現在、3ヶ月に1回のリュープリン注射を行っていますが、とりあえず今回分は中止にしタモキシフェンのみの継続をしている現状です。
次の診察は3ヶ月後の8月になりますが、このような現況であれば田澤先生でしたらどのように治療を行っていきますか?
やはりリュープリンは継続していくべきでしょうか?
ちなみに本日エクオールを買ってきたのでこれから試してみる予定です。
次に、8月で術後2年になりマンモグラフィー、エコー、単純CTの検査があるようなのですがこれは一般的なのでしょうか?
今は3ヶ月に1度の触診と血液検査を継続しています。
主治医からは造影剤CTを勧められましたが、前回造影剤で吐き気がしたためそれを伝えたところ単純CTとなりました。
田沢先生のこれまでの回答やコラムなどを拝見しもしかしたらCTはいらないのではないかと考えていたのですが、確信もなかったので主治医には伝えることが出来ませんでした…
お忙しい中質問に目を通してくださりありがとうございます。
田澤先生のシンプルな答えが実に明快でセカンドオピニオンとしてとても心の支えになっております。
今回もよろしくお願いいたします。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
「次の診察は3ヶ月後の8月になりますが、このような現況であれば
田澤先生でしたらどのように治療を行っていきますか?」
⇒主治医同様
まずはリュープリン休薬です。
「次に、8月で術後2年になりマンモグラフィー、エコー、単純CTの検査があるようなのですがこれは一般的なのでしょうか?
今は3ヶ月に1度の触診と血液検査を継続しています。
主治医からは造影剤CTを勧められましたが、前回造影剤で吐き気がしたためそれを伝えたところ単純CTとなりました。
田沢先生のこれまでの回答やコラムなどを拝見しもしかしたらCTはいらないのではないかと考えていたのですが、確信もなかったので主治医には伝えることが出来ませんでした…」
⇒術後定期診察に「一般的」などありません。(施設によっては「半年に1回のCTやPET」などという過剰施設もあれば、採血も含め「一切しない」過疎施設もあります)
ただ、個人的には質問者の年齢では無用な被爆(CT)は推奨しません。